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2010-09-27 00:00:00

Rd.5 SUGO DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING決勝レポート

◆ 9月26日 (日) Final

#29 井口 卓人 10 位

< 決勝レース / 62 周 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ
ほぼ1 日曇天下での走行となった土曜の予選では、無念の15 番手に終わったDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING と井口卓人。決勝を前に、煮詰め切れなかったセットアップを修正するためにも、朝のフリー走行では精力的な周回を重ねたいところだが、前日から一転して爽やかな青空の広がったこの日の菅生。前日とは異なるセットアップを施したマシンで、井口が午前9 時のセッション開始と同時にコースに向かった。

コースイン早々、タイヤを温めつつ1 分11 秒台で1 周目を終えた井口は、2 周目を1 分09 秒925 と順調にペースを上げていく。ところがその矢先、SP コーナーひとつ目で石浦宏明がコースアウトしクラッシュしたために、いきなりセッションは赤旗に。気温17℃、路面温度21℃というコンディションの中、残り25 分で仕切り直しとなったフリー走行に、再び井口が飛び出していく。再びタイヤを温め直した井口は、6 周目、7 周目と1 分12 秒台でのラップ。8 周目以降は1 分10 秒台へと、慎重にペースを上げて行く。
このペースで数周をこなした井口は、午前9 時32 分にいったんピットイン。チームやエンジニアに現状のフィーリングを伝え、さらなるセットアップ修正をマシンに加えることに。この時点で、井口のポジションは12 番手あたりとなっている。
残り10 分を切ったところで再びピットアウトした井口は、いきなり1 分10 秒870 とハイペースで周回を開始すると、翌周は1 分10 秒200 とするも、スローカーに引っ掛かり翌周はペースダウン。結局その後タイム更新はならず、このセッションのベストタイムは1 分09 秒925。「まだ満足行くようなセットアップには届いていません……」と納得の行く表情を見せることはなかった井口だが、ポジションは14 番手ながらトップとのタイム差は予選より確実に縮まっており、午後の決勝に期待を抱かせる走行となった。天候が回復したことで、気温21℃、路面温度 33℃と前日から大きくコンディションが変わる中、62 周という長丁場の決勝レースがいよいよスタートの時を迎えた。

アウト側15 番グリッドからの追い上げに期待が掛かる中、レッドシグナルが消えると同時に好スタートを決め、真ん中に切れ込みながら松田次生をかわした井口は、14 番手で1 コーナーへ。しかし、上位陣の攻防の中で2 コーナー進入で接触があり、それを引き金に多重クラッシュが発生。数台のマシンがダメージを受けたり、コースアウトを喫する中、混乱を避けながらラインを選んだ井口は松田の先行を許したものの、一気に9 番手に浮上を果たすが、コースにはセーフティーカーが導入される。レースは4 周目にリスタート。井口は松田に次ぐ9 番手でこの周を終えるが、5周目終了時にはコンマ1秒差で平手晃平にスリップに入られ、6 周目の1 コーナーでポジションを奪われてしまう。さらにハイペースで追い上げてきたケイ・コッツォリーノが井口に迫るが、最終コーナーでのスピードが今ひとつの井口は、苦しい展開を強いられることに。なんとかポジションを死守したい井口だったが、9 周目の1 コーナーでコッツォリーノに先行を許し、11 位に。さらには1 周目のアクシデントで受けたダメージを修復し、怒涛の追い上げをみせるジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが井口に迫る。10 周目あたりからラップタイム上げ、1 分11 秒290、1 分10 秒979、1 分10 秒950 と立て続けにベストラップを更新しながら逃げようとする井口。14 周目には塚越広大が駆動系のトラブルでスローダウンしたことから再びトップ10 に返り咲いた井口だったが、その直後、15 周目の1 コーナーでついにオリベイラの後塵を拝し、再びポジションは11 番手に。それでも懸命にマシンを操る井口は、背後に井出有治を従えながらも22 周目に1 分10 秒717 と自己ベストを更新しながら力走。アンドレ・ロッテラーのピットインで26 周目に再び10 位とすると、井出を引き離しながらライバル勢のピットインを後目に、じりじりとポジションを上げて行く。結局井口は5 番手にまで浮上した36 周目にようやくピットへと滑り込む。

ところが、ここで立川スーパーバイザーとチームは、先にタイヤ交換を終えて先行している松田を捕らえるため、可能性に賭けてリヤタイヤのみの2 輪交換という作戦を選択。一気に形成逆転を狙ったが、なんとここでタイヤの交換作業がスムーズに行かずタイムをロスしてしまう。このため井口はピットアウトも大きくポジションを落とし、12 番手でのコース復帰に。リヤのみニュータイヤを履いたことで、ピットアウト直後はバランス的にアンダー傾向が強く苦しんだ井口だったが、数周したあたりからバランスが好転し始め、ラップタイムは再び1 分10 秒台へ。こうして40 周目あたりから1 分10 秒台の好タイムを連発した井口は、45 周目には1 分10 秒675 とベストラップを更新すると、続く46周目には1 分10 秒198 と、ポジションこそ12 番手ながら上位陣と比べても遜色のないラップタイムを刻むことに。

レースは終盤に突入、51 周目には平手がピットインしたことで11 番手にポジションを上げた井口は、諦めることなく9 位を争う松田と井出を追うが、その差を詰め切れないまま、ついにレースはファイナルラップへ。このまま11 位でのフィニッシュかと思われたが、なんとトップに立っていたオリベイラがガス欠のためにストップする波乱があり、井口もスローダウンしたオリベイラのマシンの横をすり抜け、これでポジションは10 番手に。結局井口は10 位でチェッカーを受け、ポイント獲得こそ果たせなかったが、苦しいレースを乗り切り、見事トップ10 でのフィニッシュを飾ることとなった。

ドライバー/#29 井口 卓人
「スタートもまずまずで松田選手を抜いたのですが、何かクラッシュなどが起こるのでは、という気がしていたので、うまく冷静に判断してアクシデントを避けポジションを上げることができました。ただ、その後はなかなかペースが上げられず、前にも離されてしまったのですが、タイヤを2 輪交換するという作戦はミスもあってうまく機能しなかったものの、後半は10秒台の真ん中から前半というペースで周回出来ていたので、レースラップでのトップとの差は予選ほど大きくなかったし、今週すごく苦しみながらもいろいろな収穫があったレースだったと思います。序盤にバランスに苦しんでポジションを落としたのは、やはり金〜土曜の走行で合わせ切れなかった部分から来ていると思うので、次のオートポリスは地元で応援も多いと思いますし、得意なサーキットですから、また気持ちを切り替えて頑張りたいと思います」

スーパーバイザー/立川 祐路
「松田選手の前に出られる可能性があったので2 輪交換という作戦を立てたのですが、ピットワークで失敗して台無しになってしまったのが残念でしたね。後半の井口の状況を考えると、ミスがなければたぶんポイント圏内の8 位に届いたのではないかと思えただけに、チームにも次戦以降もっと気を引き締めて、同じミスが起きないようにやってもらいたいところです。井口に関しては、終盤は2 輪交換にも関わらずペースも悪くなかったし、頑張っていたと思います。ただ、前半リズムに乗れず順位をいくつか落としたのですが、決して周囲のドライバーと比べて大きく遅かったわけではないものの、最終コーナーの遅さが混戦の中では展開に響いてしまったように思います。そのあたり、週末を通じたクルマづくりやセットアップに関してはもっと井口に頑張ってほしいですね」

Rd.5 SUGO DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING決勝レポート