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2010-02-26 00:00:00

あいにくの天気ながらルーキーたちが鈴鹿を力走!

今季初の合同テストでルーキー4人とトヨタ・テスト車が精力的に走行

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 2月26日(金)、今年最初の全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの合同テストが鈴鹿サーキットで実施された。今回のテストでは新規参戦ドライバーへ走行機会を与えることと、エンジンテストが主として行われた。

 ルーキードライバーの走行テストやオーディションとして参加したのはTEAM IMPUL、CERUMO/INGING、Team LeMansの3チームの3台。エンジンテストにはトヨタがテスト車両1台を持ち込んだ。 TEAM IMPULには、1年間のブランクがあることでルーキー扱いとなったジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.20/写真左)、CERUMO/INGINGには昨年全日本F3でランキング2位となった井口卓人(No.48)が搭乗した。Team LeMans(No.7)の1台には、ケイ・コッツォリーノ(写真下)とヘンキ・ワルドシュミットが乗り込み、ドライバーオーディションとなった。テスト車両のドライバーは立川祐路だった。

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 この日の走行は、午前9時から11時までの2時間と、午後2時から4時までの2時間。朝から生憎の雨模様となったが、その中で各ドライバーともにまずは慣熟走行。その後は、精力的にテストを行った。
 そんな中、午前中のセッション開始から1時間あまりが経過したところで、井口(写真下)がガス欠のためにスプーンコーナー入り口のコース外でマシンを止める。このため、赤旗が提示され走行は一旦中断となった。間もなく走行が再開されたが、走行時間が残り5分ほどとなったところで、井口がダンロップコーナーでコースアウトし、クラッシュ。これで2度目の赤旗が提示され、ここで午前の走行は終了となった。

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 午後の走行時間では、スピンやコースアウトするマシンもなく、各チームとも順調にメニューを消化。雨の中とはいうものの、それぞれ得るものは大きかったようだ。

 タイム的には、午前・午後ともにオリベイラが1分56秒台中盤を叩き出し、いずれの走行時間帯でもトップとなった。午前中は、立川がこれに続き、コッツォリーノ、井口という順になる。午後は2番手に鈴鹿初体験のワルドシュミット(写真下)が滑り込み、立川が3番手。午前中にクラッシュしたマシンの修復に予想以上の時間が掛かり、午後の走行は1時間ほどしか走行できなかった井口が4番手という結果になった。

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 次回、フォーミュラ・ニッポンの咆哮が鈴鹿サーキットにこだまするのは、3月7日(日)。まずは鈴鹿サーキットのファン感謝デーで行われるデモンストレーションレースが、多くのドライバーにとって、これが今年の初走行となる。このファン感謝デーに続く8日(月)、9日(火)には、いよいよ今季初の合同テスト(鈴鹿)。まだ陣容の発表されていないチームも多いが、ここでようやく今年の顔ぶれが見えてきそうだ。
 そして、待ち遠しい開幕戦は4月17、18日、舞台は鈴鹿サーキット。今年の開幕戦、鈴鹿サーキットでは、なんと観戦料金が大幅値下げ! さらにその観戦券でスタンドでの観戦も可能! さらに2輪レースの最高峰JSB1000も行われ、ビッグレース競演で2度美味しい! これは見逃せない一戦となるだろう。

テストでのトピックス(ミニ・インタビュー)

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ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)
「今日のタイムはとても良かった」
 今日は1年半ぶりにフォーミュラ・ニッポンに乗ることができて良かったよ。クルマの感触は良かったし、バランスも取れていたと思う。ウェットコンディションも得意だしね。朝のセッションでは、もう一度、フォーミュラ・ニッポンに順応するために、少し時間をかけた。まぁ数周で慣れることができたけど。乗っていて楽しかったし、興奮もしたよね。今日のラップタイムはとても良かったと思う。今日、IMPULのスタッフと初めて仕事したけど、彼らの仕事のやり方はとても効率的で素早いと思った。すごく印象的だったよ。

ケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)

