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2013-07-11 00:00:00

2014年のニューマシン“SF14”が富士でシェイクダウン

第3戦富士でも走行の予定。トヨタとホンダの計2台が順調に走行を重ねる

 第3戦富士(7/13,14)を目前に控えた7月10日。富士スピードウェイで2014年より使用される新型マシン“SF14”の開発テスト第1回目が行われた。好天に恵まれた富士に登場したのは、2台のSF14だ。それぞれトヨタとホンダの新エンジンを搭載しており、現行のV型8気筒3.4リッター自然吸気に代わる直列4気筒直噴ターボの開発テストも兼ねている。
 この日は、ダラーラ社によって製作されたシャシーと新エンジンを組み合わせて走行する初めての日。いわゆるシェイクダウンであった。テストは11日まで。

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 SF14の開発コンセプトは“クイック&ライト(俊敏&軽量)”であり、現行のSF13に較べると確かにその姿はスリムでシャープ。また、新エンジンが非常にコンパクトなため、シャシーもサイドポンツーンからテールへの絞り込みが滑らかに鋭く、より空力性能が向上しているとうかがわせる。
 車両の空力を突き詰めるとバトルの際に後続車の挙動が乱れる傾向があり、レースのおもしろさをスポイルすることが指摘されている。そこで、SF14では全長を延ばし、ハイノーズにするなどグランドエフェクト(車体下面を利用した空力性能)を高める一方、後続車への空力影響を軽減するリアウィングなどを採用するなどしている。
 車体重量もコンパクトになったエンジンとシャシー、そしてカーボンブレーキの採用などでSF13より60kg軽い650kgとなった。コンセプトの“クイック&ライト”が実現されており、来季はさらにおもしろいバトルが観られそうだ。
 このシェイクダウンに合わせて来日したダラーラ社のチーフデザイナー、ルカ・ピニャータ氏は「車両の特徴ですが、JRPよりリクエストされた“クイック&ライト”に加えて4つあります。まず我々は第一に安全性能の高さを追求しています。そして、これもリクエストだった650kgという軽量を実現したこと。これはF1を含めもっとも軽いトップフォーミュラだと思います。私たちとってもチャレンジングな仕事でした。そしてダラーラ社の経験と技術を活かした高い品質もあります。最後にはイタリアン・デザイン。とても良いでしょ(笑)」と、笑顔で語ってくれた。この他にも将来の導入が検討されるハイブリッドのSYSTEM-Eに対しても重量バランスや空力面に影響なく搭載できるよう配慮されていることも付け加えていた。

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 さてテスト走行の方だが、午前は10時から12時までの2時間、午後は14時から16時までの計4時間で行われた。テストカーのステアリングを握るドライバーは、トヨタが中嶋一貴、ホンダは伊沢拓也が担当した。
 午前は、開始と同時に両車がピットを後にするが、ストレートを通ることなく、すぐにピットに戻る。まっさらの新型車でもあるだけに、その後どちらももこのような走行を数回繰り返した。ホンダではパドルシフト関係のトラブルがあったとのことで、最初の走行から1時間近く整備・調整を行っていた。TOYOTAテスト車も連続走行ができたのは、残り45分を過ぎてから。セッション終了近くには数周の連続走行を行い、1分32秒174のベストを記録した。
 午後は、両車ともいよいよ本格的な走行に入った。両車が交互に数周は走ってピットインを繰り返し、2時間の走行時間をフルに使う。ただ中嶋一貴によると「クルマはまだまだ手探りという状態ですね。ターボは効く範囲に入ると非常にパワフルでした。そこの扱いやすさも1日走っていたら慣れてきましたね。ただ、素直に走れるか、何の問題もないと言えるかというと、まだそこまで行ってませんね。ドライバーもだいぶ安全運転でした。壊してはいけないですしね(笑)」とタイムやライバルとの比較のレベルではないことを強調した。この日のベストタイムは1分29秒157(開始45分ころ、午後通算11周目)。その後もトヨタテストカーは、コンスタントに1分31〜32秒台のラップで周回し、この日の走行を終了した。
 トヨタの永井洋治プロジェクトリーダーは「今回はシェイクダウンですから、いろいろな問題の洗い出しです。イタリアではホントに火入れだけでしたから。タイムはシフトが手動ですし、ブレーキングも超安全方向ですから、タイムどうこうという問題ではありません。片付ける問題がまだあるので、エンジンも9割も(実力を)出せてません。まだまだタイムは伸びますよ、明日もいろいろ試したいと思いますし。スケジュールとしてはオンタイム、完成度としては8割くらいかな」と、シェイクダウンとしてはまずまずの手応えという表情だった。

