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2013-03-04 00:00:00
第1回公式合同テスト/鈴鹿 1日目レポート
驚異的タイムで小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が最速!
スーパールーキー平川が6番手!! なんと16人がレコードタイムを上回る。
No.32 小暮卓史
鈴鹿サーキットの「モータースポーツファン感謝デー」から一夜明けた3月4日(月)、スーパーフォーミュラと名称を新たにした国内最高峰フォーミュラカーの轟音が、好天の青空に響いた。午前と午後、2回の走行でトップタイムを記録したのは、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。そのタイムは鈴鹿のコースレコード(1分38秒700)を2秒近く更新する1分36秒803、ただ一人の36秒台だった。今年初の公式合同テストは、明日5日まで行われる。
No.8 ロイック・デュバル
No.40 伊沢拓也
■ホンダ勢が好調!午前はトップ4を独占
今季、タイヤスペックが新しくなり、よりスピードを増した国内トップフォーミュラと、参加ドライバーたちは前日のファン感謝デーで行われたエキジビションレース「ラウンド0」で激走。だが、この時発生した多重クラッシュの影響で、今回No.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset Motorsports)は、テスト欠席を余儀なくされ、参加車両は18台。ドライバーとしては、今季スポット参戦となるNo.15 佐藤琢磨(TEAM無限)、No.02 ジェームス・ロシター(PETRONAS TEAM TOM'S)、No.08 アンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)らも含め、20名が参加している。
テスト初日は、風が冷たかったものの好天に恵まれる。セッションは、午前10時30分から午後0時30分、午後3時から午後5時。計4時間で行われ、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が、これまでのコースレコードを2秒近く上回る1分36秒803を叩き出して、久々の総合トップタイムをマークした。これに続いたのは、No.8 ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、昨年からの好調を維持して今回も走り始めから常に上位に付けていたNo.40 伊沢拓也(DANDELION RACING)が3番手でセッションを終えた。
午前10時半、気温9度、路面温度15度というコンディションの中で、セッションが開始されると、間もなくほとんどのマシンがユーズドタイヤでコースインしていく。今回は、各ドライバーに、昨日のファン感謝デーで1セット、ニュータイヤが提供された他、テストの2日間で最大6セットまで、ニュータイヤの使用が可能となっている。このタイヤは、昨年11月の富士テストから変更された今季スペックで、フロントタイヤの構造が今までの物とは違っている。また、前後ともにコンパウンドを変更。グリップが上がっていると同時に、耐摩耗性も向上しており、各チームともにこのタイヤに合わせたセットアップを進めるのが、今回のテストでも最も重要な作業となった。
さて、セッションが始まって20分あまりが経過すると、まず1分38秒台に入ってきたのは、小暮。小暮は、昨日のエキジビションレースで、他のマシンに追突され、クラッシュしており、ピットアウトした段階で、すでに1セット目のニュータイヤを投入したが、走り始めから好調さを維持。セッション終盤には、もう1セット、ニュータイヤを投入して、さらにタイムアップしている。一方、チームメイトのNo.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)も好調。大祐は、開始から約45分というところでニュータイヤを投入すると、1分37秒993と、真っ先に38秒を切り、チームとして上々の滑り出しを見せる。この後、セッションが半ばを過ぎると、大祐のタイムを上回ってきたのは、伊沢。No.16 山本尚貴(TEAM無限)も、1分38秒049をマークして、ポジションアップ。結局、伊沢、小暮、大祐、山本とトップ4をホンダエンジン勢が占めた状態のまま、セッションは終了した。これに続いたのは、デュバル。デュバルは、セッションの残り時間が30分を切ったあたりでニュータイヤを投入すると、1分38秒189をマークして、トヨタエンジン勢のトップにつけた。タイムアタック以外の部分では、各チームとドライバーが、持ってきたセットアップのメニューを消化。またルーキードライバーは、慣熟を含めた走り込みを行うなど、それぞれの作業を進めて行く。これに対して、充分な走り込みができなかったのは、No.18 リチャード・ブラッドレー(KCMG)。やはり昨日の多重クラッシュに巻き込まれていたブラッドレーのマシンは深夜までかかって修復されたが、今朝走り始めると、さらに深刻なトラブルが発見される。それを修復するため、わずか5周したところでピットに戻ると、その後の走行を見送った。
No.16 山本尚貴
No.1 中嶋一貴
■ラストに小暮がスーパーアタックを決める!!
2時間半のインターバルを経て、午後のセッションが始まったのは、午後3時から。ここで、PETRONAS TEAM TOM'Sの2号車はドライバーを変更。午前中、ステアリングを握ったアンドレ・ロッテラーからロシターがバトンを受け取り、その後のテストを担当する。このセッションは、気温11℃、路面温度15℃というコンディションの中で開始。最後は夕やみ迫る中での走行となった。このセッションでは、さらに多くのドライバーたちがタイムアップ。まずはNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)がユーズドタイヤで1分38秒169というタイムをマークする。これに続いて、No.20 松田次生(TEAM IMPUL)もニュータイヤで1分37秒台に突入。小暮はユーズドタイヤで1分37秒608をマークするなど、見る見るラップタイムが上がっていた。
そんな中、セッション半ばにニュータイヤを投入して、1分37秒383までタイムを伸ばしてきたのが、伊沢。伊沢はこの後、セットアップ作業を進めると同時に、15周のロングランも行うなど、順調にテストを消化して行った。そして、多くのドライバーたちは、セッション終了間際にニュータイヤを投入。
ここで、さらに大きくタイムを伸ばしてきたのが小暮だった。この段階までトップに立っていた伊沢のタイムが、これまでのコースレコードを約1秒半上回るものだったが、小暮はそこからさらにコンマ5秒縮めて、1分36秒803をマーク。ただ一人、37秒を切った。これに続いたのは、やはり最後にニュータイヤを投入したデュバル。デュバルも伊沢のタイムをコンマ1秒上回り、1分37秒245までタイムアップしている。これに対して、伊沢は最後、ニュータイヤを使用せず。だが、マシンの仕上がり的には十分トップに立てる手応えを感じていると言う。さらに、4番手に山本、5番手にNo.1 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)と続き、何と6番手に滑り込んできたのはルーキーのNo.7 平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)。平川はスーパーフォーミュラでは鈴鹿初走行ながら、期待以上の速さを見せて、周囲を驚かせた。
合同テストは、5日も引き続き行われるが、セッションは午前10時から正午、午後2時から4時という計4時間。今日に引き続き、明日も好天の予報だが、さらなるタイムアップはあるのか? 大いに注目される。
No.7 平川 亮
No.31 中嶋大祐
■トップ3ドライバーコメント
テスト1日目トップタイム
No.32 小暮卓史 (NAKAJIMA RACING)
2番手タイム
No.8 ロイック・デュバル (KYGNUS SUNOCO Team LeMans)
3番手タイム
No.40 伊沢拓也 (DANDELION RACING)