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2008-10-30 00:00:00

[第3回先行開発テスト] 劇的な進化を見せるFN09新型車両

非公式ながらサーキットレコードを17年ぶりに更新し、ポテンシャルの高さを実証


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 2008年全日本選手権フォーミュラ・ニッポン最終戦の舞台となったスポーツランドSUGOにおいて、10月27・28日の2日間にわたりFN09第3回先行開発テストが行なわれた。今回のテストは、8月18・19日のシェイクダウンテストから続く全3回の先行開発テストの最終回。走行時間は27日が午前10時から12時30分までと14時から16時まで、27日が午前9時から11時までと13時から15時30分までと、各日計4時間半の走行となった。担当は2008年のチーム選手権トップ2であるTEAM IMPUL(ドライバー:松田次生、ブノワ・トレルイエ、平手晃平)とNAKAJIMA RACING(ドライバー:ロイック・デュバル、小暮卓史)が担当した。今回は国内屈指のテクニカルサーキットであるスポーツランドSUGOでのテストとあって、コーナリング時のバランスや足回りの耐久性、ハイダウンフォース下での操作性に重点が置かれたテストメニューとなった。

 好天に恵まれたテスト1日目。午前のセッションでは松田次生、小暮卓史がそれぞれのステアリングを握った。両者は走行開始間もなく1周の慣熟走行を行なった後、ホンダエンジン搭載車両(以下、FN09 HONDA)を駆る小暮は、5〜7周の連続走行を断続的に繰り返し、タイムも1分8秒台から7秒台後半を記録するなど順調な滑り出しを見せ、計28周を走行して午前の走行を終えた。一方、トヨタエンジン搭載車両(以下、FN09 TOYOTA)を駆る松田は、走行開始40分ごろにトラブルが発生したため約1時間のピットインを強いられ、このセッションは計17周を走行するに留まっている。

 予定通り14時に走行開始となった午後のセッションでは、平手晃平がFN09 TOYOTAをドライブ。セッティング作業に時間を費やしたため、コースインしたのは走行開始から1時間が経過した15時過ぎとなった。平手はこのセッションで5〜7周の連続走行を4セット消化し、チェッカー間際のタイムアタックでは27日のFN09 TOYOTAのベストとなる1分8秒354を記録。計25周を走行してこのセッションを終えた。一方、FN09 HONDAは午前のセッションからの好調を維持し、走行開始から順調に走行を重ねていく。引き続きFN09 HONDAをドライブした小暮は、このセッションで4〜6周の連続走行を6セット消化し、この日の総仕上げとなるタイムアタックでは1分7秒000をマーク。このタイムは最終戦SUGOの予選第2セッションで松田次生が記録したコースレコード1分6秒918に0.082秒差にまで迫る好タイム。FN09 HONDAはこの日、合計60周を走行してテスト1日目を終了した。

 テスト2日目は晴天ながらも、正午過ぎに通り雨に見舞われる変わりやすいコンディションでの走行となった。午前のセッションはFN09 TOYOTAにブノワ・トレルイエが、FN09 HONDAにはロイック・デュバルが搭乗する。走行開始となる9時を回ると、2台はすぐにコースイン。精力的にテストメニューを消化していった。FN09 HONDAは、最初のコースインからそのまま連続走行に突入。デュバルは6〜7周の連続走行を7セット走行し、2日目午前中だけで44周を走破。セッション中盤でのタイムアタックでは、1分6秒951を記録するなど、コースレコードとの差をさらに詰めて「FN06越え」が間近であることを伺わせた。1日目のテストでトラブルに見舞われたFN09 TOYOTAもこの日は快調に走行を重ねていく。FN09 TOYOTAは5〜7周の連続走行を9セット走破し、FN09 HONDAを上回る48周を走行した。さらにトレルイエはセッション後半のタイムアタックで、1分6秒740を記録。非公式ながらコースレコードを上回るタイムをたたき出した。

 第3回先行開発テストの総仕上げとなる午後のセッションは、正午過ぎからの通り雨の影響で濡れたコースコンディションの回復を待つために、両陣営ともにコースインを遅らせる静かなスタートとなった。路面状況が回復した13時15分に、FN09 TOYOTAが先にコースイン。このテスト最後となるこのセッションでは、松田次生が1日目に引き続きステアリングを握った。松田は5〜9周の連続走行を7セット消化し、トレルイエが記録したタイムを上回ることはなかったものの、計39周を走行してセッションを終えた。FN09 HONDAは、このセッションでもさらにタイムを削り、好調を維持。デュバルは午前と同様、6〜9周の連続走行を消化しつつも、2セット目の走行で午前の自己ベストを上回る1分6秒772を記録。FN09 TOYOTAのベストタイムに肉薄する好タイムを出すと、セッション中盤には1分6秒656を記録してFN09 TOYOTAを上回り、終了間際には2日間の総合ベストとなる1分6秒407をマーク。このタイムはこれまでのフォーミュラ・ニッポンのコースレコードを0.511秒上回り、さらにスポーツランドSUGO全体のコースレコードであった1分6秒514(1991年11月2日全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権においてテオ・ファビ選手が記録)を17年ぶりに上回った。デュバルは、最終的にこのセッションで43周を走行し、FN09 HONDAはテスト2日間を通してノートラブルでテストを終えている。

 8月18日にシェイクダウンテストを行なったFN09は、わずか2カ月半の期間でFN06を超えるタイムをたたき出し、ポテンシャルの高さを実証した。今回のテストで先行開発テストは区切りを迎えるが、FN09の走行テストは11〜12月に新たに3回のテストが組まれることになった。FN06を超える速さを実証したFN09はさらに進化を続け、2009年シーズンを迎える。

 なお、テスト2日目のインターバルを利用して、今回のテストを担当した5人すべてのドライバーが集合し、トークショーやサイン会などファン交流イベントも行なわれた。このイベントで来年の抱負を聞かれた松田はF1への想いにも触れながらも「フォーミュラ・ニッポン3連覇を達成して、星野さんや中嶋さんに並ぶドライバーとして名を残したい」と意気込みを語っている。