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2010-08-09 00:00:00
Rd.4もてぎDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING決勝レポート
< 決勝レース / 52 周 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ
前日の予選では過去3 戦からの進歩を感じさせたDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING と井口卓人。14 番グリッドからの上位進出を狙うために、再び快晴に恵まれた日曜、決勝への最後の調整時間となる午前9 時35 分からのフリー走行に臨んだ。
「ブレーキダクトなど決勝用に確認したいことがあるので、このセッションはしっかり走りたい」と井口は、セッション開始と同時にコースイン。タイヤはホワイトラインの入ったユーズドタイヤだ。
まず計測1 周目を1 分40 秒153 とした井口は、翌周は1 分39秒831、3 周目を1 分39 秒943 としてピットイン。チームスタッフはセットアップに調整を加え、再び井口をピットアウトさせる。コースに戻った井口は、再び1 分40 秒台で周回しフィーリングをチェックすると、再びピットへ。この時点で井口は15 番手につける。
三度ピットアウトした井口は、ピットロードエンドでスタート練習をしてからコースイン。11 周目に1 分38 秒995 にタイムアップし、ポジションは14 番手に。その後3 周したところでチェッカーが提示され、30 分間のセッションは終了。井口はこのフリー走行でのベストタイムを1 分38 秒995 で終え、最終的なポジションは15 番手となったものの、満タン状態でのフィーリングが今ひとつだったこともあり、井口とチームは決勝までにさらなる調整をマシンに施すこととなった。
迎えた決勝は52 周の戦い。路面温度が58℃にも達する中、午後2 時15 分にフォーメイションがスタート、イン側14 番グリッドの井口もマシンをウェービングしながらタイヤを温めていく。
全車がダミーグリッドに着き、レッドシグナルが点灯、……そしてブラックアウト。井口は中央に切れ込みながら好スタートを切ったが、周囲のマシンもまずまずのスタートを切っており、1 コーナーでの井口はポジションキープの14 番手。しかし、2 コーナーを立ち上がったところで、中段につけていた松田次生と井出有治が交錯し、松田がスピン。井口はこのアクシデントをうまくかわすことが出来たが、井口の前にいた石浦宏明はあおりを受けて後退。これによって井口は1 周目を塚越広大に次ぐ12 番手への浮上を果たすことに。
目の前で展開される伊沢拓也、塚越の攻防を見ながら、僅差で追走する井口だったが、背後にはペースに勝る石浦が迫り、4 周目の2 コーナー立ち上がりでインを強襲される。このため井口は僅かにコースオフを喫し、石浦の先行を許してしまい13 番手に。
ところが、その翌周には3 番手を走っていたアンドレ・ロッテラーがトラブルのためにスローダウンし、労せずして井口は12 番手に再浮上。伊沢、石浦、井口の3 台による三つ巴の10〜12 番手争いが続く。ペースの遅い伊沢を攻め立てる石浦の背後で、井口も隙あらばとコンマ数秒差での追走をみせる。
16 周目にようやく伊沢がピットインしたことから前が開け、スパートする石浦になんとか食らいつきたい井口だったが、ペースに勝る石浦にはじりじりと引き離されてしまう。
11 番手を行く井口は、19 周目に9 番手の井出のピットインで10 番手に浮上。11 番手のケイ・コッツォリーノとのギャップは広げていくものの、前の石浦との間隔も広がっていく状況。25 周を迎えたところで、ピットではタイヤ交換の準備が行われるが、実は決勝用にニュータイヤを1 セット温存していたDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING は、レースの折り返しとなる翌26 周目にピットインしてきた井口に、このニュータイヤを装着。メカニックたちは20 秒7 の迅速な作業で、給油を済ませた井口をコースに送り出す。
コースに戻った井口は、ちょうどトップを争う小暮卓史とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの間でレース復帰。しかし、ニュータイヤを得た井口のペースは力強く、28 周目に1 分40 秒687、29 周目に1 分40 秒611 とベストラップを立て続けに更新するなど、上位陣と同等のペースを刻み始める。
さらに33 周目、1 分40 秒469 の自己ベストをマークした井口は、ペースの悪い10 番手の伊沢を猛追。当初10 秒以上あったギャップをじりじりと縮め、35 周目には6 秒を切る状況に。しかし、ここで背後に追い上げてきたのはピットでエンジンストールし後れをとった塚越。コンマ数秒差の攻防を繰り広げる井口と塚越は、いつしか伊沢に追いつき、残り10 周を切った43 周目には三つ巴の戦いに発展するが、3 コーナーで井口のインを奪った塚越に先行され、井口は12 番手に後退する。
