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2010-07-20 00:00:00
Rd.3富士 DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGINGレースレポート
◆ 7月18日 (日) 予選 & Final
#29 井口 卓人 12 位
< 公式予選 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ
未だ豪雨災害のニュースが各メディアの紙面を賑わしていながらも、既に梅雨明け宣言を迎えた7 月18 日。一気に夏の到来を思わせる日差しの照りつける富士スピードウェイで、井口卓人とDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING は全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第3 戦を迎えた。予選〜決勝をワンデーで行うと言う変則スケジュールでの開催となる今大会。「土曜がフリー走行のみとなるわけですが、その分予選までにじっくり走れるのでうれしい」と笑顔を見せた井口とチームは、土曜に行われた2 回のフリー走行ではセットアップに集中。精力的に周回を重ねつつ、午前に1 分28秒225 で14 番手、午後には1 分28 秒055 で12 番手で終える。
迎えた午前9 時15 分からの公式予選は、前回同様ノックアウト方式。20 分間のQ1 から、続くQ2 への進出を果たすためには、ここでトップ11 に入らなければならない。イエローのマシンに乗り込んだ井口は、先頭を切ってコースインしていく。
開始5 分の段階で上位陣の多くが1 分26 秒台に突入する中、井口はユーズドタイヤを履いて計測1 周目に1 分29 秒152、2周目を1 分30 秒237 とマシンのフィーリングをチェックすると、翌周ピットイン。チームはセットアップの調整とニュータイヤの装着を行うと、残り5 分となったセッション終盤、井口を再びコースに送り出す。
残り4 分を切り、再びタイム計測に入った井口は、タイヤを温めつつ6 周目に1 分41 秒474 とすると、7 周目に1 分27 秒662とタイムアップを果たすが、ポジションは14 番手。ファイナルラップもアタックを続けた井口だったが、タイムは1 分27 秒671 と僅かに自己ベスト更新はならず。残念ながら予選に向けて施したセットアップの方向性が今ひとつコンディションと合わなかったために、井口はQ2 進出は叶わず、午後の決勝レースを14 番手からスタートすることとなった。
< 決勝レース / 44 周 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ
朝からさらに暑さが増す中、午後2 時にコースインがスタート。井口も他のマシン同様、14 番グリッドにマシンを止める。スタート進行の時間帯、井口はこれから始まる決勝レースの展開に思いを巡らせるが、今大会はタイヤ交換の義務付けも無く、レース距離は通常よりも短い200km。そのため、ライバル陣営同様にDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING と井口も、ノーピットのまま44 周のレースを走り切るという作戦を予定していた。
迎えた午後2 時48 分、5 つ並んだレッドシグナルが消え、決勝レースがスタート。14 番グリッドから抜群のスタートを切った井口は、動き出しの鈍い前のマシンたちの間を加速良く中央突破。さらにポールシッターのロイック・デュバルに加え、伊沢拓也の2 台がエンジンストールしたこともあり、井口は1 コーナーで一気に9 番手に浮上を果たす。
オープニングラップを終えた井口は、オーバーテイクボタンを使いつつ、前のケイ・コッツォリーノのマシンを追う。背後には塚越広大が続くが、井口は1 分30 秒後半から31 秒台のまずまずのペースで混戦の序盤を戦っていく。ピットからは無線で立川スーパーバイザーから「頑張れ!」と励ましの声が飛ぶ。前のコッツォリーノのペースには届かないものの、30 秒台後半のラップタイムを並べ、安定した周回を重ねていた井口だったが、10 周を過ぎたころから、出遅れた伊沢やデュバルなどのペースの速いマシンが背後に迫ることに。こうした背後からのプレッシャーをなんとか凌いでいたものの、 13 周目のダンロップコーナーで井口は伊沢の後塵を拝する。さらに最終コーナーでデュバルの先行を許した井口だったが、すかさずデュバルのスリップに入り、再び1 コーナーで前に出るなど、井口は経験豊富なドライバーたちを相手に一歩も引かないレースを見せる。
