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2012-11-19 00:00:00

第3回公式合同テスト/富士 1日目レポート

初日はデ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が総合トップ
新人や返り咲き、他チームでのドライブなど来季に向けた動きが始まる

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 先日、富士スプリントカップを終えたばかりの富士スピードウェイ(静岡県)では、11月19日(月)、20日(火)の2日間にわたり、最後のフォーミュラ・ニッポン合同テストが行われる。初日の19日、総合トップタイムをマークしたのは、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)。これに約100分の8秒差という僅差で続いたのは、今季のチャンピオンNo.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)。3番手にはNo.20 松田次生(TEAM IMPUL)という結果になった。また、来季“スーパーフォーミュラ”への参戦を目指す、若手ドライバーが各チームよりエントリー。さらに、中には今季と違うチームのマシンをドライブする選手もおり、来季への動きが早くも動き出した。さらにホンダは、テスト専用車両を持ち込みSystem E(ハイブリッド機構)のテストも行った。

好コンディションで各チームのテストも順調

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No.96 道上龍(ホンダテスト車両)

 19日の走行は、午前10時から12時、午後2時から4時までの2回、計4時間のセッションが行われ、各チーム、ドライバーともにシーズン中にはできなかったテストメニューを消化。チームによっては、ルーキードライバーたちにテストの機会を与えるなど、いつもとは違う風景が見られた。また、ブリヂストンが来季用として用意した新しいスペックのタイヤを試したドライバーも数名。
 前日とは打って変わり、まさに冬の天気となった19日。午前10時の段階で、気温9℃、路面温度10℃というコンディションの中で、テストが始まる。多くのチームはこの日、今季のレギュラードライバーが乗り込んだが、PETRONAS TEAM TOM'Sの1号車には午前中にリチャード・ブラッドレー、午後にジェームス・ロシターが搭乗。Team KYGNUS SUNOCOには石浦宏明、HP REAL RACINGには塚越広大、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGの41号車にはジャン・カール・ベルネ、SGC by KCMGには午前中にマシュー・ホーソン、午後にギャリー・トンプソンが搭乗している。またTEAM 無限の2台目、15号車には中山友貴が乗り込んだ。

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No.1 ジェームス・ロシター(PETRONAS TEAM TOM'S)

 セッションが始まると、レギュラードライバーを擁するチームは、まず週末のレースから持ち越したユーズドタイヤを使用してコースイン。さっそくマシンバランスのチェックを行い、そこからテストメニューにとりかかる。多くはサスペンションジオメトリーを始めとする足回りのセットアップ比較や空力バランスのチェックなど、なかなかシーズン中にはできないテストを敢行。路面コンディションが良かったこともあって、セッション開始早々から1分24秒台のタイムを出すドライバーもいた。
 その後、開始から22分というところで、セッションは赤旗によって中断される。これは、No.96 道上龍(ホンダテスト車両)がメインストレートでストップしたため。このマシンの回収が終わると、午前10時29分にはセッション再開となった。そこから約30分、セッション開始から約1時間というところで、午前中のトップタイムをマークしたのはNo.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)。午後からホンダのテスト車両に乗り込む予定となっていた伊沢は、ここで来季投入する予定の新しいスペックのタイヤを投入し、一気に1分23秒761までタイムアップした。また、その他のドライバーも、セッション中盤、あるいは終盤に入って、今季使用してきたニュータイヤを投入。No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が中盤に、No.20 松田次生(TEAM IMPUL)が終盤に、それぞれ午前中の自己ベストタイムをマークし、やはり1分23秒台で伊沢に続いている。午前中、この3人に続いたのは、No.38 平手晃平(Project μ/ceromo・INGING)、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.39 国本雄資(Project μ/ceromo・INGING)。ルーキー勢では、ブラッドレー(PETRONAS TEAM TOM'S)が1分25秒189というタイムをマークして、11番手につけた。

ルーキー勢ではロシターが好タイムを記録

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No.10 塚越広大(HP REAL RACING)

