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Rd.7 Suzuka Circuit

Race

最終戦、レース2はNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)が勝利し、タイトルを奪う!

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2010-11-07 □天候:晴 |コース:ドライ|気温19度/路面温度27度

 午後からは昨日と同様、晴れ間がのぞいた三重県・鈴鹿サーキット。2010年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン最終戦はまさに、タイトル争いにふさわしい激戦となった。28周で争われたレース2は、0.5ポイント差でトップの座を守っていたNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)が優勝。2位にNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)、3位にNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、4位にNo.1 ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)という結果になり、オリベイラがシリーズ復帰初年度にして、見事にチャンピオンタイトルを獲得した。

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 約3時間半のインターバルを経て午後2時30分、レース2のフォーメーションラップがスタート。第1レースの後、太陽が顔を出した鈴鹿は気温19℃、路面温度は27℃まで上昇し、昨日の予選同様の温かなコンディションとなった。このレースでは、タイヤ交換が義務づけられ、トップが10周回を消化した後に全車ピットに入らなければならないということが決められていた。そのため、どのドライバーがどこでピットインし、どのような作戦を採るかということもレース結果を左右するものと思われた。そして1周のフォーメーションラップを終えると、シグナルオールレッドからブラックアウト。ここで今度はまずまずのスタートを決めて、ポールポジションのオリベイラがトップを守ったまま1コーナーへ。これに小暮、No.31 山本 尚貴(NAKAJIMA RACING)と続くが、1~2コーナーの真ん中あたりで大外から加速してきた予選5番手のロッテラーが山本を攻略。3番手まで浮上する。これに山本、デュバルが続いた。その後、小暮がハイペースでオリベイラを追い詰め、トップ争いは1周目から白熱。2周目の1コーナーでは、小暮がアウト側からオリベイラをオーバーテイクする。トップに立った後も、小暮はただひとり1分43秒台のタイムを連発し、2番手以下を引き離していった。また2番手のオリベイラと比べペースが伸び悩んだロッテラーもジワジワと引き離され始め、後方の山本に迫られることになった。一方、レース1で見事な優勝を果たしたデュバルは、右フロントタイヤに異変を感じながらの走行。この影響からかマシンはアンダーステアとなりコントロールに苦しみ、全くペースを上げられなかった。

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 そしてトップの小暮が10周を消化したあたりから、各車続々とピットイン。10周を終えたところでNo.37 大嶋 和也(PETRONAS TEAM TOM’S)、その翌周にはNo.20 平手 晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)、No.8 石浦 宏明(Team LeMans)、No.2 伊沢 拓也 (DOCOMO TEAM DANDELION RACING)No.18 平中 克幸(KCMG)、 12周を終えたところではNo.3 松田 次生 (KONDO RACING)とピットに入ったが、タイヤ交換本数は2本、4本と、それぞれの作戦で分かれる。上位陣では、13周を終えたところでまず、真っ先にデュバルがピットイン。不具合を抱えていた右のフロントタイヤ1本だけを交換し、コースに戻った。同じ周にピットインしたNo.10 塚越 広大(HFDP RACING)も、左リヤのみの1本交換。事前に予想されていた通り、1本交換を行うドライバーが現れ始める。一方15周を終えたところでピットに入った山本は、タイヤを4本交換した上に、給油も敢行。この結果、デュバルの先行を許すことになる。さらに17周を終えたところでピットに入った小暮も、同様に 4本のタイヤを交換した上給油を行った。小暮はピットインの前の周に2番手のオリベイラに対し8.5秒以上のマージンを稼いでいたため、ピット作業に時間がかかっても優勝を狙えるものと思われた。ところが、このピット作業中に小暮は痛恨のエンジンストール。再スタートまでに23秒1という時間を要し、ピットイン前に稼いだマージンをフイにしてしまう。

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 これを見て翌周に動いたのがMobil 1 TEAM IMPUL。オリベイラは18周を終えたところでピットに入るとリヤタイヤのみを交換し、悠々と小暮の前に出た。さらに、20周を終えたところで、ロッテラーがピットインし、右リヤのタイヤだけを交換する作戦を採る。コースに戻ったロッテラーは、ここで小暮の前に出ることに成功。2番手に浮上した。その後はオリベイラが安定したペースを刻み、トップを堅持。今季2勝目を挙げるとともに、シリーズチャンピオンを決めた。予選5位から2位まで浮上したロッテラーは、わずかに及ばすランキング2位。山本と平手に追われながらも4位を守り切ったデュバルがランキング3位。小暮はランキング4位でシーズンを締めくくった。

