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2011-12-09 00:00:00

システム Eに手応えを得た今季3回目のテスト

11/28,29の合同テストでトヨタ、ホンダのシステム Eテストが実施される

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 11月28、29日に公式合同テスト(富士スピードウェイ)が実施されたが、このテストではトヨタとホンダによるシステム Eのテスト車両、各1台も走行した。今回のテストでは、トヨタ車は松田次生選手がドライブ、ホンダは道上龍選手と最終日の午後には山本尚貴もステアリングを握った。
 両社ともに、モーターによるアシストと回生(ブレーキ時にモーターから発生する電気を蓄えること)を活用しての走行を実行し、十分な結果とデータを得たと手応えを感じていた。なお、当初来シーズンの導入を検討されていたシステム Eだが、ここまでの進捗から来季開幕戦の導入は見送られ、今後もテストを継続するという。

 合同テストの最終日、最後の走行後にトヨタ自動車株式会社 フォーミュラ・ニッポン システム E 開発リーダーの松浦幸三氏とテストドライバーの松田選手、株式会社本田技術研究所 フォーミュラ・ニッポン プロジェクトリーダーの坂井典次氏とテストドライバーの道上選手、フォーミュラ・ニッポンをオーガナイズする株式会社日本レースプロモーションの白井裕社長が記者会見を行い、この日のテストの状況とここまでの進捗を語った。

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左から道上選手、坂井氏、松浦氏、松田選手
 この会見によると、今回のテストでは両者のテスト車ともにシステム Eによるアシストも回生も行われ、これに関する動作データも取得できたという。ホンダの坂井氏は「ここまで2回のテスト(9/14,15の鈴鹿、10/12,13のSUGO)では、振動対策やソフトウェアのトラブルがあり、十分な結果を得られませんでした。しかし、この点の対策は十分にできました。今回はアシストと回生があったことを確認し、ドライバーも加速を実感しています。テスト内容としては、1ラップする中でアシスト(放電)と回生(充電)のバランスがどう釣り合うかを確認しました。またバッテリーの発熱に対する冷却に関するデータも得ました」と、時折笑顔も交えて語っていた。
 トヨタの松浦氏も「今回は、オーバーテイクシステムのように1レースで10回くらい使用できる想定を考えてテストしました。ようやくきちっと評価ができました。前回のテストでのモーターのトラブルは、エンジン回転がレブリミッターに当たったことでモーターに負荷が掛かって生じたと判明しました。このため、今回は松田さんにレブリミッターに当てないでとお願いしたので、ラップタイムはあまり気にしてません。実は初日(28日)にエンジンが壊れまして(苦笑)。これもSUGOで無理な走らせ方したためでして。今日(29日)は載せ替えて、その後は問題なくテストができました。60アンペアで25馬力くらいのアシストを得ています」、ホンダ車でもほぼ同じ程度の出力だったようだ。
 ホンダ車では、ソフトによって自動的にシステム Eが作動するトライもしていた。テストした道上選手は「ストレートとヘアピンなどで(システム E)が作動したのを体感しています。ストレートでは5速で明らかに通常より加速感がありましたね。ヘアピンの立ち上がりなどでは、ホイールスピンすることもありました。ドライバーとしてはオーバーテイクシステムのように自分の意志でボタンを押して、戦術的に使うという方が良いと感じました」と、前回のテストより明らかに実戦的な手応えを得たようだ。
 トヨタ車を担当した松田選手は自前の小型GPSも搭載しての独自データも披露。こちらのシステム Eはオーバーテイクシステムと同様にボタンで動作させるという。「ストレートとヘアピンでボタンを押しています。5速では明らかに加速を感じます。お願いして搭載させてもらったGPSのロガーデータでもアシストがない場合との違いが明らかですね(自らのPC画面を見せる)。ただ、6速に入ると空気の圧力でそれほど伸びません。この辺は(モーターがシャシー下面に干渉して)空力の面もあると思います」と、こちらもレースでの活用を感じさせる感触を得ていた。
 今回のテストで両社とも課題に挙げていたのが、バッテリーの容量だった。現在の搭載容量では25馬力が最大と言う。松田選手は「50馬力くらい(アシストで)出れば、オーバーテイクに十分活用できる」と言い、その辺が実戦投入への目処になりそうだ。だが、それには倍のバッテリー容量が必要になり、重量増に加えて空力や冷却系に影響が出るだろう。ここがこれからの課題となる。しかし、当初からシステム Eはバッテリー性能の技術競争を見込んでおり、この面が良い形で現れれば新しい見どころにもなるだろう。
 加えてモーターやインバーター等の耐久性のアップ、共通化を前提にした各パーツの選定など、現時点での課題もまだまだ多い。会見に同席した日本レースプロモーションの白井裕社長は「東日本大震災の影響でテストの開始が遅れ、現時点では実用化には課題が残ることを今回のテストでも確認しました。したがって、来季の開幕戦への導入は見送らざるおえません。ただ、来季もテストを重ね、近年中には導入できればと考えています。再来年以降のシャシーではシステム E導入への配慮も考え、重量や空力などに影響が出ないように考えていきたい」と語り、開発の継続となるべく早い時点での実戦投入を示唆した。

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トヨタのテスト車を後方から見る。
左の車軸下、中央よりにある銀色のパーツがモーター。

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トヨタのテスト車は松田次生選手がドライブ。

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ホンダは道上龍選手がテストを担当。

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ホンダ車のインバーター(オレンジ色のパーツ)。
最初のテストよりしっかりとしたケースとなり、振動対策がうかがわれる。

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最終日の午後には現役のFNドライバー山本尚貴もホンダ車をドライブ。
ホンダ坂井氏は「現役に感想を聞きたかった。道上さんと同様の感触をもらった」と言う。

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松田選手は自前のGPSセンサーのロガーデータを使って説明してくれた。
トヨタ松浦氏は「松田さんのデータ解析はすばらしい」と感心しきり。