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2010-09-26 00:00:00
Rd.5 SUGO DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING 予選レポート
< 公式予選 > 天候:曇り〜雨 | コース状況:ドライ〜ウエット
前戦もてぎから約1カ月のインターバルを経て、迎えた全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5 戦。猛暑の続いた夏が終わり、急速に秋の気配が漂い始める中、みちのくは宮城県のスポーツランドSUGO が今大会の舞台だ。シリーズは今回の菅生ラウンドを入れて残すところ3戦と、いよいよ終盤戦に突入していくこととなるが、シリーズを運営するJRPは今大会から全車にパワーステアリング機構の搭載を決定。ドライバーへの体力的な負担の軽減につながるパワステ機構の装着は、ここまでしばしばフィジカル面で厳しい戦いを強いられてきたルーキーの井口卓人にとっては、より楽にドライビングに集中することができるという点でプラス要素になるはずと、チームとしても期待を膨らませての菅生入りとなった。
パワステを搭載したマシンに慣れるため、今大会は特別に金曜の午後4 時から1 時間のテストセッションが設けられ、井口とDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING もこのセッションに参加。セッション開始から精力的に周回を重ね、パワステのフィーリングをチェックした井口だったが、「確かにステアリングは軽くはなったが、マシンのフィーリングがこれまでと異なる部分がある」と、時間を掛けて5段階あるパワステの効き具合を調整しながらの走行に。結局トータル28 周をこなした井口は、1 分09 秒981 というタイムでこのセッションを終えるが、予想以上にパワステに違和感を感じることに。
台風の北上に伴い、土曜の仙台地方は下り坂になるとの予報が出されていたが、朝の菅生はどんよりと曇ってはいたものの雨は降っておらず、路面はドライコンディション。迎えた午前9 時40 分からのフリー走行1 回目、井口はセッション開始と同時にユーズドタイヤでコースイン。まずは1 周目をゆっくりとしたペースで井口は周回、1 分13 秒251 でホームストレートに戻ってくると、さらに翌周以降は1 分10 秒666、1 分09 秒382、1 分09 秒037……、と徐々にペースを上げていく。ハイスピードな外周部分と、テクニカルなインフィールドを併せ持つ菅生は1 周約3.7km と短く、1 分少々でラップしてしまうこともあり、5 周を終えると早くも井口は最初のピットイン。いつも以上にハイペースでマシンのセットアップを煮詰めて行く。
午前9 時52 分にピットアウトした井口は、7 周目には1 分08 秒942 へとタイムアップも、この時点でトップの石浦宏明は1 分06秒台に突入しており、ポジションは10 番手前後。再び5 周を終えマシンがピットに戻ると、チームは細かくセットアップ修正を加えると、午前10 時02 分、再び井口をピットアウトさせる。しかし、コースの一部でぽつりぽつりと雨が降り始めたのを受け、午前10 時05 分にウエット宣言が出されると、ほどなくして1 コーナーで山本尚貴がコースオフ。このためセッションは残り34 分で赤旗中断となってしまう。
山本のマシンがピットに戻り、午前10 時15 分に再開されたセッションだったが、開始数分で平中克幸がマシンをピットロード入り口手前のグリーンに停め、さらにSP コーナー立ち上がりでジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがクラッシュするなど、アクシデントが続き、再び赤旗が提示される。コース改修に時間を要し、午前 10 時35 分に残り10 分で再開されたセッション、井口は残り4 分となったところで1 分08 秒324、1 分08 秒225 と立て続けにタイムアップ。結局このセッション、井口はトップから2 秒3 遅れの1 分08 秒225 がベストとなり、ポジション的には15 番手に留まった。
迎えた午後2 時30 分からの公式予選はノックダウン方式。20 分間のQ1 で、上位12 台に入ってQ2 に駒を進めることが、まずは井口のターゲットとなる。気温15℃と肌寒く、曇天は変わらぬものの雨は上がり、完全なドライコンディションでセッションが始まった。
開始と同時にコースインした井口は1 セット目のニュータイヤを履き、まずはゆっくりとタイヤを温めながら1 周目を1 分13 秒742とすると、翌周には1 分09 秒314 にタイムアップ、この段階で井口は6 番手に。さらに3 周目に1 分08 秒194 とタイムを刻んだ井口だが、ライバル勢のタイムアップも激しく、ポジションはひとつ下がって7 番手に。
