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2018年第2戦「テクラボ流」レースのシナリオ

2018年5月11日

2018年第2戦「テクラボ流」レースのシナリオ
両角岳彦

■レース距離:252.236km(オートポリス インターナショナルレーシングコース 4.674km×54 周)
■予選方式: ノックアウト予選方式 (Q1:20分間 19→14 台 Q2:7分間 14→8 台 Q3:7分間)
■タイヤ:横浜ゴム製ワンメイク ドライ2スペック(ミディアム,ソフト), ウェット1スペック
■タイヤ使用制限:ドライ(スリック) 競技会期間中を通して6セット そのうち新品はミディアム2セット+ソフト2セット
前戦までのものからの”持ち越し”タイヤ2セット(ミディアム,ソフトは問わず=各チームの持ち越しタイヤの組み合わせとそのコンディション、マイレージ=積算走行距離がひとつのポイント。今回から新品のままの持ち越しも可。)
ウェット 競技会期間中を通して4セット
■予選における使用タイヤ:Q1 においてはミディアムタイヤを使用しなければならない。
■決勝中のタイヤ交換義務: あり
* 決勝レース中に2種別(ミディアムとソフト)のドライタイヤを使用しなければならない。
* スタート時に装着していた 1 セット(4本)から、異なる種別の1セットに交換することが義務付けられる。車両に同時に装着する4本は全て同一種別でなくてはならない。
* 決勝レース中にウェットタイヤを使用した場合は、タイヤ交換義務規定は適用されない。
* 先頭車両が1周目を終了した時点からレース終了までに実施すること。タイヤ交換義務を完了せずにレース終了まで走行した車両は、失格。
* 先頭車両がフィニッシュ(54周完了)する前に赤旗中断、そのまま終了となった場合、タイヤ交換義務を実施していなかったドライバーには結果に40秒加算。
* レースが赤旗で中断した中に行ったタイヤ交換は、タイヤ交換義務を消化したものとは認められない。ただし、赤旗提示の時点でピットにてタイヤ交換作業を行っていた場合は、交換義務の対象として認められる。

◇考えられるタイヤの“使い方”~レース開催の週末を通してドライ路面だと仮定して・・・
* 今年仕様のソフトタイヤは昨年仕様とはコンパウンドから異なり、発動(温度上昇→グリップ発生)が早くグリップも高い一方で、高分子結合が千切れて損耗(摩耗)する傾向も大きい。またそのトレッドゴム層その厚み(ゲージ)も減らしている。そこで走行を続けられるかの限界は、グリップが一気に低下する状況(いわゆるデグラデーション)よりも、摩耗限界によって決まってくる可能性が高い。
* しかし、今年仕様のソフトタイヤをオートポリスで走らせるのは今回のレースウィークが初めてであり、そこからソフトタイヤのグリップ・レベル、摩耗などを確認してゆくことになる。
* ここで各車がどんな状態のタイヤを“持ち越し”ているのか。ミディアム、ソフト各1セットを持つのが定番と思われる。ほとんどの車両は鈴鹿のQ1で使ったミディアム2セットのうち1セットを決勝レースで使い、もう1セットはあまり距離を走っていないものが残っている。
いっぽうソフトに関しては、前戦・鈴鹿の決勝レースで2ストップ作戦を採り、かつソフトを2回履いたのが17塚越と64カーティケヤン。塚越は予選Q3まで進出しているので鈴鹿で使ったソフトは予選も含めて18周(104km) と20周(116km)走行している。オートポリスのフリー走行でソフトの特性、セットアップを確認するにはちょっと条件が悪くなった。カーティケヤンはQ2までで、そのQ2で赤旗中断をはさんで4周。決勝レースでもソフトで走ったのは1セットが6周、もう1セットが9周なので、悪くない状態のソフトを持ち越せていると思われる。他の車両は、Q1で敗退した5車が新品かそれに近いソフトを残しているのが確実だし、それ以外でも予選で3~4周しただけのセットが手元に残っているはずだ。
ここで例外は今回T. ディルマンが乗るチームルマンの7号車。鈴鹿の予選ではQ1止まり、決勝レースではソフトを5周しか使わなかった。ソフトは新品を持ち越せているはずで、逆にミディアムは決勝だけでも20周と25周走った中から1セットを選んでいるはずである。
* コンパウンドもその厚みも異なる昨年仕様のソフトが決勝レースでどんな特性を見せたかを振り返ってみると、「一撃」は、予選で使ったセットを決勝レースで履いた時にも明らかに現れ、ミディアムとのラップタイム差は1.5秒をはさんで1~2秒の幅にある。走行を重ねる中でのラップタイム低下、いわゆるデグラデーションは走り始めで毎周0.2 秒ぐらいあり、ラップタイム低下が明確に現れるのがレース序盤~中盤で10+周、後半になるとそれが15周ぐらいまで延びる、という傾向が見られた。今年仕様はグリップがさらに高く、摩耗で使用限界が決まるので、そこを事前に確認しておきたいところだ。

