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2011-10-14 00:00:00

システム Eの第2回テストがSUGOで行われる

両メーカーのテストカーが積極的に周回。課題も出たが、どちらも1分09秒台前半を記録

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 10月12、13日、スポーツランドSUGOでフォーミュラ・ニッポンが採用を予定している『システム E』の走行テスト第2回が行われた。前回の鈴鹿サーキットでのテスト(9月14、15日)と同様に、フォーミュラ・ニッポンにエンジンを供給するトヨタとホンダがそれぞれ1台を持ち込んだ。
 走行時間は、両日共に午前と午後に2時間、合計8時間。トヨタは松田次生選手、ホンダは道上龍選手(写真)がドライブ。ホンダ車のロールバーには「HIGH VOLTAGE(大電流に注意)」のマークが付いたが、これは電圧が高いとインジケーターが光って、メカニックに知らせる安全装置にもなっている。
 両日は好天にも恵まれ、トヨタ/松田選手は初日に20周を走行。パーツ交換を行ったため、午後はほとんど走れなかったが、それでもベストタイムは1分10秒326。2日目は43周を走り、全体のベストとなる1分09秒075を記録した。ホンダ/道上選手は、初日に58周を走行し、ベストタイムは1分10秒095。そして、2日目にはなんと87周も走り込み、1分09秒471を記録。両車のベストを9月にSUGOで行われた第6戦の条件が近い日曜朝プラクティスと比較すれば、18台中13番手と15番手になる。テスト走行としては上々のタイムだった。
 だが、2日目の走行後に行われた記者会見で、株式会社本田技術研究所 フォーミュラ・ニッポン プロジェクトリーダーの坂井典次氏も、トヨタ自動車株式会社 フォーミュラ・ニッポン システム E 開発リーダーの松浦幸三氏も「2人のベテランは、さすがでした」とドライバー手腕のタイムだと語っていた。
 実は、今回の走行でのシステム Eのアシストは、どちらの車両もほんの数回しかなかったそうだ。ホンダの坂井氏は「前回の鈴鹿では、振動のためシステム Eのパーツがいくつか破損しました。フォーミュラ・ニッポンではエンジンに近い場所にシステムを置くため、以前NSXで行っていたテスト(助手席に搭載)の3倍以上の振動がありました。今回その対策は十分できていました」と話してくれた。鈴鹿ではシステム Eへの通電はせず、耐久性の確認がメインだったが、そこはクリアした。そして、今回はいよいよ通電し、実行性の検証となるはずだった。だが、電流の制御において課題が発生し「回生(充電)はできているのですが、ノイズを異常だと誤検知しアシストの作動を止めてしまう」とのことだった。
 一方、トヨタの松浦氏も「鈴鹿では漏電のデータが残っており、これは対策して今回に臨みました」と鈴鹿の課題はクリアしたものの、やはり電流制御に課題が残ったと言う。「2日目の午後前にパーツ交換を行ったのですが、これでも上手くいかない。ハード(のトラブル)だと思ったのですが…。ソフトも含めもう一度チェックします」とのことだ。また、システム Eで生じるノイズがパワーステアリングの制御に影響する可能性も考え、今回はパワステのモーターは動かすが、ステアリングとは切り離してデータ上での確認をしたという。つまり、松田選手は全走行をパワステなしで走り、ベストタイムを記録したわけだ。この点でも松浦氏は元チャンピオンである松田選手を誉めていた。坂井氏も「まだ課題があって、2周走っては入るという走行で、それであのタイムを出すんですから、両選手ともにすごいですよ」との弁。
 記者会見には、トヨタ車のテストドライブをした松田選手も出席。「システム Eはメインストレートとバックストレッチでボタンを押しました。今日の午前に1度、裏ストレートの3速である程度の加速感が有りましたね。松浦さんによると6キロワット程度、数馬力とのことですが、これでフルに動けば(40キロワット)きっとすごいと思いますよ」と、期待を込めたコメントを寄せていた。
 このテストの結果としては、坂井氏の「まだ課題はデカイですね」と言うコメントが示すように宿題も多い。だが、「自動車の動力に使うバッテリーというのは、多量の電気を一気に貯め、一気に使う。パソコンのように一定でジワジワというのとは全然違うんです。そう言う意味では、今回のテストも勉強になりました」と坂井氏は述べ、エンジニアとしての手応えは有ったようだ。また、今後システム Eが本格的に使われるようになれば、目標とする自動車動力用バッテリーの進化に大きな影響を与えることもありそうだ。
 システム Eのテストは、11月に予定される合同テストで今年最後となり、ここまでの成果をそれぞれに持ち帰り、また協議して来年度のテストスケジュール等を検討することになりそうだ。

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1分09秒075を記録したトヨタのテスト車(松田選手ドライブ)

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午前の走行後に相談する松田選手とエンジニア。第6戦の大嶋選手の基本のセットだという

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午前のホンダのテスト車(道上選手ドライブ)。

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午前の走行後に道上選手がスタッフにマシンの状況を語る。

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全走行後に行われた記者会見(右よりホンダ/坂井氏、トヨタ/松浦氏、トヨタ車をドライブした松田選手)