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2017-12-18 16:18:26

「終」の文字が浮かび上らなかったエンドロール(前編)

TECHNOLOGY LABORATORY 2017 Round6&Round7

TEXT: 両角岳彦

「台風直撃」必至。手さぐりの週末

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 一度体験した時間を遡り、そのディテールを読み解く。単純にそれだけのプロセスなのに、やはり何か明確な「決着」をきっかけにしないと、脳内ストーリーがなかなか転がりだしてくれない。このところずっとそれを実感していた。

 その「2017年シーズン、決着の時」は、台風21号の襲来で失われてしまったわけだが、この最終戦・鈴鹿を迎えた金曜日、そして台風前面に伸びる湿舌の雲に覆われた雨の土曜日、2日間の走行を見守りながら、私が記していたメモをここに再録してみよう。現地に立てなかった皆さんに、遅ればせの「実況中継」の意味も含めて。

10月20日(金)
静岡あたりは雨が上がっていたが、三重は雨。まだあまり多くはない。昼過ぎから「ポツリポツリ」降り始めた。

■専有走行
少し遅れて15時10分に開始。
ウェット宣言
路面に乗った水量は徐々に増えている印象。雨粒は細かい。現段階では、いわゆるこぬか雨。
当初は各車1分52~53秒あたりのラップタイムで走行。15分経過で2、16が1分50秒台へ。
45分経過時点でもタイミングモニター上位2車は変わらず。3~9番手が1分51秒台、以下1分52秒台で続く。
ここで15台ほどがピットに戻っている。ウェットの予選シミュレーションに行くのかな?
1時間の走行時間の終盤に、2が1分50秒493、65も1分50秒624、19が1分50秒609とタイム更新。

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10月21日(土)
「公式通知No.13」で「フリー走行および公式予選が(Q3まで完全に)実施できない場合のグリッド決定方法および選手権ポイント付与について」がアナウンスされた。
スターティンググリッドについては…

●フリー走行実施/公式予選実施できなかった場合
 レース1:フリー走行のベストタイム順
 レース2:フリー走行のセカンドベストタイム順

●フリー走行実施/公式予選Q1のみ実施された場合
 レース1:Q1のベストタイム順
 レース2:Q1のセカンドベストタイム順

●フリー走行/Q1、Q2まで実施された場合
 レース1:Q1の結果順
 レース2:Q2までの結果順

そして選手権ポイントについては、それぞれのポールポジション獲得者に1点ずつが与えられる。

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■フリー走行
予定されていたタイムスケジュールどおり、9時10分にコースオープン。ピットロードに出て待機していた2-36-37-19-20-40-41-15-16…とコースに出てゆく。1はちょっと後からピットを出る。10、18、50、3-4、7-8、64-65も間隔を空けてコースイン。
このセッションで20分間コースオープンされれば走行成立と判断される。雨は降り続けていて弱まることはないことが明らか、つまり路面水量は増える方向、ということで、ここは最初から行くしかない。
各車のアウトラップは2分00秒あたり。ストレートを走り抜けるマシンの背後に白いウォータースクリーンが舞い上がる。
L(周回)2で19が1分55秒766→ピットイン。予選ができないことを想定するとセカンドベストも必要なので、これでは不十分。再走しないと…。
L3 2が1分55秒615。41が1分54秒694。9時20分 37が「まっちゃん」出口でコース外側のグリーンを旋転しながら滑走、その時点ですでにフロントウィングを失っている。そのままスプーン外側のバリアにノーズからクラッシュ。「水に乗ったかな」(事後の本人へのインタビュー)。積車で帰って来たマシンは右前タイヤが落ちて外を向いている。
その直後、1がシケイン入り口でリアタイヤをコースからはみ出させてスピン、360度回ってシケインエスケープでストップ。
赤旗
この時点での最速タイム順は、41-40-15-2-19-10-7-4-36-8-50-1-65-3-37-16-64-18-20。
9時32分 10台ほどがピットレーンへ出てゆく。
9時35分 セッション再開。20-19-40-41…とコースイン。
T6黄旗=64スピンアウト、グラベルにつかまる。(アウトラップ)。
赤旗
コースインしようとした3-4がピットロードエンドで止められる。
この時点で走行時間は11分56秒。フリー走行10分延長、そのかわりスタート練習は中止、と発表。
9時46分 走行再開。1-36-19-20-2-40-64-16-10とコースインしてゆく。41がピットロード出口でストール、クルーが付いていて再始動、ことなきをえる。15はピット内待機組 1分半待ってコースイン。 16、41は1周でピットへ戻ってきた。
20が2分03秒467でまず1周。次の周回、「まっちゃん」出口で横向いてスプーンに向けて滑って行く。
雨足が強まっている。
36が1分59秒022。このあたりが今の天候、路面状態の限界?
15、64、7あたりもピットへ。
18が1分58秒404で自己ベスト。
37も修復なって再度コースイン
10時00分の時点で41が1分54秒694 2nd1分56秒099で両方ベスト。
この時点で12台がピットに留まる。
10時02分には18 1分56秒657 7 1分56秒061を記録。
残り7分でまた赤旗
4分残りで再開するが、その後はタイム更新するドライバーなし。

