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2016-03-31 00:00:00
岡山テスト初日はNo.16 山本尚貴がトップタイム
第2回公式合同テスト 1日目 岡山国際サーキット
山を彩る桜がそろそろ見頃を迎えようかという3月31日(木)〜4月1日(金)。岡山国際サーキットでは、全日本スーパーフォーミュラ選手権シリーズの第2回合同テストが行われた。薄曇りとなった初日は、午前・午後合わせて5時間のセッションが行われ、各チーム、各ドライバーともに、ヨコハマタイヤで走る初めての岡山に対してセットアップの合わせ込みを実施。セッション最後には、ニュータイヤでの予選シミュレーションも行われ、山本尚貴が総合トップタイムを奪った。
朝方は、うっすらと霧が立ち込めた岡山国際サーキット。しかし、セッション開始の1時間ほど前からは薄日が差し、温かなコンディションとなった。この日のテストセッションは、午前9時30分から午前12時、午後2時から午後4時30分の5時間。前回の鈴鹿テスト初日に、午後のセッションがキャンセルされたため、通常よりも長いセッションが設定された。参加したのは、レギュラー陣の19台に加え、武藤英紀がステアリングを握ったNo.05ホンダテストカーの計20台。各ドライバーは2日間で、前回の鈴鹿から持ち越したユーズドのスリックタイヤ2セットと、ニュータイヤ6セットを使用することができる。また、レインタイヤに関しても、チームが保持しているユーズドタイヤに加え、各ドライバーに4セットずつニュータイヤが用意されている。
さて、気温16℃、路面温度20℃というコンディションの下、ピット出口がオープンされると半分ほどのドライバーが、間もなくコースイン。約10ヶ月ぶりに走る岡山というだけでなく、ヨコハマタイヤで初めての走行ということで、各車セッション序盤からセットアップメニューを精力的にこなしていった。
しかし、このセッションは5回も赤旗が提示される荒れ模様。まず開始から32分というところで、No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)が、バックストレート先のヘアピンでコースアウト。マシンの回収が終わり、午前10時15分にセッションが再開されると、その20分後には、No.3 ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が2コーナー先でコースアウト、クラッシュ。マシンの回収が終わり、午前10時50分にセッションは再開されたが、そのわずか10分後には、「止まり切れなかった」というNo.8 小林可夢偉(SUNOCO Team LeMans)が1コーナー先でコースアウト。3回目の赤旗が提示された。
その後、可夢偉のマシンの回収が終わり、午前11時08分にセッションが再開されると、続いて飛び出したのは、No.37 中嶋一貴(VAMTELIN TEAM TOM'S)。この日、SF14では岡山初走行となった一貴がプッシュし過ぎて、最終コーナーでスピン、ストップ。またしても赤旗が提示される。
しかし、それ以外の時間帯では、各ドライバーが次第にタイムアップ。一貴のスピンアウトによる4回目の赤旗直前には、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)が、いよいよ1分13秒台に突入してきた。この流れは、セッション終盤に向けて加速。各ドライバーがニュータイヤを投入。No.40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.65 ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING)、No.36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)らが次々と13秒台のタイムをマークした。
ところが、残り時間が15分となった午前11時45分に、5回目の赤旗が提示される。これは、No.4 ウィリアム・ブラー(KONDO RACING)がバックストレートエンドあたりでスピンし、ストップしたため。この頃、各ドライバーは、セッション締めくくりのニュータイヤを装着しようとしていたタイミングだった。そこで、午前12時終了予定だったセッションは、5分延長が決定。ブラーのマシンの回収が終わって、午前11時54分にセッションが再開されると、多くのドライバーが予選シミュレーションへと向かった。ここで、一時トップに立ったのは、ロッテラー。ロッテラーは、最後の赤旗前にもセクターでは全体ベストをマークしていたが、アタックの途中で赤旗が出て仕切り直しのアタック。ここで、1分13秒466までタイムを伸ばしてきた。それを一気に抜き去り、トップタイムを書き換えたのは、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)。オリベイラは1分13秒228までタイムを伸ばし、ロッテラーにコンマ2秒余りの差をつけた。3番手には、やはり最後に自己ベストを更新した山本。以下、野尻、バゲット、一貴、前回の鈴鹿から好調なNo.2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)と続いている。