ここでいったんピットインした井口のマシンに、チームはセットアップに修正を加え、2 セット目のニュータイヤに履き換えると、残り7分となったコース上に再び井口を送り出すが、このピットインの間に井口のポジションは13 番手にドロップ、Q2 進出圏内から脱落してしまう。
なんとかタイムアップを図りQ2 進出を果たしたい井口は、再びタイヤを温めるとプッシュを開始。残り2 分となった計測7 周目、最終コーナーでバランスを崩しそうになるものの、井口は必死のドライビングでマシンを押さえつけてアタックを続ける。この様子をサインガードで見守る立川スーパーバイザーも、真剣な表情でモニターに映る井口の走りを見つめるが、この周のタイムは1 分08 秒220 と更新はならず。翌周をクールダウンラップに充て、1 分12 秒668 とした井口は、チェッカーが提示される中、ファイナルラップに渾身のアタックを敢行。最終コーナーの10%勾配を駆け上ってきた井口のイエローのマシンがチェッカーを受けたその瞬間、モニターに表示されたタイムは1 分07 秒989。見事自己ベストタイムを更新した井口だったが、残念ながらポジションは15 番手に留まり、Q2 への進出と言う悲願は次戦に持ち越す結果に。こうして井口は、明日の決勝では15 番手からの追い上げを期することとなった。
ドライバー/#29 井口 卓人
「今回からパワステがついたので、最終コーナーでもイメージしていたよりはステアリングが切れるのですが、自分の切っている量と実際に切れている量とタイミングに違和感があって、そこをうまく僕が合わせることが出来ませんでした。今日一日、ちょっとその部分に振り回されてしまったかもしれません。特にSP コーナーと最終コーナーという高速コーナーで、スピードを載せて踏んで来ることが出来なかったので、2 セット目のアタックでは自分でなんとかしようと踏んで行ったのですが、最終コーナーでバランスが崩れかけて……。明日朝のフリー走行で大きくクルマを振ってみて、今問題の部分が解消できれば、もっと乗り易くアクセルを踏んで行けるクルマになると思うので、なんとかクルマを仕上げて長くタフな戦いが予想される決勝に臨みたいですね」
スーパーバイザー/立川 祐路
「昨日の段階から少しオーバー傾向があったことと、その影響もあって最終コーナーが遅いという2 点が課題となっていたわけですが、そこに関しては明日に向けてもっとアジャストしていかなければならないと思います。そのあたりの原因に関しては、これからじっくりと時間を掛けてミーティングをして、いろいろやり直さなければならないでしょう。決勝のグリッドは15 番ですが、なんとか粘り強いレースを戦ってもらいたいと思います」
Rd.5 SUGO DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING 予選レポート
前戦もてぎから約1カ月のインターバルを経て、迎えた全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第5 戦。猛暑の続いた夏が終わり、急速に秋の気配が漂い始める中、みちのくは宮城県のスポーツランドSUGO が今大会の舞台だ。シリーズは今回の菅生ラウンドを入れて残すところ3戦と、いよいよ終盤戦に突入していくこととなるが、シリーズを運営するJRPは今大会から全車にパワーステアリング機構の搭載を決定。ドライバーへの体力的な負担の軽減につながるパワステ機構の装着は、ここまでしばしばフィジカル面で厳しい戦いを強いられてきたルーキーの井口卓人にとっては、より楽にドライビングに集中することができるという点でプラス要素になるはずと、チームとしても期待を膨らませての菅生入りとなった。
パワステを搭載したマシンに慣れるため、今大会は特別に金曜の午後4 時から1 時間のテストセッションが設けられ、井口とDELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING もこのセッションに参加。セッション開始から精力的に周回を重ね、パワステのフィーリングをチェックした井口だったが、「確かにステアリングは軽くはなったが、マシンのフィーリングがこれまでと異なる部分がある」と、時間を掛けて5段階あるパワステの効き具合を調整しながらの走行に。結局トータル28 周をこなした井口は、1 分09 秒981 というタイムでこのセッションを終えるが、予想以上にパワステに違和感を感じることに。
台風の北上に伴い、土曜の仙台地方は下り坂になるとの予報が出されていたが、朝の菅生はどんよりと曇ってはいたものの雨は降っておらず、路面はドライコンディション。迎えた午前9 時40 分からのフリー走行1 回目、井口はセッション開始と同時にユーズドタイヤでコースイン。まずは1 周目をゆっくりとしたペースで井口は周回、1 分13 秒251 でホームストレートに戻ってくると、さらに翌周以降は1 分10 秒666、1 分09 秒382、1 分09 秒037……、と徐々にペースを上げていく。ハイスピードな外周部分と、テクニカルなインフィールドを併せ持つ菅生は1 周約3.7km と短く、1 分少々でラップしてしまうこともあり、5 周を終えると早くも井口は最初のピットイン。いつも以上にハイペースでマシンのセットアップを煮詰めて行く。
