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2010-05-23 00:00:00

Rd.2もてぎDOCOMO TEAM DANDELION RACING決勝レポート

◆ 5月23日 (日) Final

< 決勝レース / 52 周 > 天候:雨|コース状況:ウェット

フリー走行での予期せぬトラブルや不運なアクシデントもあり、結果的に思うようなアタックに至らず予選14 番手に沈むこととなったDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING と井口卓人。最高峰の舞台フォーミュラ・ニッポンだけに、ハイレベルな激しい戦いの中に身を置くルーキーの井口にとっては、2 戦連続での厳しい洗礼を受ける格好となったわけだが、ドライバーの井口、立川スーパーバイザー以下チームスタッフは気を取り直し、決勝での挽回を目指して日曜日を迎えた。
日曜のもてぎ上空は、天候の悪化が伝えられる中、早朝から曇天となった。決勝を前にした最後の調整セッションである朝の30 分間のフリー走行は、午前9 時25 分から始まった。

セッション開始と同時にコースインした井口は、まずはゆっくりとしたペースで1 周すると、計測2 周目から1 分37 秒757、1 分37 秒285 としていったんピットイン。この段階でのポジションは10 番手あたりだ。
午前9 時40 分、再びピットロードに出た井口は、スタート練習を行ってコースイン。燃料を重い状態とし、ここからロングランに入った井口はチェッカーが出された午前9 時55 分まで連続して周回。タイムこそ1 分37 秒台後半から1 分38 秒台に留まったが、決勝に向けた最終調整を行って、14 番手ながら無事このセッションを終えることとなった。

サポートレースの全日本F3 のレース終盤から、ポツリポツリと落ち始めた雨が、午後1 時45 分のフォーミュラ・ニッポンのウォームアップ走行が始まるまでに本降りとなっており、路面は完全なウエットに転じる。このためチームではレインタイヤを装着、セットアップにも変更を加えて井口をウォームアップ走行に送り出す。この週末初めての雨とあって、レインタイヤの皮むきなどを兼ねて、路面とマシンの感触を確かめた井口はセッション終了を受けていったんピットイン。いよいよ決勝のグリッドへと向かった。

雨のそぼ降るグリッド上。午後2 時30 分にスタートしたフォーメイションラップが終わり、井口は14 番グリッドに。フォーメイションに出遅れた大嶋和也が、井口の後方からのスタートとなった。

次の瞬間、レッドシグナルが消える。まずまずの動き出しで好スタートを見せた井口は、素早くアウト側のラインへ切れ込むと、そのまま1 コーナーへ。前車の巻き上げるウォータースクリーンで視界がまったく無い中、井口は巧みなライン取りでポジションをアップ。平手晃平がストールしていたこともあり、1 周目に一気に10 番手への浮上を果たす。

前に井出有治、背後に同じルーキーのケイ・コッツォリーノを従えてレース序盤を戦う井口は、6 周目に1 分52 秒598 をマークするなど、1 分52 秒台で安定した周回を重ねていく。ポイント獲得に向けて、順調なレース立ち上がりかと思われた矢先、突然井口のマシンをトラブルが襲う。
「シフトダウンできなくなりました!」と井口が無線で訴えてくる。チームは井口に様々な想定される対処法を伝え、井口もコクピット内でエンジンマッピングを変更するなどトライしたものの、状況は改善しない。このため、やむなくチームは9 周目に井口をピットに呼び寄せることに。午後2 時54 分、井口はマシンを頭からピットに入れ、スタッフが修復のためにマシンに取り付く。

チームは「時間は掛かっても、雨のレースをなんとか最後まで走り切ろう」と、経験の少ない井口に少しでも周回を重ねる機会を与えようと、黙々と修復作業を続けた結果、ついに午後3 時25 分、実に30 分をマシン修復に費やし、18 周遅れとなりながらもゼッケン29 のイエローのマシンがピットロードに姿を現すことに。
再びコースに戻った井口は、トラブルの癒えたマシンを駆り、雨の中で徐々にペースアップしていく。ポジションは13 番手と変わらないものの、14 周目に1 分52 秒071 と自己ベストを更新すると、20 周目には1 分51 秒619 にタイムアップ。さらにレース終盤となった、井口にとっての28 周目からは3 周連続で1 分51 秒448、1 分51 秒238、1 分50 秒885 とベストラップを更新してみせる。

フロントタイヤの消耗も進んでいたことから、勢いあまって翌周にはヘアピンで飛び出した井口だったが、それでもなんとか残り周回を走り切ってチェッカー。惜しくも周回数が足りず完走扱いにはならなかったが、2 戦目にして井口は雨の中での難戦を走りきり、結果こそ残らなかったものの、貴重な経験を得ることとなった。

ドライバー/#29 井口 卓人
「スタート自体は良くて何台かパスできたと思うのですが、初めての雨のレースで、ウォータースクリー
ンで何も見えず3 コーナーまでの位置取りが悪く、アウトから何台かに抜き返され、結果的に大きなポ
ジションアップは果たせませんでした。けれど、序盤は周囲のマシンと比較しても、ペース的に悪くな
かったと思うのですが、急にシフトダウン出来なくなって……。エンジンのマップなど、無線でチームと
やりとりしながら色々対処したのですが、状況が良くならないのでピットインしました。時間は掛かりま
したが、修復してもらって雨の中、最後まで走り切って良い経験を得ることが出来ました。トラブルは残念ですが、雨の中ではドライほどは上位との差が無いタイムで走れましたし、次の富士に向けて、またひとつレベルを上げて臨みたいと思います」

スーパーバイザー/立川 祐路
「スタートの動き出しは良かったようでしたし、順調に序盤のレースを戦ってくれていたと思いますが、途中でトラブルが出てしまったことが残念でしたね。ただ、走る機会が少ないので時間が掛かっても良いから直してコースに戻ろうということで、もう一度井口を出したのですが、最終的には1 分50 秒台に入るなど、そこそこのペースで走ってくれたので、それほど悪くはなかったと思います。
今回は初日からトラブルがあったりして、井口も思ったように戦えなかったと思いますが、鈴鹿でドライ、今回もてぎでウエットと、異なるコンディションを経験できたと思うので、次の富士では上位を目指してチーム一丸となって頑張りたいですね」

■Rd.2もてぎDOCOMO TEAM DANDELION RACING決勝レポート