■燃料最大流量(燃料リストリクター):90kg/h(121.2L/h)
■オーバーテイク・システム:最大燃料流量10kg/h増量(90kg/h→100kg/h)。
20秒間作動×レースを通して5回まで
1回使用による燃料消費増加は55.6g(約74.8cc)
5回使用で277.8g(約374.0cc)増
オートポリスはメインストレートが短いので、手前の最終コーナー立ち上がりから使う、あるいは上りセクション全体で使ってラップタイムを稼ぐ、などの使い方が考えられる。

■決勝中の給油作業義務:なし
■燃料タンク容量:ぎりぎり満タンで95L(その全量を使い切るのは難しいが…)
上記満載時のガソリン重量 約70kg
燃料流量上限(リストリクター)90kg/hにおける燃料消費2.4km/Lと仮定した場合、レース完走に必要な燃料総量は約105L+低速周回3周分(ピット→グリッド/フォーメーションラップ/ゴール→車両保管)+OTS作動による消費量増加分。ざっくり試算して107Lに、安全を見て1L程度は余裕がほしい。満タンに対して不足する燃料量は13L(約9.7kg)。
しかし昨年9月のこのコースのレースで、F.ローゼンクヴィストが4周完了でピットストップ、ここで燃料を満タンにして50周・233.7km(+フィニッシュ後の1周)を走りきった。平均燃費2.49km/L。さらに次のスポーツSUGOでは250kmレースを無給油で、しかも他より極端にペースが遅くはないドライビングで完走。平均して2.7km/Lに届こうかという燃費である。そのSUGOで無給油作戦に挑んだ他のドライバーが燃料不足に陥ったことを考えると、誰にでもできる技ではないが。
今年開幕戦の鈴鹿では、関口雄飛がレースを通して省燃費ドライビング(エンジン制御切換には「エコモード」的な設定があるはず)に挑み、推定2.46km/Lで走っている。鈴鹿では燃料リストリクターが95kg/h設定であって、これが90kg/hになれば大雜把に見て2.6km/Lで走れる計算にはなる。しかし無給油作戦には足りない。

■ピットレーン速度制限: 60km/h
■レース中ピットレーン走行+停止・発進によるロスタイム:約20秒(2015・17年の実績から概算した目安程度の値)。さらにアウトラップでタイヤが暖まるまでのタイム増も考慮する必要がある(ミディアムで1秒程度か)。これにピット作業のための静止時間を加えたものが、ピットストップによる「ロスタイム」になる。
■ピットストップ: ピットレーンでの作業が認められる要員は6名まで。ただし1名は「車両誘導要員」として、いわゆる“ロリポップ“を手にしての誘導に専念することが求められる。また給油に際しては給油装置のノズル保持者に加えて消火要員(消火器保持者)1名を置くことが規定されている。したがってタイヤ交換と給油を同時に実施する場合はタイヤ交換に関われるメカニックは3名となる。この人数の中で、前後のジャッキアップ~4輪交換~ジャッキダウンを行うことになり、誰がどのタイミングでどこに移動して、何の作業を行うか、それぞれのチームが知恵を絞り、トレーニングを積んでいる。
燃料補給を行わずにタイヤ4本交換のみ行う場合は作業要員5名。前後ジャッキとタイヤ4本に対して個々に要員を配置するには1人足りない。やはり作業の「ローテーション」が必要になる。

