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2010-12-31 00:00:00
オリベイラ選手から一足早いお年玉!チャンピオンインタビュー
J.P・デ・オリベイラ選手よりファンの皆様へ一足早いお年玉、シリーズチャンピオンインタビューが届きました。復帰初年度でチャンピオン獲得という偉業を成し遂げた2010年を振り返りから、来シーズンに向けての意気込みまで。ぜひご覧ください!
Q.まず1年通しての印象を伺いたいのですが、あなたにとって2010年はどんなシーズンでしたか?
J.P・デ・オリベイラ(以下、JP):2010年は僕のキャリアにとって、非常に重要なシーズンだった。初めて戦闘力の高いチームに入って、高いレベルでチャンピオンシップを戦うことができるチャンスを得られたわけだからね。
Q.どのレースが一番印象的でしたか?
JP:第2戦もてぎ。ウェットでのレースだね。他のドライバーに対して、とても大きなギャップを築くことができたから。
Q.あのレースがターニングポイントでしたか?
JP:そうだね。ターニングポイントのひとつだったと思う。シーズンの最初、開幕戦と第2戦は、チャンピオンシップ獲得のためにとても重要だった。
ターニングポイントのひとつに上げた第2戦もてぎ。復帰2戦目にして早くも優勝を飾った。
Q.後半戦でのターニングポイントは?
JP:後半戦は、タイトルを争う上では、ものすごくプレッシャーがあったよね。他の3人のドライバーとは僅差だったから。特にSUGOの最終ラップでストップしてしまったのは痛かった。そこで僕はランキング上、数ポイントの差を付けられて、後退することになったんだけど、その分を上手くオートポリスでリカバーできて良かったと思うよ。
Q.1年間のブランクがありましたが、戻ってきて一番大変だったことは?
JP:多分、予選じゃないかな。ノックアウト方式の予選のQ2とQ3は、実質的に1周しかタイムアタックできない。その方式に合わせるのは、ちょっと難しかった。以前のフォーミュラ・ニッポンは、予選のセッションが長かったからね。その点、今は1周しかチャンスがないし、その1周にすべてを結集しなくちゃならない。だから、プレッシャーがより大きいんだ。ちょっとでも保守的になったらトップには行けないし、一方プッシュしすぎたらミスをして、その場合もトップには行けない。だから、プレッシャーと上手く付き合いながらも、ミスしないギリギリのところでアタックしなければならないんだ。
Q.そのプレッシャーの中で、一番良かった予選は?
JP:最終戦。最後のアタックだね。あれは特別だった。タイトルを争っているドライバーには全員、ものすごくプレッシャーが掛かっていたど、あの予選が1年で1番大切だっていうことを誰もが分かっていた。その中で仕事をやり遂げなくちゃならない。だから、僕にとってはシーズン2回目の、そして最も重要なポールポジションだった。
第7戦 鈴鹿 予選Q3アタック。このPP獲得がチャンピオン獲得への大きな一歩となった。
Q.シーズン中、チームの中で心に触れるようなエピソードはありましたか?
JP:星野(一義監督)さんの僕に対する信頼は、とても感動的だったね。それもシーズンの最初から、僕のことを100%信じてくれて、「オリベイラ、お前は今年チャンピオンになるんだぞ」って言ってくれた。それに対して、僕も「ベストを尽くします」って言ったんだけど、今までそんな風に自信を持たせてもらったことはなかった。シーズンの最初はどうなるか分からなかったんだけど、開幕から2戦を戦って、僕はチームが後ろで支えてくれているっていうことを感じた。その中でも、最も僕を支えてくれたのが星野さん。それはものすごく特別なことだったし、彼から大きな自信を与えてもらった。お互いにとてもいい関係を作り上げることもできたと思う。
Q.最終戦の鈴鹿では、星野さんはあなたにどんな言葉をかけましたか?
JP:とにかくできるだけリラックスしろっていうことだったね。「リラックス、リラックス。とにかくドライブを楽しめ。お前はいいドライバーなんだから」って、それしか言われなかったけど、彼を見て僕のことを100%信頼してくれているっていうのは一目で分かった。彼自身も、とても自信に溢れていたよ。その時、チームのメンバーはみんなとても緊張していたよね。もちろん星野さんもちょっと緊張していただろうし、僕も少し緊張していた。だけど、緊張している以上に、僕は集中していたよ。
Q.最終戦のレース後、星野さんからは何と言われましたか?
JP:まず彼は僕のことをギューッと抱きしめた。ものすごく強い力で。僕のことを絞るみたいにギューッとね。その後、「サンキュー、サンキュー」って。あれはものすごく感動的だった。
チャンピオンを獲得後、表彰台で抱き合う二人。信頼の関係がわかる心温まるシーン。
Q.来年のシーズンに向けてのモチベーションは?
JP:まず僕はブラジルに帰る必要がある。長くてドラマティックな1年間を戦い抜いて、僕のバッテリーは空っぽの状態だから、充電しないとね。最終的にタイトルを手に家に帰れるのは、とてもいい気分だよ。これで家に帰ってリラックスしたら、今年と同じモチベーションで戻ってくることができる。今までより経験も積んでいるし、それが加わることで、もう少し楽観的でいられると思う。
Q.来年の目標は?
JP:このポジションをキープしたいね。王冠を持続したい。つまり連続タイトルを狙うっていうことさ。シーズンが終わった後の合同テストでは、塚越(広大)選手や伊沢(拓也)選手、山本(尚貴)選手がいいタイムを出していたし、彼らはとても才能に溢れたドライバーだと思う。フォーミュラ・ニッポンでもトップを争えるレベルにいると思うし、だからこそ彼らはシートを得られているんだろう。でも、それはすごくシリーズにとっていいことだと思う。そういうドライバーが数多くいることによって、より戦闘力の高いシリーズになるから。僕にとっても、今年と同じようにタイトル争いが熾烈になるのは望むところだし、レースがよりエキサイティングでドラマティックなものになることを期待しているよ。
チャンピオンの目は早くも2011年シーズンを見据えている。