ドライバー:大嶋 和也
2年ぶり、SF14での実戦は2度目、ヨコハマタイヤでは初めてのオートポリスでしたが、全体としての印象はいかがでしたか? やっぱり○○なコースだな…とか、初めて、あるいは久々なので「こういうところか」と思ったとか、それに対してうまくいった/いかなかった、悩んだ、オモシロかった、やった!と思った…などなど、自由回答でお願いします。
This was my first time at Autopolis, my first impressions were that it was an awesome circuit, very challenging for the car and driver, especially the last part of the lap where the turns all lead one to the next, so the driver has to be very precise. My thoughts before the race was that overtaking would be very difficult because turn 1 is too fast (too short braking) and that a slow combination turn 1 / turn 2 would was required. In fact both of our cars made passes into turn 1 during the race and others as well.
私にとって初めてのオートポリス、その最初の印象は畏敬の念を覚えるようなサーキット、クルマとドライバーの両方にとってチャレンジングで、とりわけ周回の後半部分はひとつのコーナーが次へと連なり、ドライバーはきわめて正確に走ることを求められる…というものでした。
レース前に私は、1コーナーは速いコーナーでブレーキングが短く、2コーナーに向けて速度を抑えて行く必要があるので、オーバーテイクはかなり難しいだろうと考えていました。実際には、我々のクルマは両方とも1コーナーで追い抜きを演じましたし、他にもここでパッシング・シーンが見られました。
“持ち込み”セットアップで狙ったのは特にどんなポイントでしたか? 走り始めてみていかがでしたか? 予選までのセットアップはどう進めましたか?
We identified that the car needed to be good in the medium and high speed corners, and concentrated on maximizing downforce and balance in these areas. Generally the setup was reasonable we just adjusted the balance for track conditions. We changed the setup from FP2 to qualifying, but in hindsight it was probably negative.
我々はまずミディアムタイヤで高速コーナーを走る時に良いクルマであることが求められ、そこでダウンフォース量の最大にしつつ前後バランスに集中すべきだということを確認しました。
全体としてセットアップは悪くないまとまりになり、そこから我々はトラック・コンディションに合わせてバランスを調整するだけでした。土曜日フリー走行から予選に向けてセットアップを変えましたが、後から考えると、この変更はたぶん良くない方向でした。
*バランス:この使い方の場合は、マシンが旋回する時の前後(グリップ)バランスを指している。
ソフトタイヤについて、どのタイミングから履いてみて、そこからどんなことを確認してゆきましたか? グリップやマシン・バランスへの影響、磨耗についてはどんな特性、あるいは傾向だと把握しましたか? 一方、ミディアムタイヤの特性、路面などに対する状況はいかがでしたか?
We ran the Soft tyres extensively in FP1 in preparation for the race. This gave us the information that they may be faster than the Medium and durable enough for a long run.We ran them again in FP2 in preparation for qualifying, then in FP3 as a final comparison vs the Medium for the race. The balance was very different between a short and long run, and they were able to complete the race distance if the drivers managed them carefully. We had less success with the Medium tyre, we could not find good grip and balance.
我々はレースに向けた準備として金曜日にソフトタイヤをかなり長く走らせました。これによって、ソフトはミディアムより速く、かつロングランに十分な耐久性を持っている、という情報が得られました。
我々は土曜日フリー走行でも予選への準備としてソフトて走り、日曜日朝フリー走行でレースに向けてソフトとミディアムの最終的な比較を実施しました。短い走行と長く走り続けるのとでは、バランスはかなり変化しますが、ドライバーで注意してタイヤをマネージメントすることで、レースを走りきることができる状況でした。ミディアムタイヤに関しては、良いグリップとバランスを見い出すことができずに終わりました。
決勝レースのスタートで、どちらのタイヤ(新品? スクラブ? ユーズド/いつ使ったもの?)を選択しましたか? その選択はいつ決めましたか? 燃料搭載量はどのくらいにしましたか?
We started the race on Mediums, our strategy intention was to change to the Soft tyre as quickly as possible (lap 6) and run to the end of the race. We ran the correct amount of fuel for our chosen strategy. The exact amount is confidential.
決勝レースのピット戦略について、当初はどんなプランを何パターンぐらい考えていましたか? その裏付けは? そして実際のピットストップは何周目に行いましたか? そのタイミングに決めた事由はどんな要素でしたか?
Based on the work on Friday with #7 and both cars in FP3, and the rather poor grid positions for both cars the strategy became quite clear for both. The strategy was a calculation to maximize the finish position of the cars. We pitted #7 on lap4 and #8 on lap6 as planned.