ここで、ピットストップ戦略を組み立てる基本的な要素について検討してみる。
• タイヤ4輪交換を燃料補給と同時に実施するのに要する時間は14秒程度。
• タイヤ4輪交換だけならば静止時間6秒程度。
• 燃料補給装置のノズルを車両の燃料補給口に差し込み、引き抜くのに、それぞれ1秒弱は必要だと見積もっておいたほうが安全。ノズルを差し込んだ状態で重力落下を利用して燃料タンクにガソリンが流入するペースは、平均して毎秒2.3+L(重量にして1.73kg)程度と思われる。
• 平均燃費2.4km/Lで走ると、1周あたりの燃料消費量は約1.95L、重量にして約1.45kg。満タン・スタートで約13Lをレース中に補給する必要がある。この場合の「ピット・ウィンドウ」(ピットストップして燃料を満たせばゴールまで走りきれる周回~フルタンクでスタートして燃料を使い切る周回)は、6~48周。
• 平均燃費2.5km/Lで走った場合、1周あたりの燃料消費量は1.87L、重量にして1.39kg。満タン・スタートで約7Lをレース中に補給する必要がある。ピット・ウィンドウは4~50周。
• いずれにしてもタイヤ交換のためのピットストップが必要、かつ燃料補給も必要ということならば、作業者3名で4輪交換するのにかかる14秒の間、燃料補給ノズルを差し込んでガソリンを入れてもロスタイムは変わらない。この場合、燃料補給ノズル接続時間は12~12.5秒、27.6~28.75L(20.5~21.4kg)を補給できる。スタート時にその分だけ燃料搭載量を減らすと、満タンでスタートするのに比べて15~20L、11~15kg軽い状態にできる。この場合、ピット・ウィンドウが“閉じる” (燃料タンクが空になる)のは燃費2.4km/Lで33周、燃費2.5km/Lで34~35周となる。

さてそうなると、今回のレースがドライ路面で行われるとして、レース・ストラテジーの選択肢は・・・
A. 基本は「1ストップ」戦略
• 規定されているタイヤ4輪交換と燃料補給を同時に実施する。
• ソフトタイヤの特性が読み切れなければ、あるいはミディアムタイヤと燃料重量が重い状態での速さに自信があれば、ミディアム装着・フルタンクでスタート。
• スタートダッシュで前に出たい、順位を上げたい場合など、ソフト装着・ピットストップ補給分だけ燃料搭載量を減らしてスタート。
B. 「2ストップ」戦略がありうるとすれば・・・
• 「より速く走る」ことを狙い、かつソフトの耐久性がいまだ未知数なので状況に応じて対応するためのアプローチだと考えると、ソフトを2回、ミディアムを1回履くことになる。グリップの高さを活かしてまずスタートダッシュ、そこから速いペースを維持するべく、最初はソフト装着。そのグリップ低下が現れたら=タイヤ交換、再びソフトを履かせて送り出す。つまり、ソフト→ソフト→ミディアムが良さそうに思える。しかしソフト→ミディアム→ソフト、ミディアム→ソフト→ソフトもありうる。
• ソフトのグリップを活かすために、またタイヤの消耗を抑えるために、スタートから燃料搭載量を減らして車両重量が軽い状態で走らせ、燃費も気にせず、2回のピットイン毎に補給するとすれば、最初に49L(36.5kg)積んでおけばいい計算になる。この場合は1ストップ勢に対して、34~35秒をコース上で取り戻して同じペースということになる。
• あえて1ストップと同じ燃料搭載量でスタート、2回のピットストップのうち1回はフルサービスで14秒を費やし、もう1回はタイヤ交換だけにして6秒で送り出せば、このロスタイム26+秒だけをコース上で取り戻せばよい。
C. 「無給油作戦」はありうるか?
• タイヤ交換が義務付けられている以上、最低でも1度はピットストップするわけで、そこでタイヤ交換だけで済ませれば、同時に燃料補給を行うのに比べて静止時間を8秒ほど切り詰めることができる。しかし燃費2.67km/Lで走るペースをどこまで上げられるか。どこまで上げられるか。燃費2.4~2.5km/Lで走るのに対して毎周平均0.15秒遅いだけのペースを維持できないと、250kmを同じ時間で走り終わることができない。
ソフトで走れる距離(周回数)がよほど短い場合でないと、メリットはなさそう。
D. ウエットレース
• スタート時点で「ウェットレース」が宣言されれば、そこでタイヤ交換義務が無くなる。この場合はフルタンクでスタートするのが定石。ウェット路面では燃料消費も少なくなるため、ピット・ウィンドウは広がる。状況次第だが、無給油で走りきれる可能性も高い。

*上記想定についてはいずれも実戦観察からの概算予想であって、正確なものではありません。レース観戦の参考として、作戦計画にいろいろ思いを巡らせ、レース中の各車のペース配分や動きの意図を推測してみてください。

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