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2012-03-04 00:00:00
2人のチャンプと琢磨が雨中の鈴鹿でハードバトル!!
“ラウンド0”はオリベイラ(TEAM IMPUL)が制す! フリーは山本がレコードの激走
10周で行われたこのレース。エキジビションということを全く感じさせない熱い走りで優勝を果たしたのは、2010年のチャンピオン、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)。フロントロウからトップに立ち、中盤までそのポジションを守ったNo.15 佐藤琢磨(TEAM 無限)が2位、昨年のチャンピオンであるNo.1 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)が3位に入賞した。
■午前は昨年のポールシッター、山本が魅せる 今季、シリーズに参加する17台のマシンが勢ぞろいした鈴鹿サーキット。午前中はドライコンディションの中で、30分間のテスト走行が行われた。 だが、どのドライバーもイベントということをすっかり忘れ、本気モードでの走行を見せる。西コースの路面が新しくなったということもあり、このセッションでは非公式ながらNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)がコースレコード(1'38.917:小暮卓史)を更新する1分38秒793を叩き出してみせた。(リザルトは記事の最後) |
■雨のスタートで琢磨がホールショット
その後、昼過ぎからはあいにく冷たい雨が降り始める。フォーミュラ・ニッポンのエキシビションレースも完全なウェットコンディションの中で行われたが、底冷えする寒さを吹き飛ばすような熱い走りが随所で展開された。
午後1時、フォーメーションラップがスタートすると、マシントラブルでグリッドにつけなかったNo.3 安田裕信(KONDO RACING)を除く16台が轟音を響かせながら走行を開始した。気温8度、路面温度10度というコンディションの中、1周の隊列走行を終えたドライバーたちは、正規グリッドに整列。グリッドは昨年のチャンピオンであるロッテラーがポールポジション。セカンドグリッドは琢磨。そしてチャンピオン経験者のデ・オリベイラ、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO)、No.20 松田次生(TEAM IMPUL)と決められていた。
全車が公式戦同様に、シグナルオールレッドからブラックアウトで、一斉にアクセルを踏み込む。ここでフロントロウからホールショットを奪ったのは、琢磨だ。その背後にはロッテラー、オリベイラが僅差で追う。さらにデュバル、松田と元チャンプの復帰組が続く。今朝初めてFN09に乗った琢磨が、なんと4人のチャンピオンを従えてトップを走ることになった。
■タイヤの温まったオリベイラが3番手から逆襲
しかし、その後はトップ争いが激化。チャンピオンナンバーを付けている意地を見せ、3周目のヘアピンでは、ロッテラーが琢磨のインに飛び込む。しかし、路面の水に乗って、マシンがドリフト。続くスプーンの飛び込みでも、琢磨の隙を狙ったが、ここでもマシンが滑って、ロッテラーは若干失速する。
オリベイラは、ここからトップを行く琢磨に迫る。琢磨は、その追撃から逃れようと、5周目を終えたところから、オーバーテイクボタンを使用しながら、東コースを爆走。しかし、デグナーの2つ目で琢磨がミス。TEAM IMPULのピットでは、その瞬間「行けっ!!」という星野一義監督の声が飛んだ。その声に応えるように、オリベイラは、ヘアピンでアウトから琢磨に並びかけると、サイド・バイ・サイドのバトルに持ち込む。そして、このバトルを制し、トップに立った。
その後、オリベイラはファステストラップを連発。そのまま10周を走り切って、トップチェッカーを受けた。オリベイラがトップに立った後は、2番手争いが白熱。琢磨が再びオーバーテイクボタンを使いながら、ロッテラーの追撃を退ける。一方のロッテラーは8周目に若干タイムロス。琢磨との差が2秒以上に広がった。ロッテラーは、そこから再び琢磨とのタイム差を縮めたが、逆転することはできなかった。その結果、2位には今季スポット参戦が決まっている琢磨が入賞。ロッテラーが3位という結果になっている。
この迫力あるバトルに、グランドスタンドを埋め尽くした観客も大喜び。来月いよいよ開幕する今シーズンの激しい戦いに、期待が膨らむ一戦となった。
■ラウンド 0 リザルト 天気:雨/コース:ウェット ■
Po No. Driver Team Time/Gap Best ■
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1 19 J.P.デ・オリベイラ TEAM IMPUL /T 19'04.269 1'50.735
2 15 佐藤 琢磨 TEAM 無限 /H 4.698 1'51.632
3 1 A.ロッテラー PETRONAS TEAM TOM'S /T 1.511 1'51.216
4 8 L.デュバル Team KYGNUS SUNOCO /T 4.382 1'52.814
5 20 松田 次生 TEAM IMPUL /T 2.238 1'52.079
6 32 小暮 卓史 NAKAJIMA RACING /H 2.841 1'53.001
7 2 中嶋 一貴 PETRONAS TEAM TOM'S /T 3.478 1'52.200
8 7 大嶋 和也 Team LeMans /T 4.529 1'52.690
9 41 塚越 広大 DOCOMO TEAM DANDELION RACING /H 7.263 1'51.489
10 10 金石 年弘 HP REAL RACING /H 4.356 1'54.832
11 38 平手 晃平 Project μ /cerumo・INGING /T 9.584 1'54.316
12 16 山本 尚貴 TEAM 無限 /H 0.209 1'53.142
13 40 伊沢 拓也 DOCOMO TEAM DANDELION RACING /H 4.645 1'53.623
14 31 中嶋 大祐 NAKAJIMA RACING /H 2.126 1'54.586
15 39 国本 雄資 Project μ /cerumo・INGING /T 5.314 1'52.634
16 62 嵯峨 宏紀 Le Beausset Motorsports /T 6.904 1'55.573
※ベストタイム: ■
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL) 1'50.735 10/10Laps
■フリー走行 リザルト 天気:曇り/コース:ドライ ■
Po No. Driver Team Time Delay Lap ■
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1 16 山本 尚貴 TEAM 無限 /H 1'38.793 6/10
2 19 J.P.デ・オリベイラ TEAM IMPUL /T 1'39.110 0.317 13/13
3 40 伊沢 拓也 DOCOMO TEAM DANDELION RACING /H 1'39.136 0.343 10/11
4 41 塚越 広大 DOCOMO TEAM DANDELION RACING /H 1'39.283 0.490 9/11
5 32 小暮 卓史 NAKAJIMA RACING /H 1'39.318 0.525 11/12
6 1 A.ロッテラー PETRONAS TEAM TOM'S /T 1'39.386 0.593 10/10
7 2 中嶋 一貴 PETRONAS TEAM TOM'S /T 1'39.812 1.019 9/11
8 20 松田 次生 TEAM IMPUL /T 1'40.044 1.251 10/10
9 8 L.デュバル Team KYGNUS SUNOCO /T 1'40.080 1.287 12/12
10 38 平手 晃平 Project μ /cerumo・INGING /T 1'40.259 1.466 7/10
11 7 大嶋 和也 Team LeMans /T 1'40.292 1.499 7/12
12 3 安田 裕信 KONDO RACING /T 1'40.409 1.616 9/11
13 39 国本 雄資 Project μ /cerumo・INGING /T 1'41.029 2.236 11/12
14 31 中嶋 大祐 NAKAJIMA RACING /H 1'41.306 2.513 8/13
15 15 佐藤 琢磨 TEAM 無限 /H 1'41.654 2.861 10/11
16 62 嵯峨 宏紀 Le Beausset Motorsports /T 1'41.949 3.156 13/13
17 10 金石 年弘 HP REAL RACING /H 1'42.220 3.427 12/12