PETRONAS TEAM TOM'S

2東條　力

ドライバー：ジェームス・ロシター

1.2013年仕様のタイヤについて〜鈴鹿実戦に向けたシャシー・セッティングについて

Q今年使用する新しい仕様のタイヤは、実際に走らせてみて、どんな特性だと受け止めていますか?

A12年タイヤに比べるとグリップが高くゆっくりとたれる。バランスはフロント寄りだが、ウォームアップはあまり良くない。スリップアングル*に対してピーキー。

＊スリップアングル : タイヤの「横すべり角」＝車両の進行方向に対してタイヤが旋回方向の内側に向いている角度のこと

Q現状、新しいタイヤに合わせたセッティングはどんな方向になりそうですか?

Aトラクション方向（駆動がしっかりかかるように）と、大きくタレる場合にはその対策

Qとくに鈴鹿サーキットにおいてセッティングの「鍵」となるコーナー、セクションはどのあたりだと考えていますか?

A第1セクターとスプーン

2.今回の鈴鹿ラウンドにおけるレース・フォーマットについて

Q「レース距離300km、燃料タンク容量制限なし」という条件に対して、作戦立案において特に検討を要するポイントはどこですか?

Aタイヤのタレ具合の見極めとガソリンウェイトとのバランス。予選位置次第

Q燃料タンク容量制限なし、という昨シーズンとは異なる条件(今年も今回のみ)に関して、マシンの準備においてとくに留意されている点は何ですか?

A 特にないが、満タンスタートのケースに備えて、安全確認の燃料漏れチェックとタンク容量チェック。スキッドブロックの摩耗状態*

＊スキッドブロックの摩耗状態 : 燃料の重量が増えると車両の地上高が下がるので、車両底面中央に装着するスキッドブロック（合成木材板）が接地して削られないようにサスペンションをセッティングする必要がある

Q現時点で、レース戦略(ピットストップとその内容)に関し、オプションを何種類ぐらい想定していますか?
(よろしければ今回、そうしたオプションを考える時に考慮されている要素についても、可能な範囲で教えてください。)

A7ケース　予選状況に応じて。

Q新仕様のタイヤで300kmのレースを走るにあたって、磨耗〜性能低下についてのデータは取れていますか?　当該週の走行が始まってからさらに確認する必要はありそうですか?

A路面がアグレッシヴ*な鈴鹿ということもあり、確認は必要。

＊路面がアグレッシヴ : タイヤに対する攻撃性が高い＝磨耗に厳しい

3.ドライバーとの連携について

Q今シーズン、担当するドライバーが変更になった方々へ: ドライバーとのコミニュケーション、ドライビングの個性の把握は進んでいますか?

A問題ない。

Q新仕様のタイヤについて、ドライバーはどのようにドライビングを組み立て、どんなコメントをしていますか?

Aタイヤの特性は掴んでいる様子なので、予選に向けては１周を丁寧にまとめること。レースに向けてはタレ具合の把握をしておきましょう。