  午前のセッション後半から、日が射し始めた富士。しかし、午後2時からの2回目のセッションが始まった時点でも、気温は11℃、路面温度は14℃。さらにメインストレートでは冷たい追い風が吹いており、体感温度はそれ以下というコンディションになる。  午後のセッションでは、セットアップメニューを行っていたドライバーもいるが、一方でロングランを行うドライバーも。そのセッション中、開始から約1時間20分というところでは、No.41 ジャン・カール・ベルネ(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のマシンが、ガス欠のためにコース上でストップ。その回収のために、一旦赤旗が提示されたが、3分後には再開。この影響でセッション終了時刻も午後4時03分となった。  そして残り20分を切ったあたりからは、何人かのドライバーがニュータイヤを続けて2セット装着。デ・オリベイラや一貴は、新しいスペックのタイヤでのアタックも行ったが、ここで大きく自己ベストを更新し、初日のトップを奪ったのがデ・オリベイラ。一貴は、最後の最後に履いたニュースペックでのタイムではなく、その直前に履いた今季仕様のタイヤで初日の自己ベストをマークした。しかし、ニュースペックでも、ほぼ同様のタイムをマークしている。さらに、松田も今季用のタイヤで最後にタイムアップ。3番手のタイムをマークした。以下、山本、国本と続き、午後のセッション序盤はエンジンに問題を抱えたNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が6番手。  ルーキーとしては、No.1 ジェームス・ロシター(PETRONAS TEAM TOM'S)がセッション中盤にニュータイヤでマークした自己ベストタイムで10番手に入った。ロシターは、セッション終盤にもう1セット、ニュータイヤを投入したが、このアタックでは他車に引っかかったり、100Rでバランスを崩したことで、ベストを更新できずに終わっている。一方、この日が富士初体験、FNマシン初体験となったベルネは、1分25秒212がベスト。総合16番手に留まった。

トップ3ドライバー

トップタイム:
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
(TEAM IMPUL)

 今日は、ほとんどサスペンションのセットアップをしていたよ。特に、新しいことをやっていたというわけではなくて、今までとは少し違った合わせ込みというか。フロントとリヤのバランスをより良くしたいなと思っていろいろやっていたんだ。その中で、いい方向に行ったものもあるし、逆にダメだった物もある。ダメだったら、そこからまた戻してっていう感じで、反復テストを行っていたんだんだけど、とても有効なテストができたち思うよ。セットアップに関して、ある程度正確な答えが見つけられたからね。正しい方向を見つけられたから、とてもいいテストだった。エアロバランスもいろいろ試したしね。ただ、今日みたいなコンディションでレースすることはないから、すべてを正しく判断するのは難しいけどね。
 あとは、来年用の新しいスペックのタイヤも試したけど、グリップレベルは今までのものとそれほど大きくは変わらないと思う。ただ、路面に接地している感じが、今年の物よりはスムースなんじゃないかって思ったよ。温めるのは、来年用の方がより難しいって感じたね。あと、そのタイヤでタイムが上がったのも、コンディションがより良くなったっていう方が大きかったんじゃないかな。そのニュータイヤを履く前、ユーズドタイヤで24秒1まで出ていたから。それに最後に履いた今年用のタイヤのアタックでは、トラフィックにも引っかかってしまったから。それがなければ今年のタイヤで自己ベストを出せたと思うよ。明日は引き続きサスペンションのセットアップをする。今日できなかったことを試すつもりだよ。

2番手タイム:
No.2 中嶋一貴
(PETRONAS TEAM TOM'S)

 午前、午後とエアロ関係の確認やブレーキ関係など、比較も含めていろいろなテストをしました。午後に入ってからは、ロングラン中心にやっていましたけど、コンディションが良かったですし、風向きとかもタイムが出るような状況にあったので、そこそこタイムもでましたね。ちょっとJP(デ・オリベイラ)には(タイム的に)足らなかったですけど、まぁまぁいい1日だったんじゃないですかね。
 最後は新しいスペックのタイヤも試しましたけど、タイムはほとんど同じでしたね。今日のコンディションで、僕らのタイヤだと別に今年のタイヤでも全然イケちゃうような感じでした。でも、来年用のタイヤは来年用のタイヤで、いいところはありますし、そのいいところが悪さをして、ちょっと乗りつらかった部分もなくはないんですけど、タイムを見ての通り、別にそんなに大差ないのかなと思いました。来年のタイヤの方が少し低速域で粘りがあるんですけど、高速域はちょっと柔らかく出て、加重が安定しないような気はしましたね。明日はそのタイヤのロングランからスタート。だいぶ、クルマが煮詰まっているので、その他はこまごましたことをやる予定です。今年最後なのですし、身体にもいい負担がかかるので、トレーニングがてら楽しんで乗っています。

3番手タイム:
No.20 松田次生
(TEAM IMPUL)

 僕はリヤのジオメトリー(サスペンションの数値設定)をいろいろと試しました。シーズン中とは少し違う仕様を試していて、午後はそれに合わせて走りました。タイム的には、ちょっとJP(デ・オリベイラ)と(中嶋)一貴くんには及ばなかったんですけど、そのセットの中でいいところも見つかったので、いいデータは取れました。
 午前中はエアロもやりましたし、基本のセットアップでもいろいろやりましたね。JPと2人でメニューをシェアしながら。まぁ、こういうテストの時しか、できないことなので。シーズン中は、大きく振れないですし、振った状況でデータを取れれば、今後使えるか使えないか、次のテストで確認できるので。とにかく今日と明日は、今までやったことがないようなことをやって、データを取って、来シーズンの開幕前のテストではいいとこ取りをして、開幕を迎えたいと思います。
 手応えはありましたし、明日も違うアプローチからクルマを試すべく、メニューを組んでやっていきたいです。ただ、路面は良過ぎるんですけどね。とにかくいいデータを取れば、あとは優秀なエンジニアがそれを解析して、いいクルマを作ってくれると思います(笑)。

ルーキードライバーコメント

No.1 ジェームス・ロシター(PETRONAS TEAM TOM'S)

photo  このクルマはすごく楽しいね。高速区間ではすごくグリップもあるし、とても楽しく乗れたよ。僕にとっては新しいチャレンジだし、タイヤのことを理解するのはすごく難しかった。そこがすごく重要だったし、クルマのセットアップに関しても、いろいろ学ぶところがあった。何を変えたら、クルマの動きがどう変わるのかっていうことを学ぶのも、今日の大切なポイントだったから、とても興味深い1日になったよ。
 今日は、アンドレ(ロッテラー)のセットアップで走り始めて、そこからいろいろと変えていったんだ。僕はF1でのテスト経験が長いし、その経験を使って、チームと一緒にクルマのことを学んでいった。結局、一番最初の状態が一番良かったんだけど、テストの時間が少ないから、そういう風にクルマのことを学んでいくっていうのが、大切なんだよね。そういう意味では2時間を最大限に利用することができたと思う。
 ニュータイヤに関しては、完全に冷えたタイヤを履くっていうのが、初めての経験で、そこがすごく難しかったよ(笑)。最初の1周は、まったくグリップが無くて、レインコンディションの中で走っているみたいだったよ! その後、温まってきてからは、すごくグリップしたけどね。そこは、さらに学ばなければならないところ。最後にもう1セット、ニュータイヤを履いた時は、最初とバランスが違っていたし、トラフィックにもつかまってしまった。100Rでも1回オーバーステアで滑っちゃったしね。そういうのでタイムもロスしちゃったんだ。でも、ベストセクタータイムを合わせれば、1分23秒7は出ていたし、初めてとしては悪くなかったんじゃないかな。でも、もっとこのクルマに乗りたいよ!! とてもこのクルマは楽しいし、チームも素晴らしいから、また日本に来てテストしたいよね。

No.18 マシュー・ホーソン(SGC by KCMG)

photo  僕にとって、こんなに大きいシングルシーターのクルマに乗ったのは今日が初めてだった。すごくパワーも大きいし、ダウンフォースも出ているよね。でも、パドルシフトをはじめ、操作系はとても扱いやすかったよ。
 ただ、今日問題だったのは、シートポジションなんだ。今年レギュラーで乗っていた折目選手は、僕よりもだいぶ背が小さかったから、ペダルのポジションを動かさなければならなかったんだけど、それをちゃんと合わせ込むだけの時間がなかったんだよね。だから、シートを作った時に、何とかそれでやってみるよって言ったんだ。だけど、これだけパワーのあるクルマを運転しようと思ったら、もう少し快適なシートポジションが必要だった。体力的にはまったく問題なかったんだけど、シートポジションの影響で、ヘルメットが後ろから押されるような状況になっていて、わずか数周しただけで首に痛みを感じたし、10周しか走ることができなかった。もっと若い頃に首を1回傷めて、3ヶ月間休まなくちゃならなかったことがあったから、今日また首を傷めたくないと思ったんだよ。ただ、10周しかしていない状況で、富士を走ったのが2回目、しかも完全なルーキーということを考えれば、ラップタイムも悪くなかったと思う。もっと乗りたかったから、ちょっと残念だけど、また次回チャンスがあったら乗りたいし、将来的にスーパーフォーミュラやSUPER GTに乗りたい。その前に、F3で勝ちたいよね。