7号車で金曜日に、そして日曜日フリー走行で両方のクルマで確認した状況、さらに両車ともにプアな(後方の)グリッド・ポジションになったことから、レース戦略はとても明快に決めることができました。それぞれのクルマが最も良い順位でフィニッシュできる戦略を計算し、そのプランどおりに7号車を4周目、8号車を6周目にピットに入れました。
No big changes, just balance adjustments for a new to used tyre performance.
大きな変更はしていません。ニュータイヤ(予選)からユーズドタイヤ(決勝レース)へ、性能変化に合わせるアジャストをしただけです。
Kazuya did not have the easiest weekend, starting with a crash on Friday, which often damages a driver’s confidence. He bounced back and his experience and observations were vital to us getting the team result this weekend. Qualifying P15 was disappointing, the red flag in Q1 didn’t help but in reality I don’t think we had a good setup for the Medium tyre this weekend. In the race he drove brilliantly, our strategy demanded both speed and discipline on the Soft tyre, to pass the cars ahead but manage the tyre until the end. This he achieved perfectly and thoroughly deserved his first podium of the year.
カズヤにとってイージーな週末にはなりませんでした。金曜日のクラッシュで始まったわけで、それはしばしばドライバーの自信を傷つけます。でも彼は立ち直り、そして彼の経験と観察力はこの週末、我々のチームが良い結果を得る原動力となりました。
予選15番手は残念でしたし、Q1の赤旗中団も彼の助けにはなりませんでした。しかし問題はこの週末を通して我々がミディアムタイヤに対して良いセットアップに仕上げられなかったことにあると私は考えています。
レースにおいて、彼のドライビングは目を見張るものでした。我々の戦略は、速さと、ソフトタイヤを使いこなすこと、すなわち前を行くクルマを抜き、しかしタイヤをマネージメントしてゴールまで走ることを要求するものでした。彼はそれを完璧にやり遂げ、その結果、今年最初のポディウムに立ったのです。
スポーツランドSUGOのコースの中で、セッティングを考える時にまず思い浮かべるポイントはどこですか? その理由は?
Autopolis the setup was aimed at finding a solution to make the Soft tyre last. Only the Medium for Sugo so we need to adapt the setup for this.
オートポリスでのセットアップは、最終的にソフトタイヤに合わせ込む「解」に絞り込むことになりました。スゴウではミディアムタイヤだけになるわけですから、それに合わせるセットアップが必要になります。
次戦はミディアムタイヤ1種類での予選・レースに戻りますが、金曜日専有走行から土曜日のフリー走行、予選と、持ち越しと新品のタイヤをどう使って、どんなポイントを確認しつつセッティングを進めてゆくプランでしょうか?
We have two sets of reasonable condition tyres to use on Friday, We need to find a way to extract a good race pace, as we achieved in Fuji on this compound, and also to maximize the qualifying performance of the Medium, something we need to improve on.
我々はまあまあのコンディションにあるタイヤを2セット持っていますから、それを金曜日から使います。そして、フジでは何とかできたように、良いレースペースを引き出せるようにする必要があります。またミディアムタイヤでの予選パフォーマンスを最善にすべく、改善すべき「何か」を見つけなければなりません。
SUGOのコース特性、ミディアムタイヤのみという条件などを考えた時、レースプランを組み立てる時のポイントになるのはどんな要素だとお考えですか?
With a single tyre there is less variation of cars’ performance during the race, so we won’t see as much overtaking as Motegi and Autopolis, as cars on different strategies converge at the end of the race. To this end qualifying is of utmost importance.
今回のレースを通してタイヤは1種別だけしかなく、それがクルマの速さを変化させることはないわけですから、モテギやオートポリスで見られたようなオーバーテイクは多くならないでしょうし、各車はレース全体をカバーする別の戦略で走ることになるでしょう。そこで予選の結果がものすごく重要になります。
担当するドライバーとSUGOの相性についてはどう見ていますか?
Sugo is another challenging layout. Kazuya has proved his ability in Autopolis and is gaining confidence in his new engineering team (Steve & Nakamura). He also has experience at Sugo which is helpful to us rookies.
スゴウもまた(オートポリスと同様に)チャレンジングなレイアウトです。カズヤはオートポリスで彼の能力を証明して見せ、彼の新しいエンジニアリング・チーム(私、スティーブとナカムラさん)への信頼も深めています。彼はまたスゴウでの経験も豊富で、ここでもルーキーのエンジニアを助けてくれることでしょう。
トラック・エンジニアの見地から、コースサイドでマシンが走るのを見る機会があるとしたら、どこで、どんな動きや特性を観察してみたいですか? そこから何が“見えて”きそうですか?
Again I am new to Sugo. Looking at the track layout there are elevation changes perhaps giving places where several corners can be seen at once.
ここでもまた、私は「新人」です。コース図面しか見ていないのですが、高低差が大きい中にレイアウトされていて、各所のコーナーで良い観戦ポイントが見つけられそうですね。