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2010-11-13 00:00:00
FUJI SPRINT CUP DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING 予選レポート
11月12日 (金) 予選
#29 井口 卓人 予選最高速およびタイム抹消
< 公式予選 > 天候:晴れ | コース状況:ドライ
先週鈴鹿サーキットでシリーズ最終戦を終えたばかりのDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING だが、今週末はJAF GRAND PRIXの名が冠された、スーパーGT との史上初の同時開催となる富士スピードウェイでのスペシャルイベント。前週は悔しい結果に終わった井口とDELIZIEFOLLIE/CERUMO・ INGING だけに、スペシャルイベントとはいえ、今一度今季の集大成を見せる格好の舞台である。スペシャルイベントのため通常とは異なり、金曜から日曜までの3 日間開催となる今大会。土日にレース距離100kmのスプリントレースが1 戦ずつ開催されるため、走行初日となる金曜は、シリーズ戦での土曜のようにフリー走行と公式予選が行われる。まずチームと井口は、午後のスペシャルステージ方式の予選に向けセットアップを煮詰めるために重要なフリー走行に臨んだ。
午前8 時40 分、フリー走行がスタートすると同時にコースインした井口は、ゆっくりとタイヤを温め2 周目に1 分31 秒019とすると、翌3 周目には1 分26 秒836 でトップに。さらに続く4 周目に1 分26 秒244 にタイムを上げるとピットイン。手早くセットアップに修正を加えると、午前8 時50 分に再びピットアウトしていく井口は、ここで1 分26 秒984、26 秒769、26 秒866 をマークすると再びピットへ向かう。
午前9 時01 分、再びコースインした井口は、この時点で5 番手。トップは1 分24 秒台に突入しているという状況だ。コースイン2 周目、トータルでの12 周目を1 分27 秒台で終えた井口は、翌周1 分25 秒814 とし自己ベストを更新。他のドライバーのタイムアップでいったん下がっていたポジションを、再び5 番手に押し上げる。この後ニュータイヤで予選をシミュレートするようにピットイン&アウトをしつつチェッカーを受けた井口は、ライバル勢のタイムアップもあってこのセッションを12 番手で終えた。GT のセッションやサポートレースの決勝を終えた午後1 時から、いよいよF ニッポンのスペシャルステージ予選が始まった。GT300 にもエントリーしているため大忙しの井口だが、走行前には準備万端整えてイエローのマシンに乗り込む。アタックラップの最高速で土曜のレース1 のグリッドが、そのラップタイムで日曜のレース2 のグリッドがそれぞれ決まるという変則方式での予選だが、アタック順は今季のランキング下位からの1 台ずつということで、井口は3 番目のコースイン。ある程度最高速を狙いつつも、その中でタイムも出せるよう、チーム側もしっかりとセットアップを施して井口を送り出すこととなった。
コースインして1周、2周とタイヤを温めた井口は、オーバーテイクボタンを点滅させながらアタックに入る。このときの井口の最高速306.470km/h。この時点での最高速をマークした井口は、そのままプッシュを続けるが、ややダウンフォースを削りすぎたか、コカコーラコーナーで僅かにオーバーランを喫してしまう。ウォールで井口の走りを見守っていた立川スーパーバイザーの「惜しい……!」という表情が、モニターに映し出される。
しかし、そのままなんとか体勢を持ち直した井口は、プッシュを続けてフィニッシュ。ラップタイムは1 分26 秒923 と、タイムのランキングではこの時点で井出有治に次ぐ2 番手につけることに。結局、その後のドライバーたちがアタックを終了した結果、井口は最高速で決まるレース1 のグリッドは5 番手、ラップタイムで決まるレース2 のグリッドは12 番手でセッションは終了。シリーズ戦ではなかなか上位グリッドからのスタートを果たせなかった井口だが、ようやくここへ来て上位グリッドから決勝を戦うチャンスが……、とこのときチームの誰もが思った。しかし、セッション終了後、オフィシャルからコカコーラコーナーでの僅かなオーバーランが、ペナルティーの対象となる「4 輪の脱輪」にあたるため、予選タイムおよび最高速記録を抹消するとの裁定が来てしまう。思いがけない裁定に戸惑いの色を隠せない井口とチームだったが、他にも同様のペナルティーを受けるドライバーが複数名いたが、その中でアタック順が最初だったことから井口は結果的に2 戦ともに最後尾ということに。明日からの2 レースはともに22周と短い距離の攻防で、スタート位置が重要となることが予想されるだけに最後尾からの戦いが厳しさを極めるであろうことは想像にかたくない。しかし、今季幾度も苦境をくぐってきた井口とDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING には、この特別戦でも同様に最後まで諦めない粘り強い戦いを期待したい。