10 番手にポジションを下げたものの、背後の塚越とのギャップをうまくコントロールしていた井口だったが、レース中盤あたりから徐々にリヤタイヤの消耗が始まり、17 周目のダンロップコーナーではブレーキングでリヤをスライドさせてしまう。この僅かなミスの間に、塚越の先行を許した井口だったが、再び最終コーナーからスリップを奪い、オーバーテイクボタンを使って1 コーナーで塚越を逆転。しかし、相手もすかさずコカコーラコーナーで井口を抜き返すなど、激しい攻防が展開が続く。
さらに井出有治にかわされ、12 番手に下がってしまった井口だが、背後の平中克幸に対しては厳しい状況の中、必死のドライブでギャップをじりじりと開いていくことに。
結局井口はポイント獲得こそ果たせなかったものの、粘り強いレースを戦い抜き、12 位でチェッカー。過去2 戦に比べ、ライバルマシンとの激しいバトルを演じるなど、DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING と井口は、非常に内容の濃い戦いを見せ、次戦のもてぎに向けてさらなる手応えを得ることとなった。
ドライバー/#29 井口 卓人
「結果的に全車がノーピット作戦となったわけですが、スタートがすごく良くてポジションを上げることが出来たんですが、中盤にかけてちょっとペースが上げられなかったためにかなり苦しいレースでした。しかし、抜きつ抜かれつのレースも出来ましたし、序盤は頑張って集団についていったりして、ここまでの2 戦よりはレースらしいことが出来たようには思いますが、まだまだレースラップも遅いですし、予選のセットアップも課題として残っています。途中からはリヤがどんどん辛くなってきて、最後はどこのコーナーも進入で行き過ぎるとオーバーステアで、かなり悩まされました。
苦しかったレースですが、ピットインが無かったことで息をつく暇もなく、体力的に疲労度もこれまでで一番大変でした。次のもてぎは1 回走っていますし、またセッティングを見直して頑張ります」
スーパーバイザー/立川 祐路
「昨日のフリー走行はまずまずだったんですが、ちょっとセットアップの方向を見誤った部分があって予選は失敗してしまったんですが、決勝はスタートも良かったですし、何よりも今日の井口は頑張っていたと思います。バトルしながら抜かれても抜き返したり、気持ちの部分で過去2 戦よりも本当に頑張っていました。今回は週末の滑り出しは悪くなく、うまく行けば予選でも真ん中あたりまで行け
るのではないかという気配さえあったほどなので、予選に向けてのセットアップの見極めや読みなどが、今後の課題になると思います。第5 戦の菅生からはパワーステアリングも全車に装着されることになりましたし、それは井口にとってもプラスになるでしょうから、さらなる上位を狙って次戦以降も頑張ってほしいですね」
■Rd.3富士 DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGINGレースレポート
#29 井口 卓人 12 位
< 公式予選 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ
未だ豪雨災害のニュースが各メディアの紙面を賑わしていながらも、既に梅雨明け宣言を迎えた7 月18 日。一気に夏の到来を思わせる日差しの照りつける富士スピードウェイで、井口卓人とDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING は全日本選手権フォーミュラ・ニッポンの第3 戦を迎えた。予選〜決勝をワンデーで行うと言う変則スケジュールでの開催となる今大会。「土曜がフリー走行のみとなるわけですが、その分予選までにじっくり走れるのでうれしい」と笑顔を見せた井口とチームは、土曜に行われた2 回のフリー走行ではセットアップに集中。精力的に周回を重ねつつ、午前に1 分28秒225 で14 番手、午後には1 分28 秒055 で12 番手で終える。
迎えた午前9 時15 分からの公式予選は、前回同様ノックアウト方式。20 分間のQ1 から、続くQ2 への進出を果たすためには、ここでトップ11 に入らなければならない。イエローのマシンに乗り込んだ井口は、先頭を切ってコースインしていく。
開始5 分の段階で上位陣の多くが1 分26 秒台に突入する中、井口はユーズドタイヤを履いて計測1 周目に1 分29 秒152、2周目を1 分30 秒237 とマシンのフィーリングをチェックすると、翌周ピットイン。チームはセットアップの調整とニュータイヤの装着を行うと、残り5 分となったセッション終盤、井口を再びコースに送り出す。
残り4 分を切り、再びタイム計測に入った井口は、タイヤを温めつつ6 周目に1 分41 秒474 とすると、7 周目に1 分27 秒662とタイムアップを果たすが、ポジションは14 番手。ファイナルラップもアタックを続けた井口だったが、タイムは1 分27 秒671 と僅かに自己ベスト更新はならず。残念ながら予選に向けて施したセットアップの方向性が今ひとつコンディションと合わなかったために、井口はQ2 進出は叶わず、午後の決勝レースを14 番手からスタートすることとなった。