45 周目には塚越が伊沢をパスし、今度は井口が伊沢に襲い掛かる。3 コーナー、5 コーナー、S 字入り口と、伊沢を攻め立てる井口だったが、抜きにくいコースであるもてぎだけに、なかなか伊沢もドアを開けようとしない。この緊迫した11〜12 位争いはモニターにも映し出され、立川スーパーバイザー以下、チームスタッフたちも固唾をのんで見守ることとなったが、ここで運悪くトップのロイック・デュバルなどのマシンが2 台の攻防に追いつき、井口はやむなく進路を譲ることになり、井口との攻防に水を差されてしまう。
いったん広がった間隔を再び縮め、最終ラップまで伊沢を攻め立てた井口だったが、残念ながらチャンスは訪れず、そのまま井口は12 位でチェッカーを受けることに。マシンを降りた井口は、暑く長い戦いを終え、消耗しきった状況で、結果としては12 位ながら、前戦に続いてまずまずの戦いを見せた井口をチームは労うこととなった。
ドライバー/#29 井口 卓人
「本当に暑く、タフなレースでした。スタートもまずまず決まり、前方のクラッシュを避けてうまくポジションを上げ、前半戦は前のグループと同じようなペースで着いていくことが出来ましたし、石浦選手のライン取りを学ぶことが出来たので、その点でも自分の走りをインプルーブ出来たと思います。ピットイン後はニュータイヤを履き、マシンバランスもすごく良かったのでプッシュしたのですが、伊沢選手に追いついたものの、最終的に抜けず悔しいレースになりました。レース後は、52 周ずっと息をするのも忘れるほど張り詰めていたせいか、手足がジンジンして呼吸が乱れたりして苦しかったのですが、結果は12 位ですが、確実にレベルは上がってきていると思いますし、前回よりもさらにレースらしいレースが出来、ようやくスタートラインに立ったように感じました。次の菅生までに、またトレーニングをしっかりやって、また良いレースが出来るよう頑張ります」
スーパーバイザー/立川 祐路
「今日はニュータイヤが1 セットあったので、少しピットインを引っ張って後半勝負という作戦を立てていました。途中までは順調だったと思いますが、う〜ん、やはり最後はなんとか伊沢選手を抜いて欲しかったですね。後ろからトップグループが来てしまって、譲らなければならない状況になったのですが、そこでちょっと井口の人の良さが出てしまったかなと。もう少し、そういった状況を利用して前のマシンに仕掛けるとか、ずる賢さも今後のレースでは必要になる場面も出てくるんじゃないかと思います。譲ったりしていた間に、最後には背後のコッツォリーノ選手に追いつかれていましたからね。ただ、今日の井口は暑い中、最後まで諦めずに頑張っていましたし、ライバルマシンと比べてレース中のペース自体もこれまでよりも悪くなかったので、徐々に良くなってきているのは感じられました。次の菅生あたりで、そろそろもうひとつレベルを上げた走りを期待したいと思いますし、徐々にチームの要求も厳しくして行こうかなと思います」
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前日の予選では過去3 戦からの進歩を感じさせたDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING と井口卓人。14 番グリッドからの上位進出を狙うために、再び快晴に恵まれた日曜、決勝への最後の調整時間となる午前9 時35 分からのフリー走行に臨んだ。
「ブレーキダクトなど決勝用に確認したいことがあるので、このセッションはしっかり走りたい」と井口は、セッション開始と同時にコースイン。タイヤはホワイトラインの入ったユーズドタイヤだ。
まず計測1 周目を1 分40 秒153 とした井口は、翌周は1 分39秒831、3 周目を1 分39 秒943 としてピットイン。チームスタッフはセットアップに調整を加え、再び井口をピットアウトさせる。コースに戻った井口は、再び1 分40 秒台で周回しフィーリングをチェックすると、再びピットへ。この時点で井口は15 番手につける。
三度ピットアウトした井口は、ピットロードエンドでスタート練習をしてからコースイン。11 周目に1 分38 秒995 にタイムアップし、ポジションは14 番手に。その後3 周したところでチェッカーが提示され、30 分間のセッションは終了。井口はこのフリー走行でのベストタイムを1 分38 秒995 で終え、最終的なポジションは15 番手となったものの、満タン状態でのフィーリングが今ひとつだったこともあり、井口とチームは決勝までにさらなる調整をマシンに施すこととなった。
迎えた決勝は52 周の戦い。路面温度が58℃にも達する中、午後2 時15 分にフォーメイションがスタート、イン側14 番グリッドの井口もマシンをウェービングしながらタイヤを温めていく。
全車がダミーグリッドに着き、レッドシグナルが点灯、……そしてブラックアウト。井口は中央に切れ込みながら好スタートを切ったが、周囲のマシンもまずまずのスタートを切っており、1 コーナーでの井口はポジションキープの14 番手。しかし、2 コーナーを立ち上がったところで、中段につけていた松田次生と井出有治が交錯し、松田がスピン。井口はこのアクシデントをうまくかわすことが出来たが、井口の前にいた石浦宏明はあおりを受けて後退。これによって井口は1 周目を塚越広大に次ぐ12 番手への浮上を果たすことに。
目の前で展開される伊沢拓也、塚越の攻防を見ながら、僅差で追走する井口だったが、背後にはペースに勝る石浦が迫り、4 周目の2 コーナー立ち上がりでインを強襲される。このため井口は僅かにコースオフを喫し、石浦の先行を許してしまい13 番手に。