ドライバー/#29 井口 卓人
「今週末はGT300 とF ニッポンを交互に乗り換えるということで、ドライビングをアジャストすることが難しかったように思います。GT の走行が終わってからF ニッポンの1 ラップの予選に
挑んだのですが、感覚的なズレがあり、自分の感覚とはちょっと違うフィーリングのままコーナーに進入してしまい、その結果オーバーランしてしまいました。自分としてはイン側のタイヤが
縁石の上だったので、4 輪脱輪したという気はしないのですが、縁石自体が白線の外だと言う解釈ならば仕方がありません。朝のユーズドの状況では凄くフィーリングが良かっただけに残
念ですし、短いレースで最後尾からのスタートで苦しいのは確かですが、ピットなどの作戦を活かすこともできませんから、なんとか1 台ずつ抜いていくしかありません。オーバーランは自分のミスですから仕方ありませんが、攻めた結果のことですのでその点では納得して、明日からの決勝では諦めない戦いをお見せしたいと思います」
スーパーバイザー/立川 祐路
「ペナルティー自体は起こってしまったことなので仕方ありませんが、ちょっと裁定が厳しいかな、という気はしましたね。井口は他のドライバーのように大きくコースオフしたのではなく、イン側のタイヤは縁石のあたりに残っていた状態でしたから、そこまで厳しくしなくても、と。あれでタイムを稼いでいたのなら分かりますが、ロスしているだけですし、ドライバーが攻めて行った結果なので、あまり厳しく取らなくても、というのが率直な思いです。ただ、GT に乗った後で井口もうまく対応しきれていなかった部分があるようですし、今日の朝の走行ではフィーリングが良かったので、明日からの決勝ではなんとか追い上げてもらいたいですね」
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#29 井口 卓人 予選最高速およびタイム抹消
< 公式予選 > 天候:晴れ | コース状況:ドライ
先週鈴鹿サーキットでシリーズ最終戦を終えたばかりのDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING だが、今週末はJAF GRAND PRIXの名が冠された、スーパーGT との史上初の同時開催となる富士スピードウェイでのスペシャルイベント。前週は悔しい結果に終わった井口とDELIZIEFOLLIE/CERUMO・ INGING だけに、スペシャルイベントとはいえ、今一度今季の集大成を見せる格好の舞台である。スペシャルイベントのため通常とは異なり、金曜から日曜までの3 日間開催となる今大会。土日にレース距離100kmのスプリントレースが1 戦ずつ開催されるため、走行初日となる金曜は、シリーズ戦での土曜のようにフリー走行と公式予選が行われる。まずチームと井口は、午後のスペシャルステージ方式の予選に向けセットアップを煮詰めるために重要なフリー走行に臨んだ。
午前8 時40 分、フリー走行がスタートすると同時にコースインした井口は、ゆっくりとタイヤを温め2 周目に1 分31 秒019とすると、翌3 周目には1 分26 秒836 でトップに。さらに続く4 周目に1 分26 秒244 にタイムを上げるとピットイン。手早くセットアップに修正を加えると、午前8 時50 分に再びピットアウトしていく井口は、ここで1 分26 秒984、26 秒769、26 秒866 をマークすると再びピットへ向かう。