雨、雨、雨…。台風本体の襲来はまだこの後に

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■予選Q1
タイムスケジュールから5分ディレイして13時55分から開始。かなりの量の雨が降り続いている。この状況ではQ1しかできないことも十分に予想され、ここでベスト、セカンドベストの両方をきちんと出しておく必要がある。視界のことを考えると前を空けて出て行くしかないが、雨粒、雨足、急に強まった。
立ち上がりでアクセルペダルを少しでも強く踏むとアクアプレーニングが起こり、リアタイヤが空転~横滑りしてしまうことがコースイン直後のマシンの動きから見て取れる。
13時58分 赤旗提示、14時40分に再開予定。16を筆頭に15-64-65-7-3-1-2-36とピットロードに並び始めた。ここでさらに雨が強くなりそうな…。残り17分16秒でコースオープン。
1周目 7が1コーナーで川に乗ったか、リアがスパッと流れて横を向き、旋転姿勢でグラベルを突っ切ってスポンジにリア~側面で当たる。
14時43分 赤旗提示。7は自力復帰ができなかったので予選終了。ここで残り14分13秒、14時50分に再開予定と表示される。
ピットロードダッシュは41をトップに40-36…、ピット位置が1コーナー寄りの1がノーズを入れ、20-15-37-18…と続く。2はピット内でまだフロント車高調整(下げる? 左輪プッシュロッドを時計方向に回していた)、そのままピットボックス内で待機。
14時51分40秒 2ピットから出る。他と半周ずらした形。20を先頭に15-36-18と続き、シケインでは「トラフィック」状態。計時1周目、130Rで15が20に接近、速度を御として間隔を空ける。 18 1コーナーでコースアウト。
14時55分 赤旗提示。残り8分37秒。この段階では64-65-10-19-20-40-41までがいちおうのタイムを計測、以下8-15-1が2分切るタイム。2は17番手、 3はタイミングを遅らせて出ていったことで計時なしの状態。
15時00分 再開予定、終了予定15時08分37秒と表示。各車一斉にピットロードに出る。1-2-36-37-40-41-65-16-19-15-20-64-4…と並ぶ。コースにはチーム2台ずつ出て行く形になり、先頭に出たINGINGセルモはコースに入った先で1が2を前に出す。
15時04分 2がまず1分54秒698。36、37が次々に上回ってくる。15は1分55秒997で6番手へ。36がS1-S2を赤字(全体最速)で行くが、 シケインで1に引っ掛かってショートカット、これでこの周回のタイム無効(1分53台だった)。40が1分54秒454。15は16に追いついてしまいシケインで間隔空ける。しかし1コーナー入り口で(コースを横切る川がある)リアが滑りスピン、グラベルへ。
15時08分 赤旗提示、残り1分17秒この時点での最速タイム順は36-40-37-2-64-11-20-15-18-41-65-10-19-16-8-3-4-50(-7)。雨量、路面水量ともに増える一方で、もはやタイム更新は望めない。Q1終了。タイミングモニター下部の競技運営メッセージが更新されて「Q1をもって全ての予選を終了する」「PIT作業は禁止(パルクフェルメ状態とする、の意味)」。

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 と、こんなふうにメモを記しながら私は競争の流れを追っているわけだが…。

 結局、2017年スーパーフォーミュラ選手権シリーズ「最終戦」はここまでで打ち切りとなった。戦われなかったレース1のポールポジション、すなわちQ1最速タイムを記録したのはA.ロッテラー、レース2のポールポジション、すなわちQ1セカンドベストタイム最速だったのはY.マーデンボロー。この2人がそれぞれ選手権ポイント1点を上乗せした。「タラレバ」を言うなら、この1点をもしもP.ガスリーが手にしていれば、石浦宏明とP.ガスリーのチャンビオンシップ・ポイントの差はわずかに0.5点であって、ガスリーが1コーナーの川に足を取られてスピンしていなければ…という仮説も一瞬浮かぶのだが、鈴鹿のヘビーレイン初体験とあっては、あの川の存在を意識できなかったとしても、それはまた2017年シーズンを象徴する事象だったと言えるだろう。

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