午前9 時52 分にピットアウトした井口は、7 周目には1 分08 秒942 へとタイムアップも、この時点でトップの石浦宏明は1 分06秒台に突入しており、ポジションは10 番手前後。再び5 周を終えマシンがピットに戻ると、チームは細かくセットアップ修正を加えると、午前10 時02 分、再び井口をピットアウトさせる。しかし、コースの一部でぽつりぽつりと雨が降り始めたのを受け、午前10 時05 分にウエット宣言が出されると、ほどなくして1 コーナーで山本尚貴がコースオフ。このためセッションは残り34 分で赤旗中断となってしまう。
山本のマシンがピットに戻り、午前10 時15 分に再開されたセッションだったが、開始数分で平中克幸がマシンをピットロード入り口手前のグリーンに停め、さらにSP コーナー立ち上がりでジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがクラッシュするなど、アクシデントが続き、再び赤旗が提示される。コース改修に時間を要し、午前 10 時35 分に残り10 分で再開されたセッション、井口は残り4 分となったところで1 分08 秒324、1 分08 秒225 と立て続けにタイムアップ。結局このセッション、井口はトップから2 秒3 遅れの1 分08 秒225 がベストとなり、ポジション的には15 番手に留まった。
迎えた午後2 時30 分からの公式予選はノックダウン方式。20 分間のQ1 で、上位12 台に入ってQ2 に駒を進めることが、まずは井口のターゲットとなる。気温15℃と肌寒く、曇天は変わらぬものの雨は上がり、完全なドライコンディションでセッションが始まった。
開始と同時にコースインした井口は1 セット目のニュータイヤを履き、まずはゆっくりとタイヤを温めながら1 周目を1 分13 秒742とすると、翌周には1 分09 秒314 にタイムアップ、この段階で井口は6 番手に。さらに3 周目に1 分08 秒194 とタイムを刻んだ井口だが、ライバル勢のタイムアップも激しく、ポジションはひとつ下がって7 番手に。
ここでいったんピットインした井口のマシンに、チームはセットアップに修正を加え、2 セット目のニュータイヤに履き換えると、残り7分となったコース上に再び井口を送り出すが、このピットインの間に井口のポジションは13 番手にドロップ、Q2 進出圏内から脱落してしまう。
なんとかタイムアップを図りQ2 進出を果たしたい井口は、再びタイヤを温めるとプッシュを開始。残り2 分となった計測7 周目、最終コーナーでバランスを崩しそうになるものの、井口は必死のドライビングでマシンを押さえつけてアタックを続ける。この様子をサインガードで見守る立川スーパーバイザーも、真剣な表情でモニターに映る井口の走りを見つめるが、この周のタイムは1 分08 秒220 と更新はならず。翌周をクールダウンラップに充て、1 分12 秒668 とした井口は、チェッカーが提示される中、ファイナルラップに渾身のアタックを敢行。最終コーナーの10%勾配を駆け上ってきた井口のイエローのマシンがチェッカーを受けたその瞬間、モニターに表示されたタイムは1 分07 秒989。見事自己ベストタイムを更新した井口だったが、残念ながらポジションは15 番手に留まり、Q2 への進出と言う悲願は次戦に持ち越す結果に。こうして井口は、明日の決勝では15 番手からの追い上げを期することとなった。
ドライバー/#29 井口 卓人
「今回からパワステがついたので、最終コーナーでもイメージしていたよりはステアリングが切れるのですが、自分の切っている量と実際に切れている量とタイミングに違和感があって、そこをうまく僕が合わせることが出来ませんでした。今日一日、ちょっとその部分に振り回されてしまったかもしれません。特にSP コーナーと最終コーナーという高速コーナーで、スピードを載せて踏んで来ることが出来なかったので、2 セット目のアタックでは自分でなんとかしようと踏んで行ったのですが、最終コーナーでバランスが崩れかけて……。明日朝のフリー走行で大きくクルマを振ってみて、今問題の部分が解消できれば、もっと乗り易くアクセルを踏んで行けるクルマになると思うので、なんとかクルマを仕上げて長くタフな戦いが予想される決勝に臨みたいですね」
スーパーバイザー/立川 祐路
「昨日の段階から少しオーバー傾向があったことと、その影響もあって最終コーナーが遅いという2 点が課題となっていたわけですが、そこに関しては明日に向けてもっとアジャストしていかなければならないと思います。そのあたりの原因に関しては、これからじっくりと時間を掛けてミーティングをして、いろいろやり直さなければならないでしょう。決勝のグリッドは15 番ですが、なんとか粘り強いレースを戦ってもらいたいと思います」
Rd.5 SUGO DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING 予選レポート