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2010-08-08 00:00:00

Rd.4 もてぎ 決勝 レビュー

ロイック・デュバルが今季初優勝!!
ライバルとの戦いだけでなく、真夏の暑さとの戦いとなったフォーミュラ・ニッポン第4戦。各所でバトルが繰り広げられた52周のレースは、最後まで観客の目を飽きさせなかった。その熱いレースを制したのは、No.1 ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。そしてPPからスタートしたNo.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)が2位、絶妙なピット作戦を取ったNo.20 平手 晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)が3位に入賞した。

午後2時15分、フォーメーションラップがスタート。この時点で気温は34℃、路面温度は49℃まで上昇。足元からジワジワと熱が湧き上がってくるようなコンディションとなる。陽炎が立つ中、15台のマシンが1周の隊列走行を終えて正規グリッドに着くと、エンジン音が高まり、いよいよ52周先のゴールに向けてスタートが切られた。ここで抜群の動き出しを見せたのが、2番グリッドのデュバルだった。PPの小暮は若干出遅れ、2番手に後退する。これに5番グリッドのNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)、3番グリッドのNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)、6番グリッドの平手が続く。4番グリッドのNo.31 山本 尚貴(NAKAJIMA RACING)は加速に失敗し、6番手まで後退した。またその後方では、スタート直後にアクシデントが発生。2コーナーでNo.16 井出有治(MOTUL TEAM 無限)がNo.3 松田 次生(KONDO RACING)の右リヤタイヤに接触。松田は左側の縁石上で右回りにスピンし、コースを横断する形でイン側の芝生上にストップ。ここでリタイヤすることになった。
トップ集団では、レースが4周目に入った所で動きが起こる。3番手を走っていたロッテラーのマシンが、駆動系トラブルからエンジンストップ。2コーナーで完全にスローダウンした後マシンを止め、戦列を離れることに。またこの時、松田のスピンの影響で2コーナーには黄旗が出されていたためオリベイラ以下のマシンは急減速を強いられることになり、大きくタイムロスしてしまう。そして、ここから鬼神の走りを見せたのが、そのオリベイラ。2番手の小暮とのタイム差は7秒余りまで開いていたが、そこから毎周コンマ3〜5秒ずつタイムを削り、レース中盤までにはその差を2秒以内にまで縮めてきた。一方、トップのデュバルと小暮の差はジワジワと広がり、レースを折り返すあたりでは約4秒。あとはピットに入るタイミングやその作業時間で、後半のポジションが決まるものと思われた。

上位集団で真っ先にピットに入ったのは、4番手を走行していた平手。平手は27周を走り切るというところでピットに入り素早い作業でコースに戻ると、1分38秒後半から39秒前半のタイムを連発。トップ3との見えないタイム差を削り取っていく。トップ3では小暮がまずピットに入った。小暮は33周目の終わりにピットイン。平手よりは3秒ほど長いピット作業を終えてコースに戻るが、ここで平手にかわされてしまう。一方、小暮を僅差で追っていたオリベイラは、小暮の翌周にピットへ。しかし熱さの影響なのか、通常の手順で作業を行なっている中で、エンジンが突然ストップ。その後もなかなかエンジンがかからず大きくタイムロスしてしまい、実質7番手でコースに戻ることとなってしまった。デュバルのピットインはその翌周。小暮のピット作業時間、オリベイラのハプニングを確認したデュバルは余裕を持って作業を行ない、トップの座を一度も明け渡すことなくコースへと戻った。しかし2番手に浮上した平手や小暮とは僅差。一瞬たりとも気が抜けないレースが続くと思われたが、その中からデュバルは少しずつ抜け出していった。これは、早目にピットに入った平手のタイヤが厳しくなり始めたためだった。平手は、レース終盤、後方から迫る小暮に対し防戦一方となり、ペースを少しずつ落とし始める。しかも軽い脱水症状に見舞われており、残り2周余りとなった50周目のヘアピンでブレーキングミス。小暮にピタリとつかれる形となる。小暮はこのチャンスを逃さず、続く90度コーナーで平手のインに飛び込み、オーバーテイクに成功。そのまま最後まで逃げ切った。

52周のレースをトップで走り切ったのはデュバル。小暮が最後は2位でゴールし平手は3位。以下、山本、大嶋と続いた。またピットでのロスを挽回するべく後半も怒涛のハイペースで周回を重ねたオリベイラは、大嶋の背後まで迫ったもののオーバーテイクにまでは至らず6位でフィニッシュ。シリーズポイントはオリベイラが28点でランキングトップを守り、1ポイント差の2位に小暮が浮上してきた。さらに23ポイントで平手、20ポイントでロッテラー、19ポイントでデュバルとなり、タイトル争いは熾烈さを増してきた。次回、第5戦が行なわれるのは9月25日(土)〜26日(日)。舞台は宮城県・スポーツランドSUGOだ。パワーステアリング導入初レースとなるこの1戦で、この争いの中から抜け出すのは誰なのか。非常に気になる展開となってきた。