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 ホンダテストカーも時間を追う毎にラップタイムが縮まっていき、最終的には1分31秒699(通算19周目)を刻んだ。テスト後、伊沢はSF14の感想を問われると「さすがダラーラというか、走り始めからフィーリングが良かったです。あと、車体が軽くて扱いやすかった。今度の富士から乗りたいくらい(笑)。高速のコーナーはやはりダウンフォースの大きいSF13が速いですが、ダウンフォースが少ない第3セクターではSF14の動きが軽くて、もうSF13より速く走っているって感じでした。個人的にはターボのフォーミュラが初めてなことやカーボンブレーキ、(フライ・バイ・ワイヤになった)スロットル系など慣れるべきところも感じました」と、SF14に対しの好感触を語ってくれた。
 ホンダの坂井次典プロジェクトリーダーはテストを終え、「エンジン、ギアボックスなどそれぞれ単独のテストベンチでテストしてきましたが、電装系も含めクルマに搭載して走るのは今日が初めて。午前中はシフトができないというトラブルが出てしまってあまり走れませんでした。午後はそこを直して走ることができました。カヤバさんのフォーミュラ用のパワステやフライ・バイ・ワイヤ式のスロットルも試してデータを煮詰めることができました。ただ、まだ今日の時点では車体のパフォーマンスを語るまでには行っていないので、伊沢選手にはフラストレーションが溜まったかもしれませんね。明日から少しずつ車体の性能の確認もしていきたいと思います」と、苦労の1日ながら今後の可能性を語った。

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■SUPER FORMULA "SF14" スペック (2013.7.10現在)
○シャシー
車両開発コンセプトQuick & Light(俊敏&軽量)
車両製作ダラーラ・アウトモビッリ社(イタリア)
全長5268mm
ホイールベース3165mm
全幅1900mm
全高950mm
重量650kg(ドライバー搭乗時)
ギアボックスリカルド社 前進6速、ザイテック社 パドルシステム
ブレーキブレンボ社 キャリパー、ブレンボ社 ディスク(カーボン製)
フロントタイヤブリヂストン社 235/55R13
リアタイヤブリヂストン社 340/620×13
モノコックアルミ/ノーメックスハニカム入りカーボン/ザイロン複合材コンポジット
ボディワークノーメックスハニカム入りカーボンコンポジット
ステアリングシステムカヤバ社 電動パワーステアリングシステム
フロントサスペンション形式プッシュロッド トーションバースプリング
リアサスペンション形式プッシュロッド
安全基準FIA-2010 F1規定に基づく

○エンジン
エンジン製作本田技研工業株式会社
トヨタ自動車株式会社
気筒数直列4気筒
燃料噴射システムダイレクトインジェクション
過給器ターボチャージャー(ワンメイク)
排気量2000cc
出力550hp
重量85kg
出力制限方法燃料流量制限の実施


○2013年のSF14テストスケジュール
第1回  7/10,11  富士スピードウェイ
第2回  7/31,8/1  ツインリンクもてぎ
第3回  9/11,12  鈴鹿サーキット
第4回  9/30,10/1  スポーツランドSUGO
第5回  11/7,8  鈴鹿サーキット