また、チーム・タイトルはMobil 1 TEAM IMPUL、ルーキー・オブ・ザ・イヤーは山本が獲得している。

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最後までプッシュし続けるレースだった
Race1 1位:No.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)
 すごくタフなレースだったよ。スタート前の段階で4人のドライバーにチャンピオンの可能性が残されていて、ものすごくプレッシャーがかかっていたしね。だから、何も間違いを犯すことができなかったし、僕はとにかく自分のレース戦略に集中していた。その一方で、僕らは他のドライバーがどんな戦略を採るのかっていうことにも気を配っていた。レースの最初から、小暮さんが僕らとはちょっと違う戦略を選んでいることは分かった。彼のクルマはちょっとペースが速すぎたからね。2周目に小暮さんに抜かれた瞬間は、少し心配になったよ。鈴鹿では前にいるっていうことがとにかく大切だから。クリアな状態で走れるからね。でも僕を抜いた後、アッという間に小暮さんが僕を引き離すのを見て、彼の燃料が軽いっていうことに気づいた。だから抜かれた後は小暮さんのことは忘れて、自分のことに集中したし、あとはアンドレとの差を気にしていた。それでピットストップを行なってもこれだけのマージンがあれば大丈夫というところまで引き離せたので、少し気持ちが楽になったよ。でも、とにかく最後までプッシュし続けるレースだったね。ゴールの4~5周前には、もう大丈夫な位置にいると思っていたし、勝てるだろうと思った。そこからは常にペースをコントロールしながら少しセーブして、ゴールする時のことを考えていたよ。
出来る限りのことをやって、その結果が2位だったっていうこと
Race1 2位:No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)
 スタートはすごく良くて、1コーナーにアウト側から入って行ったスピードを生かして3番手に上がることができた。今日のレースではそれが、とても大切なことだった。5番手からということで、リスクを背負って行かなければならなかったからね。そこからは、もっといいペースで走れることを期待していた。今朝のレース1を振り返れば、僕らのパッケージはすごく良かったし、セットアップも決まっていたし、もっと強いと思っていたんだ。でも、トップ2のクルマにはなかなか追いつけなかった。J.Pも僕と同じような作戦を採っていると思っていたんだけど、思うようについていけなかったんだ。僕のクルマは、レース1が終わった後の段階でスキッドブロックの厚みが規定内ギリギリのところまで減っていたから、レース2に向けては車高を少し上げなきゃならなかった。その影響があったのか、クルマはものすごく乗りづらかった。レース1と比べてタイヤの状態も良くなかった。ずっとリスクを背負って走っていた。ピットストップでは、タイヤを1本だけ交換したんだけど、それによって小暮さんの前にも出られたし、クルマのバランスも少し良くなった。とにかく僕らは自分たちに出来る限りのことをやって、その結果が2位だったっていうことだよね。
エンジンストールした瞬間は血の気が引いた
Race1 3位:No.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)
 レース1から大幅にセットアップを変えて、前半は本来ならもっとペースを上げていけるはずだったんですけど、すごく乗りづらかったというか、ドライビングの仕方を変えざるを得ない状況でした。後半も、もっと車のポテンシャルを引き出しながら走れるのかな、と思っていたんですけど、タイヤ交換した後、路面状況は変わっていないはずなのに全くハンドリングバランスが変わってしまって、追い上げることが出来ませんでした。ピットインに関しては、自分が優勝してオリベイラ選手が3位以下にならないとチャンピオンになれないということで、自分が勝って山本選手が2位というのを理想として、軽い状態でスタートしてピットで4本交換して給油をするという作戦を採りました。2周目にオリベイラ選手をオーバーテイクしたことについては、燃料搭載量が違うから加速も違いますし、当たり前のこと。このチームでは特に、過去にも2ストップ作戦をやったり、そういう状況でのオーバーテイクの経験も多少ありますし。エンジンストールした瞬間は血の気が引きました。ピットストップでエンジンストールというのはフォーミュラ・ニッポンでは一度もなかったし、最もやってはいけない場面でやってしまったわけですから。本当に、いい車を用意してもらったチームに対して申し訳ないし、悔しい気持ちでいっぱいです。
今回は特に、ちょっと、〝来ました〟ね
Race2 優勝チーム監督:星野一義(Mobil 1 TEAM IMPUL)
 ドライバーにプレッシャーをかけても意味がないので、「頑張れ」とか一言も言わなかったし、自分自身も不思議なくらい、今日はノープレッシャーでした。作戦面では、ここ2戦のトムスさんの作戦が素晴らしく光って見えていて、今度はうちが作戦でお返ししたいからチームみんなの力で頑張ろう、ということになって、それが叶えられた。また今年のスタート時点でのいろんなことを思い出して、もちろん優勝の喜びはあるんですがそれ以上に今回は特に、ちょっと、〝来ました〟ね。やはり、レースは辞められないですね。辞めてのんびり草取りでもやろうとも思ったけど、オリベイラが頑張ってくれたんでね。オリベイラはこれでサンパウロにビッグなマイホームを建てるそうで、おめでとう(笑)!やはりみんながレースの世界で明るい夢を見られるようじゃないと、ね。

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