< 決勝レース / 44 周 > 天候:晴れ|コース状況:ドライ
朝からさらに暑さが増す中、午後2 時にコースインがスタート。井口も他のマシン同様、14 番グリッドにマシンを止める。スタート進行の時間帯、井口はこれから始まる決勝レースの展開に思いを巡らせるが、今大会はタイヤ交換の義務付けも無く、レース距離は通常よりも短い200km。そのため、ライバル陣営同様にDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING と井口も、ノーピットのまま44 周のレースを走り切るという作戦を予定していた。
迎えた午後2 時48 分、5 つ並んだレッドシグナルが消え、決勝レースがスタート。14 番グリッドから抜群のスタートを切った井口は、動き出しの鈍い前のマシンたちの間を加速良く中央突破。さらにポールシッターのロイック・デュバルに加え、伊沢拓也の2 台がエンジンストールしたこともあり、井口は1 コーナーで一気に9 番手に浮上を果たす。
オープニングラップを終えた井口は、オーバーテイクボタンを使いつつ、前のケイ・コッツォリーノのマシンを追う。背後には塚越広大が続くが、井口は1 分30 秒後半から31 秒台のまずまずのペースで混戦の序盤を戦っていく。ピットからは無線で立川スーパーバイザーから「頑張れ!」と励ましの声が飛ぶ。前のコッツォリーノのペースには届かないものの、30 秒台後半のラップタイムを並べ、安定した周回を重ねていた井口だったが、10 周を過ぎたころから、出遅れた伊沢やデュバルなどのペースの速いマシンが背後に迫ることに。こうした背後からのプレッシャーをなんとか凌いでいたものの、 13 周目のダンロップコーナーで井口は伊沢の後塵を拝する。さらに最終コーナーでデュバルの先行を許した井口だったが、すかさずデュバルのスリップに入り、再び1 コーナーで前に出るなど、井口は経験豊富なドライバーたちを相手に一歩も引かないレースを見せる。
10 番手にポジションを下げたものの、背後の塚越とのギャップをうまくコントロールしていた井口だったが、レース中盤あたりから徐々にリヤタイヤの消耗が始まり、17 周目のダンロップコーナーではブレーキングでリヤをスライドさせてしまう。この僅かなミスの間に、塚越の先行を許した井口だったが、再び最終コーナーからスリップを奪い、オーバーテイクボタンを使って1 コーナーで塚越を逆転。しかし、相手もすかさずコカコーラコーナーで井口を抜き返すなど、激しい攻防が展開が続く。
さらに井出有治にかわされ、12 番手に下がってしまった井口だが、背後の平中克幸に対しては厳しい状況の中、必死のドライブでギャップをじりじりと開いていくことに。
結局井口はポイント獲得こそ果たせなかったものの、粘り強いレースを戦い抜き、12 位でチェッカー。過去2 戦に比べ、ライバルマシンとの激しいバトルを演じるなど、DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING と井口は、非常に内容の濃い戦いを見せ、次戦のもてぎに向けてさらなる手応えを得ることとなった。
ドライバー/#29 井口 卓人
「結果的に全車がノーピット作戦となったわけですが、スタートがすごく良くてポジションを上げることが出来たんですが、中盤にかけてちょっとペースが上げられなかったためにかなり苦しいレースでした。しかし、抜きつ抜かれつのレースも出来ましたし、序盤は頑張って集団についていったりして、ここまでの2 戦よりはレースらしいことが出来たようには思いますが、まだまだレースラップも遅いですし、予選のセットアップも課題として残っています。途中からはリヤがどんどん辛くなってきて、最後はどこのコーナーも進入で行き過ぎるとオーバーステアで、かなり悩まされました。
苦しかったレースですが、ピットインが無かったことで息をつく暇もなく、体力的に疲労度もこれまでで一番大変でした。次のもてぎは1 回走っていますし、またセッティングを見直して頑張ります」
スーパーバイザー/立川 祐路
「昨日のフリー走行はまずまずだったんですが、ちょっとセットアップの方向を見誤った部分があって予選は失敗してしまったんですが、決勝はスタートも良かったですし、何よりも今日の井口は頑張っていたと思います。バトルしながら抜かれても抜き返したり、気持ちの部分で過去2 戦よりも本当に頑張っていました。今回は週末の滑り出しは悪くなく、うまく行けば予選でも真ん中あたりまで行け
るのではないかという気配さえあったほどなので、予選に向けてのセットアップの見極めや読みなどが、今後の課題になると思います。第5 戦の菅生からはパワーステアリングも全車に装着されることになりましたし、それは井口にとってもプラスになるでしょうから、さらなる上位を狙って次戦以降も頑張ってほしいですね」
■Rd.3富士 DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGINGレースレポート