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2012-11-20 00:00:00

第3回公式合同テスト/富士 2日目レポート

No.19 デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が2日目もトップ
小林崇志、武藤英紀、カルダレッリらカムバックを狙うドライバーも走行

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 11月20日(火)、富士スピードウェイ(静岡県)では、昨日に引き続き今年の第3回フォーミュラ・ニッポン合同テストが実施された。2日目は、初日より1時間早い午前9時〜11時、午後1時〜3時という2回のスケジュールで、計4時間の走行が行われた。総合トップタイムをマークしたのはNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)。これにNo.20 松田次生(TEAM IMPUL)、No.2 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)と続き、年内最後の走行を打ち上げている。

午前は松田がトップタイム。好調のTEAM IMPUL

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No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)

 初日に引き続き、好天に恵まれた富士スピードウェイ。前日よりは少し寒さが和らぎ、午前9時の時点で気温は11℃、路面温度は14℃というコンディション。その中でセッションが開始される。参加車両は、昨日と同様、ホンダの開発車両も含めて18台。2日目のテストでドライブする予定だった今季全日本F3チャンピオンの平川亮が、マカオグランプリでの負傷により参加を断念したため、Team LeMansの7号車は走行を見送っている。
 ピット出口がオープンされると、多くのマシンがすぐにコースイン。レギュラー陣営は、昨日から続くテストメニューに入る。また、この日は初日ドライブしていない選手たちも参加。HP REAL RACINGは、昨日の塚越広大から代わって武藤英紀が、TEAM 無限の15号車は初日を担当した中山友貴に代わって小林崇史が、Project μ/cerumo・INGINGはレギュラー陣に代わり、38号車に大嶋和也、39号車に中山雄一が、それぞれ乗り込む。また、DOCOMO TEAM DANDELION RACINGは、午前中のセッション序盤、41号車に伊沢拓也が乗り込み、マシンの状態を確認。伊沢はその後、自らのクルマに乗り換えた。  このセッション序盤から、昨日と同様、好タイムを出したのは、ベテラン勢。走り出して間もなく、No.19 ジョアオ・パオロ。デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)が1分24秒615、No.20 松田次生(TEAM IMPUL)が1分24秒713をマークして、上々の滑り出しを見せる。しかし、間もなくセッションは赤旗によって中断。これはルーキーのNo.39 中山雄一(Project μ/cerumo・INGING)がプリウスコーナーでクラッシュしたため。このマシンの回収が終わると、9時15分にはセッションが再開された。その直後には、松田が1分23秒976と、早くも23秒台に入ってくる。だが、開始から25分、2回目の赤旗提示。今度はNo.1 リチャード・ブラッドレー(PETRONAS TEAM TOM'S)が同じくプリウスコーナーでスピン、ストップしてしまった。

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No.15 小林崇志(TEAM 無限)

 このマシンの回収が終わり、セッションが再開されたのは午前9時29分。そこからは各自テストに戻り、デ・オリベイラが早々に1分23秒873までタイムアップしてトップに立つ。その他、セットアップを進める選手、慣熟走行を行う若手、また昨日使用した来季用スペックタイヤのロングランを行う選手と、それぞれ作業は分かれた。
 そして、セッション終盤に入ると、ニュータイヤを投入。松田が1分23秒809というタイムをマークし、デ・オリベイラを上回ってトップに立った。また、このセッションで来季用のニュースペックタイヤを使いアタックを行ったNo.8 石浦宏明(TEAM KYGNUS SUNOCO)が、1分24秒099をマークし、セッション3番手につけている。

復帰を目指すカルダレッリが好タイムを記録

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No.1 アンドレア・カルダレッリ(PETRONAS TEAM TOM'S)

 2時間のインターバルを経て、2回目のセッションが開始されたのは、午後1時。よく晴れた影響で、気温は15℃、路面温度は20℃まで上昇。セッションが開始されると、午前中3番手だった石浦は、新スペックタイヤでロングラン。その他、レギュラー陣営も、セットアップやロングランを行った。また、午後にはPETRONAS TEAM TOM'Sの1号車に、アンドレア・カルダレッリが搭乗。朝一番に中山雄一がクラッシュしてしまったProject μ/cerumo・INGINGのクルマは修復を完了したが、午後はレギュラーの国本雄資が乗り込んでいる。セッションは概ね順調に推移。残り30分あまりというところで、No.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)がプリウスコーナーでスピンし、一旦赤旗が提示されるが、マシン回収を終えると素早くセッションは再開。  このあたりから、多くのドライバーが2セット続けてニュータイヤを投入し、最後のタイムアタックシミュレーションを行った。ここで午前中のタイムをコンマ4秒ほど上回るトップタイムをマークしたのは、オリベイラ。松田が2番手、一貴が3番手で続く。さらに、石浦、伊沢と続き、No.3 安田裕信(KONDO RACING)が6番手。1年ぶりにフォーミュラ・ニッポンをドライブするカルダレッリも1分23秒983と、ブランクを感じさせない走りで7番手に滑り込んだ。また今回注目されたNo.41 ジャン・カール・ベルネも2日目に入って大きくタイムを伸ばし、1分24秒750までタイムアップ。総合13番手でセッションを終えている。

トップ3ドライバー

トップタイム:
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
(TEAM IMPUL)

 今日は、より多くのバリエーションのセットアップを試したし、よりメカニカルグリップを稼ぐ方向でいろいろテストをしたよ。今までやってきたセットアップとは、大きく違うことも試してみたよ。その中で、昨日と同じように、いいところもあったし、悪いところもあった。でも、来季のシーズンに役立つと思う。もちろん、今回のテストでは路面のコンディションが良過ぎて、どんなセットアップを施してもタイムが出てしまうから、セットアップに関して簡単にミスジャッジをしてしまう可能性がある。そこには気をつけたよ。でも、その中で、非常に大切なことがいくつか見つけられたし、この進歩に関してはハッピーだ。昨日は、今日よりも少し気温が涼しかったから、今日の方が少しだけグリップが低かったと思う。でも、その中で、昨日使った来季用のタイヤとあまり大きなタイム差はなかったし、良かったんじゃないかな。午後は2セット、ニュータイヤを使ったけど、セッション中盤に1セット入れた時は、目の前でスピンしたマシンがあって、赤旗が出ると思ったからすぐにピットに戻ったんだ。でも、最後のニュータイヤではクリアラップが取れたから、トップタイムを出すことができた。あと、今日は来季用タイヤのロングランもしたけど、今年のタイヤと比べたらグリップの落ちが少ないし、すごく安定していた。今年の物よりは性能がいいと思ったし、ロングランでもクルマのバランスは変わらなかった。だから、すごくいいタイヤだと思ったよ。オーバーテイクできるかどうかっていうことに関しては、難しい。ひょっとすると今まで以上に難しくなるかもね。グリップが落ちなければ、誰もミスしなくなるし、タイヤマネージメントも今までほど重要ではなくなるから。もっとグリップが落ちるタイヤだと、ドライバーがいかにタイヤを保たせられるかっていう部分で、もっとオーバーテイクのチャンスが増えると思うんだけどね。

2番手タイム:
No.20 松田次生
(TEAM IMPUL)

 今日もジオメトリーとかダンパーとか、いろいろテストをして、いい方向が見つかったので、午前中は良かったですね。午後は、JP(デ・オリベイラ)とはまた違うことを試していたんですけど、その中で、いいものが見つかったと思います。午前中には、昨日JPが1度アタックしたニュースペックのタイヤを僕が履き、昨日僕が1度アタックした今季用のタイヤでJPがアタックしてという比較もしましたけど、ニュースペックタイヤの方がレベルはかなり高い感じでしたね。昨日は気温が低過ぎて、あまりタイヤが発動しなかった部分もあるんじゃないかと思いますけど、今日は路面温度が少し高かった分、2種類のタイヤで差が出たんじゃないかと感じましたね。新しい方が、グリップは高いですし、落ちも少ないです。かなり手応えがありました。午後の最後には、今季用のニュータイヤで行きましたが、2周目に行けていたらもっとタイムが出ました。でも、自分でダンロップコーナーに入って行く時、シフトダウンのタイミングでギヤが入らないっていうミスがあったので。セクター2まではJPに勝っていたので、悔しかったですね。ただ、このテストで、そういうミスをしたことで、なぜそうなってしまったのかということも分析できますし、本番ではキッチリ合わせられるようにがんばります。

3手タイム:
No.2 中嶋一貴
(PETRONAS TEAM TOM'S)

 午前中はニュースペックタイヤのロングランをしましたが、感触は良かったです。グリップが落ちてきた時に、今までのタイヤは加重をしっかりかけてあげないと、ツルツル滑っちゃって全然ダメな感じのタイヤだったんですけど、新しいタイヤの方が、割と加重がかからなくても、タイヤ自体がそれなりにグリップしてくれるような感じです。ニューの時は、そんなに違いを感じませんでしたけど、今朝はあまり路面が良くなくて、グリップが落ちる状況の中で走っている限りは、新しい方が「アドバンテージがあるかな」という風には思いました。オーバーテイクに関しては、今までのタイヤは風が当たっていないと全然ダメだったんですけど、ニュースペックの方がしいて言えば風が当たっていなくてもグリップしているので、多少は違ってくるかもしれません。難しいのは難しいと思いますけどね。午後はまた違うことをいろいろトライしました。ジオメトリーや空力関係のテストをしました。その中でいい部分もあったと思いますけど、どっちにしてもほんのちょっとなので。でも、改めていい部分は確認できたと思います。午後は最後にニュータイヤを2セット入れましたけど、コンディションもポンポンと良くなって、クルマのバランスにも追い付いてきました。昨日のデータを見ると、少しずつ足りないところがあったので、そこがトップとの差だったかなとは思いますけど。いい1年が送れたと思いますし、最後もいいところで終われたので、いい締めくくりになったんじゃないかと思います。

話題のドライバー

ホンダのSysten-Eテスト車両をドライブ

No.40 伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

photo  僕は、昨日の午後、比較テストでホンダのテスト車両に乗りました。このテスト車両は、普段乗っているクルマよりは70㎏近く重いからどうかな…と思っていたんですけど、いざ乗ってみると、クルマの動きとしては、普段乗っているクルマと結構変わらないような動きでした。ただ、パッと乗った感じ、同じように走ってもタイムは出ないです。それは重さの部分と、あとは回生(ハイブリッドの発電)が入る中で多少クルマのブレーキングの効きが変わったりだとか、アシストが入るところで多少ホイールスピンが多くなったりだとかあるんですけど。でも、乗った感じは思ったより普通で、逆に普段のレースで同じ70㎏のガソリンを積んだとしたら、その時の方が、クルマの変化量は大きいという感じ。それぐらい普通のクルマでした。

他チームのマシンをテストドライブ

No.10 塚越広大(HP REAL RACING)

photo  僕はもともとこのチームにいて、ダンディライアンに移ったんですけど、いろいろな流れもあり、この10号車のパフォーマンスを上げるために、貢献できればということで、今回はREAL RACINGでテストすることになりました。昨日1日乗りましたが、僕がもともと10号車に乗っていたので、それが今の10号車とどう違うか確認したり、今年の41号車との比較をしていいとこ取りをしたりというテストを行いました。最初にパッと乗ったところで、41号車と10号車はまったく別のクルマという感じでしたね。乗りやすさはすごくあって、コースインしてすぐは、いいのかなと思ったんですけど、タイムを出しに行った時には、信じて攻められる感じがないというか、不安定な感じがあったので、それを修正しながらという感じでしたね。1日では足りなかったですけど、僕なりにはいろいろやれたので、すごく充実していました。チームの方でも、来季に向けて良いデータを取れた、方向性も見えたと言ってくれていたので、いいテストになったんじゃないかと思います。2日目は、武藤さんがその続きをやってくれましたし、ドライバーが違った状態でどんな感じかということも試していたと思います。昨日走り終わった後のデータを見て、“ここを直そう、あそこを直そう”っていうこともやりました。僕は、今日は少しエンジニア的な感じで、武藤さんのコメントを聞いて、次に何やるかということについてのアドバイスなどをさせていただきました。

ルーキードライバーコメント

No.1 リチャード・ブラッドレー(PETRONAS TEAM TOM'S)

photo  このクルマは、ホントに素晴らしいね。最初にピットロードから出て、アクセルを踏み込んだ時には、“こんなに速いの? みんなこのクルマでどうやってレースしているの?”って思ったんだけど、2〜3周走ったらスピードやパワーに慣れることができたし、ドライブを楽しめた。昨日と今日で2セッション走ったんだけど、いくつかセットアップを試して、チームのためにデータ取りをしたけど、すべて上手く行ったと思う。そういう機会を与えてもらえて感謝しているよ。あと、昨日のセッションの最後にはニュータイヤを履いたけど、その時はかなりいいアタックができた。だから今日、もう1セット、ニュータイヤを履いた時にはもっとプッシュした。だけど、その時にはプッシュし過ぎて、逆にタイムが出なかったんだ。ユーズドタイヤのタイムで8番手だったから、ちょっとイライラするよね。ニュータイヤで上手くタイムを出すことができたら、4〜5番手には行けたと思うし、ショックだったよ。でも、事前に首を鍛えるトレーニングをしていたのも役に立ったし、テスト前にはJP(デ・オリベイラ)にいろいろ教えてもらったんだけど、そのことにもものすごく感謝している。特に、昨日初めてニュータイヤを履いた時に、彼のアドバイスが役立ったよ。すごくいいテストができたと思うし、僕のドライビングスタイルは小さなパワーのクルマよりもこういう大きなクルマに合っていると思う。

No.41 ジャン・カール・ベルネ(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)

photo  クルマはとても気に入ったよ。ダウンフォースも大きいし、パワフルだし、音も素晴らしい。でも、昨日はとても難しかったね。まずはサーキットを学ばなければならなかったし、このクルマはとても速い。それに全体のレベルも高いから。そこで1日学んで、進歩することができたし、今日のテストは良かったと思う。最初に履いたニュータイヤでは、他の経験あるドライバーたちとコンマ数秒しかタイムが変わらなかったし。2セット目は、一番アタックしている時に、残念ながらトラフィックに捕まってしまってタイムを伸ばせなかったけど。ちゃんとアタックできていれば、あとコンマ5秒ほどはタイムを出せたはずだから、残念だった。でも、そこまでは、チームメイトの伊沢さんとのタイム差もそれほど大きくなかったし、今回のテストはハッピーだった。もちろんコースも初体験、クルマも初体験だと、いきなりトップに来るなんて、難しいって分かっていた。だから、昨日は少しトップから離れていたけど、今日はそこに近づくことができたし、悪くなかったと思うよ。もちろん、もう少し時間が必要だとも思うけどね。ロイック(デュバル。同じフランス人)のアドバイスはとても役に立ったけど、実際にドライブし始めてからは、それ以上に頭を使わなくちゃいけない部分があって、ちょっと混乱したよ。ここ3年シングルシーターに乗っていなかったし、今年乗っていたポルシェはうんと遅くてダウンフォースもなかったからね。その状況で来て、1日半でここまで来られたんだから、良かったと思う。