ところが、その翌周には3 番手を走っていたアンドレ・ロッテラーがトラブルのためにスローダウンし、労せずして井口は12 番手に再浮上。伊沢、石浦、井口の3 台による三つ巴の10〜12 番手争いが続く。ペースの遅い伊沢を攻め立てる石浦の背後で、井口も隙あらばとコンマ数秒差での追走をみせる。
16 周目にようやく伊沢がピットインしたことから前が開け、スパートする石浦になんとか食らいつきたい井口だったが、ペースに勝る石浦にはじりじりと引き離されてしまう。
11 番手を行く井口は、19 周目に9 番手の井出のピットインで10 番手に浮上。11 番手のケイ・コッツォリーノとのギャップは広げていくものの、前の石浦との間隔も広がっていく状況。25 周を迎えたところで、ピットではタイヤ交換の準備が行われるが、実は決勝用にニュータイヤを1 セット温存していたDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING は、レースの折り返しとなる翌26 周目にピットインしてきた井口に、このニュータイヤを装着。メカニックたちは20 秒7 の迅速な作業で、給油を済ませた井口をコースに送り出す。
コースに戻った井口は、ちょうどトップを争う小暮卓史とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラの間でレース復帰。しかし、ニュータイヤを得た井口のペースは力強く、28 周目に1 分40 秒687、29 周目に1 分40 秒611 とベストラップを立て続けに更新するなど、上位陣と同等のペースを刻み始める。
さらに33 周目、1 分40 秒469 の自己ベストをマークした井口は、ペースの悪い10 番手の伊沢を猛追。当初10 秒以上あったギャップをじりじりと縮め、35 周目には6 秒を切る状況に。しかし、ここで背後に追い上げてきたのはピットでエンジンストールし後れをとった塚越。コンマ数秒差の攻防を繰り広げる井口と塚越は、いつしか伊沢に追いつき、残り10 周を切った43 周目には三つ巴の戦いに発展するが、3 コーナーで井口のインを奪った塚越に先行され、井口は12 番手に後退する。
45 周目には塚越が伊沢をパスし、今度は井口が伊沢に襲い掛かる。3 コーナー、5 コーナー、S 字入り口と、伊沢を攻め立てる井口だったが、抜きにくいコースであるもてぎだけに、なかなか伊沢もドアを開けようとしない。この緊迫した11〜12 位争いはモニターにも映し出され、立川スーパーバイザー以下、チームスタッフたちも固唾をのんで見守ることとなったが、ここで運悪くトップのロイック・デュバルなどのマシンが2 台の攻防に追いつき、井口はやむなく進路を譲ることになり、井口との攻防に水を差されてしまう。
いったん広がった間隔を再び縮め、最終ラップまで伊沢を攻め立てた井口だったが、残念ながらチャンスは訪れず、そのまま井口は12 位でチェッカーを受けることに。マシンを降りた井口は、暑く長い戦いを終え、消耗しきった状況で、結果としては12 位ながら、前戦に続いてまずまずの戦いを見せた井口をチームは労うこととなった。
ドライバー/#29 井口 卓人
「本当に暑く、タフなレースでした。スタートもまずまず決まり、前方のクラッシュを避けてうまくポジションを上げ、前半戦は前のグループと同じようなペースで着いていくことが出来ましたし、石浦選手のライン取りを学ぶことが出来たので、その点でも自分の走りをインプルーブ出来たと思います。ピットイン後はニュータイヤを履き、マシンバランスもすごく良かったのでプッシュしたのですが、伊沢選手に追いついたものの、最終的に抜けず悔しいレースになりました。レース後は、52 周ずっと息をするのも忘れるほど張り詰めていたせいか、手足がジンジンして呼吸が乱れたりして苦しかったのですが、結果は12 位ですが、確実にレベルは上がってきていると思いますし、前回よりもさらにレースらしいレースが出来、ようやくスタートラインに立ったように感じました。次の菅生までに、またトレーニングをしっかりやって、また良いレースが出来るよう頑張ります」
スーパーバイザー/立川 祐路
「今日はニュータイヤが1 セットあったので、少しピットインを引っ張って後半勝負という作戦を立てていました。途中までは順調だったと思いますが、う〜ん、やはり最後はなんとか伊沢選手を抜いて欲しかったですね。後ろからトップグループが来てしまって、譲らなければならない状況になったのですが、そこでちょっと井口の人の良さが出てしまったかなと。もう少し、そういった状況を利用して前のマシンに仕掛けるとか、ずる賢さも今後のレースでは必要になる場面も出てくるんじゃないかと思います。譲ったりしていた間に、最後には背後のコッツォリーノ選手に追いつかれていましたからね。ただ、今日の井口は暑い中、最後まで諦めずに頑張っていましたし、ライバルマシンと比べてレース中のペース自体もこれまでよりも悪くなかったので、徐々に良くなってきているのは感じられました。次の菅生あたりで、そろそろもうひとつレベルを上げた走りを期待したいと思いますし、徐々にチームの要求も厳しくして行こうかなと思います」
Rd.4もてぎDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING決勝レポートPDF