そこから2時間のインターバルを経て、2回目のセッションが始まったのは、午後2時から。ランチタイムには日が差し、汗ばむようなコンディションとなったが、セッション開始の頃には再び曇り空となり、少し肌寒いコンディションとなった。
セッションが開始されると、すぐに半分ほどのドライバーがコースイン。その後、セット変更などを行っていたドライバーたちも次第にコースへと入って行った。その中で、序盤から好タイムを刻んだのは、バンドーン。午前中はコースに慣れる作業が中心だったが、午後からはプッシュし始め、一時はトップに立った。その後、セッション開始から約1時間という時点で、セッションのトップタイムを書き換えたのは、山本。山本は28周目に、1分13秒608と、午後最初に14秒を切る。さらに、その30分後には、山本が自己ベストを更新している。
このセッションは開始からほぼ2時間、全く赤旗で中断されることなく進行。各チーム、ドライバーは、テストメニューに専念することができた。しかし、午後3時54分には、赤旗が提示される。これは、パイパーコーナーで野尻がスピンし、コース上にストップしたためだ。だが、短時間でマシンは回収され、午後4時にはセッションが再開。ここからの残り30分、ルーキーをはじめ何人かのドライバーはニュータイヤを2セット、立て続けに投入。一方、ベテラン勢は、ギリギリまでセットアップの煮詰めを行い、残り10分を切ったところで、ニュータイヤを装着してコースに出た。
ここで、またしても速さを見せたのが、山本。山本は最終セクターでトラフィックに引っ掛かったものの、1分12秒902と、ただ一人13秒を切るタイムを叩き出し、初日を総合トップで終えた。これに続いたのは、昨年合同テストと実際のレースを欠場した一貴。一貴のタイムは、午前中のオリベイラのトップタイムにはわずかに及ばず、総合3番手。さらに、バンドーンが午後の3番手、総合で4番手と続き、期待通りのポテンシャルを見せた。そのバンドーンは、テスト2日目は、残念ながら欠場。明日は、19台が走行することになる。終日、雨絡みとなることが予想されているが、どんな結果となるのか。開幕前、最後の走行ということで、楽しみなテストとなりそうだ。
ドライバーコメント
1日目総合トップタイムNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)
今日、ドライでやりたかったメニューはかなりこなせましたし、持ってきたところで、走ってみないと自分たちの思い描いているようなクルマのキャラクターになるかどうかは分からなかったので。走ってみてのキャラクターを確認して、そこからセットメニューを消化したのにプラス、今のコンディションに合わせてクルマの変化を見たというところですね。明日は雨の予報ですが、ウチのクルマは雨が余り得意じゃないので、やりたいことは山ほどありますね。ドライでは、今日これだけ上手く走れたので、ウェットでもいいセットを見つけて。ドライでもウェットでも速いクルマを作ることがここでできたら、鈴鹿の開幕戦もいいところに行けると思います。
1日目総合3位
No.37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)
今日のテストは、バランスを取るところから始めて、それが取れた中でどうやったらグリップがもっと出せるかというところを色々やっていました。でも、正直、ピンと来る手応えは得られていないという状況でした。明日は雨になりそうですが、雨なら雨で去年までとはやはりタイヤが違うので、そのタイヤでどうすれば上手く走れるかっていうところは探って行かなければならないと思っています。
1日目総合4位
No.41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)
予選のシミュレーションも上手く行ったね。去年GP2で僕が使い慣れていたピレリとはだいぶ違うから、ヨコハマタイヤに慣れなくちゃいけない部分は残っているよ。ヨコハマは、とてもグリップが高くて、ピークがあるタイヤだと思うから。だけど、みんなも今年からヨコハマを使うことになったわけだし、条件は同じだからね。これまでのテストを見ていて、各ドライバーのタイムを見ると、ものすごくタイトな予選、ものすごく接近戦のレースになるのは間違いない。参加している全員がプロだし、経験豊富なドライバーも多い。だから、常にトップ争いは僅差になるし、ちょっとでもミスしてコンマ1〜2秒ロスしたら、トップ10にも残れない。だから、すべてを完璧にしなければならないし、そうしないといいリザルトは残せないよね。でも、今まで乗ったどんなクルマよりも速いし、コーナースピードは高いし、楽しんでいるよ。最初のレースが楽しみでたまらないね。