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　開始から10分でNo.1 中嶋一貴（PETRONAS TEAM TOM'S）が1分35秒128を記録してトップになると、次の周には1分34秒812と刻む。これが最初のターゲットタイムだ。ただ、開始から30分過ぎまでは、各車はユーズドタイヤを使ってのセッティング調整が中心でシビアなアタックをしている様子はない。セッション早々にはNo.18 リチャード・ブラッドレーがコースサイドにマシンを止め、レッカーで回収される。なお、その後修復して走行を続けた。

　一貴のトップタイムを更新したのはチームメイトのNo.2 アンドレ・ロッテラー（PETRONAS TEAM TOM'S）で、18分経過時点でトップタイムを1分34秒524と書き換える。しかし、この4分後。このところロッテラーと共に速さを示しているNo.8 ロイック・デュバル（KYGNUS SUNOCO Team LeMans）が1分33秒985と33秒台に突入。トップタイムを1分33秒985とした。この後、しばらくトップタイムの更新はなく、30分を過ぎた時点でデュバル、ロッテラーに続くのは、中嶋一貴、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ（Lenovo TEAM INPUL）、No.20 松田次生（Lenovo TEAM INPUL）、No.16 山本尚貴（TEAM 無限）だった。

No.2 アンドレ・ロッテラー

　そしてラスト7分になると、上位陣を含むほとんどがピットイン。ニュータイヤに履き替え、ラスト5分で予選を想定したタイムアタックに入る。ここで、ロッテラーが自らのベストを書き換え、トップとなる1分33秒509を叩き出す。続いてデ・オリベイラも1分33秒878を記録して2番手に浮上。これに前戦2位となったNo.39 平手晃平（P.MU/CERUMO・INGING）が1分33秒968で続く。これでチェッカー。2連勝と好調のロッテラーのトップタイムが決まったかに思われたが、最後の最後でデュバルが1分33秒502を出してみせる。これで0.007秒ロッテラーを上回り、このセッションのトップとなった。また、同じタイミングで最後のアタックを行ったデ・オリベイラはコースアウト。グラベルを走り抜けることになったが、大きなダメージはなく予選には影響なさそうだ。
　これで、このフリー走行のトップタイムはデュバル。2、3番手はロッテラー、デ・オリベイラ。Lenovo TEAM IMPULに割り込んで4番手に入ったのは平手で、その後ろは松田となる。Honda勢最上位は6番手の山本。7番手にはルーキーのNo.7 平川亮（KYGNUS SUNOCO Team LeMans）が入った。前戦予選2位のNo.39 国本雄資（P.MU/CERUMO・INGING）が8番手。
　9、10番手のNo.32 小暮卓史（NAKAJIMA RACING）とNo.40 伊沢拓也（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）はなんと同タイムの1分34秒423だった。ゼッケン1を付けるNo.1 中嶋一貴はこの後ろ11番手で、さらに背後にはNo.31 中嶋大祐（NAKAJIMA RACING）と兄弟が並んだ。
　12番手の大祐までトップと離れているようだが、タイム差では約1秒と超混戦。しかも、予選がいつもと違うスペシャルステージ方式でもあるだけに、このフリー走行の結果だけで予選順位を見切ることはできないだろう。

No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

フリー走行1回目 トップタイム
No.8 ロイック・デュバル（KYGNUS SUNOCO Team LeMans）

　今朝は、時差ボケでツラかったね。ものすごく朝早く、目が醒めちゃったんだよ（笑）。クルマは、小さなコーナーでオーバーステアが出ていて、まだ完璧じゃないけど、それは他のドライバーにとっても同じだったんじゃないかな。そんな状況でも、今朝はトップに来られたわけだから。もちろん、これから午後に向けてクルマはもっと進化させないといけない。ただ、朝からトップで終えられたっていうのは、レースウィークの始まりとしては良かった。
　でも、走り始めはブレーキングポイントを探るのに、ちょっと大変だった。でも、最初からプッシュしていたし、何回かミスしてしまったんだ（コースアウトがあった）。その後はブレーキバランスなんかも動かして、良くなったんだけどね。
　最後にニュータイヤを装着した時は、1周目のアタックに入ったセクター1があまり良くないって感じたから、一旦そこでスローダウンして、次の周に仕切り直しをしたんだ。最初は、まだタイヤが温まっていないような感じがちょっとあったんだよね。でも、チームに聞いたら、実際は最初のセクター1からすごく速かったんだって。今回の予選は、いつもとは違う形式だけど、最終的には同じ。ノックアウトでもQ3の最後はスーパーラップみたいに走っているから、それほどドライバーにとって違いはない。ただ、スーパーラップの場合、トラフィック（混雑）がないっていうのがいいところだね。今回の目標は優勝。予選にはそれほどこだわっていないよ。もちろんポールポジションを獲れば、1ポイント加算できるし、前にいるに越したことはないよ。だけど、それ以上に今回こそはレースで勝ちたいんだ。