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「FN09は高速コーナーで思い切って踏んで行けた」
 フォーミュラ・ニッポンに乗ったのは08年以来でしたし、FN09も初めてだったんですけど、まずはそこまで無理をせずにクルマの感触を見ました。雨だったので、どういうタイヤなのかということも含めて、全体的にクルマのチェックをしたというか、慣れることを心がけました。その後、最後にまとめようかと思ったんですけど、ちょっと赤旗とか出てしまって、今ひとつ最終的なラップタイムは伸ばせなかった。でも、いいテストだったと思います。FN09は全体的にダウンフォースが多いと感じましたね。特に高速コーナーで速いのは良いと思いましたし、思い切って踏んで行けました。今日のテストでは、ワルドシュミット選手とほぼ同じタイムでしたが、今日の結果でチームに判断されると思います。彼の走りは凄いと思いました。鈴鹿が初めてと思えないぐらい攻め込んでいたので、ちょっとビックリでしたね。シート獲得に関しては、分からないですよね〜。でも、僕としては上のクラスに上がることしか考えていません。

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ヘンキ・ワルドシュミット(Team LeMans)
「タイムはそんなに悪くはなかったと思う」
 鈴鹿は初めて走ったけど、ものすごく難しいコースだね。前半では、1つのコーナーでミスすると、次のコーナーも、その次のコーナーも上手く行かなくなる。ものすごく難しいサーキットだと思うよ。急に『来てくれ』って連絡があったんだ。だから、ゲームで練習したりする時間もなかったんだよね。今日は雨だったけど、富士でもブリヂストンのレインタイヤは経験していたし、その点に関しては問題なかった。僕としては、チームが望んでくれるのであれば、フォーミュラ・ニッポンに出たいと思っている。このチームはプロフェッショナルだし、彼らと一緒に働けるのであれば嬉しいよ。でも、ドライバーを決めるのはチーム。でも、タイムはそんなに悪くはなかったと思うし、選んでもらえたらいいよね。

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井口卓人(CERUMO/INGING)
「自分なりにいろいろチャレンジはできた」

 FN09に乗ったのは2回目、去年の夏に5周ぐらい乗っています。でも、今日乗ってみて、やっぱりパワー感はすごいと思いましたし、雨の中でも多少ハンドルが重くて、ちょっとビックリしています。でも、その中で自分なりにいろいろチャレンジはできたと思いますし、タイムは速くなかったけれど、いいテストにはなったかな。1回目の最後はちょっとプッシュして、そのままハイドロプレーニング(水膜に乗って滑る現象)でスピンしてしまいました。雨の量も結構減っていたので、ペースを上げても大丈夫かなと思ったんですけど…。午後は雨の量が多くて思った通りには走れなかったですね。まぁ、タイムも気になりますけど、今回は慣熟走行を中心にとエンジニアと話していましたので。次の合同テストからは、本格的に色々やっていきたいです。その時は、飛ばしていきます。

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永井洋治主査(トヨタ・エンジンテスト車両)
「扱いやすく、かつパワーも出るようにします」
 今年のエンジン開発は、まずひとつは全体的なパワーを上げるということ。それはエンジンの宿命ですから。それと、特にドライバビリティーを中心にやっていきたいと思っています。昨年はやっぱり扱いにくい面があったということで、その辺で扱いやすく、かつパワーも出るように。トラクションを有効に使えるエンジン特性を目指しています。今日は雨になって、パワーとか信頼性など確認できなかった部分もありますが、ドライバビリティーに関しての方向性は見えましたし、いい方向に来ていると思います。去年はホンダ勢にタイトルを獲られて、悔しかったですね。その分、今年に賭ける意気込みというか、気合いが入っていますよ。

立川祐路(トヨタ・エンジンテスト車両ドライバー)
「変えてきた部分の効果も感じました」
 今日はエンジンも含め、セットアップも試したりしていました。今日、乗ってみた感触として、エンジンに関しては、変えてきてもらった部分の効果もそれなりに感じました。アクセルの踏み始めのパワーの掛かり方とかに関して、今までよりも乗りやすくなっていたんじゃないかと。今のフォーミュラ・ニッポンのエンジンはパワーがあるので、低速コーナーの立ち上がりというのは、タイヤよりもだいぶエンジンパワーの方が勝っているんですよ。その辺のトラクションのコントロール性が向上するようなことをテストしたんです。今日はコンディションには恵まれませんでしたが、その辺の効果はありそうだと感じられました。今後に関しては、今日やったことをドライで確認したいですね。

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立川のドライブするテスト車両