午前9 時01 分、再びコースインした井口は、この時点で5 番手。トップは1 分24 秒台に突入しているという状況だ。コースイン2 周目、トータルでの12 周目を1 分27 秒台で終えた井口は、翌周1 分25 秒814 とし自己ベストを更新。他のドライバーのタイムアップでいったん下がっていたポジションを、再び5 番手に押し上げる。この後ニュータイヤで予選をシミュレートするようにピットイン&アウトをしつつチェッカーを受けた井口は、ライバル勢のタイムアップもあってこのセッションを12 番手で終えた。GT のセッションやサポートレースの決勝を終えた午後1 時から、いよいよF ニッポンのスペシャルステージ予選が始まった。GT300 にもエントリーしているため大忙しの井口だが、走行前には準備万端整えてイエローのマシンに乗り込む。アタックラップの最高速で土曜のレース1 のグリッドが、そのラップタイムで日曜のレース2 のグリッドがそれぞれ決まるという変則方式での予選だが、アタック順は今季のランキング下位からの1 台ずつということで、井口は3 番目のコースイン。ある程度最高速を狙いつつも、その中でタイムも出せるよう、チーム側もしっかりとセットアップを施して井口を送り出すこととなった。
コースインして1周、2周とタイヤを温めた井口は、オーバーテイクボタンを点滅させながらアタックに入る。このときの井口の最高速306.470km/h。この時点での最高速をマークした井口は、そのままプッシュを続けるが、ややダウンフォースを削りすぎたか、コカコーラコーナーで僅かにオーバーランを喫してしまう。ウォールで井口の走りを見守っていた立川スーパーバイザーの「惜しい……!」という表情が、モニターに映し出される。
しかし、そのままなんとか体勢を持ち直した井口は、プッシュを続けてフィニッシュ。ラップタイムは1 分26 秒923 と、タイムのランキングではこの時点で井出有治に次ぐ2 番手につけることに。結局、その後のドライバーたちがアタックを終了した結果、井口は最高速で決まるレース1 のグリッドは5 番手、ラップタイムで決まるレース2 のグリッドは12 番手でセッションは終了。シリーズ戦ではなかなか上位グリッドからのスタートを果たせなかった井口だが、ようやくここへ来て上位グリッドから決勝を戦うチャンスが……、とこのときチームの誰もが思った。しかし、セッション終了後、オフィシャルからコカコーラコーナーでの僅かなオーバーランが、ペナルティーの対象となる「4 輪の脱輪」にあたるため、予選タイムおよび最高速記録を抹消するとの裁定が来てしまう。思いがけない裁定に戸惑いの色を隠せない井口とチームだったが、他にも同様のペナルティーを受けるドライバーが複数名いたが、その中でアタック順が最初だったことから井口は結果的に2 戦ともに最後尾ということに。明日からの2 レースはともに22周と短い距離の攻防で、スタート位置が重要となることが予想されるだけに最後尾からの戦いが厳しさを極めるであろうことは想像にかたくない。しかし、今季幾度も苦境をくぐってきた井口とDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING には、この特別戦でも同様に最後まで諦めない粘り強い戦いを期待したい。
ドライバー/#29 井口 卓人
「今週末はGT300 とF ニッポンを交互に乗り換えるということで、ドライビングをアジャストすることが難しかったように思います。GT の走行が終わってからF ニッポンの1 ラップの予選に
挑んだのですが、感覚的なズレがあり、自分の感覚とはちょっと違うフィーリングのままコーナーに進入してしまい、その結果オーバーランしてしまいました。自分としてはイン側のタイヤが
縁石の上だったので、4 輪脱輪したという気はしないのですが、縁石自体が白線の外だと言う解釈ならば仕方がありません。朝のユーズドの状況では凄くフィーリングが良かっただけに残
念ですし、短いレースで最後尾からのスタートで苦しいのは確かですが、ピットなどの作戦を活かすこともできませんから、なんとか1 台ずつ抜いていくしかありません。オーバーランは自分のミスですから仕方ありませんが、攻めた結果のことですのでその点では納得して、明日からの決勝では諦めない戦いをお見せしたいと思います」
スーパーバイザー/立川 祐路
「ペナルティー自体は起こってしまったことなので仕方ありませんが、ちょっと裁定が厳しいかな、という気はしましたね。井口は他のドライバーのように大きくコースオフしたのではなく、イン側のタイヤは縁石のあたりに残っていた状態でしたから、そこまで厳しくしなくても、と。あれでタイムを稼いでいたのなら分かりますが、ロスしているだけですし、ドライバーが攻めて行った結果なので、あまり厳しく取らなくても、というのが率直な思いです。ただ、GT に乗った後で井口もうまく対応しきれていなかった部分があるようですし、今日の朝の走行ではフィーリングが良かったので、明日からの決勝ではなんとか追い上げてもらいたいですね」
FUJI SPRINT CUP DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING 予選レポートPDF