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- 公式予選:2010年4月17日(土)
決 勝:2010年4月18日(日)
- 鈴鹿サーキット:5.807 km
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昨年9月に行なわれた09年の最終戦から約7ヶ月。いよいよ2010年のフォーミュラ・ニッポン開幕戦が、4月17日(土)~18日(日)に、三重県・鈴鹿サーキットで開幕する。
今年、シリーズに参加するのは、9チーム、14台のマシン。すでに3月8日(月)~9日(火)には鈴鹿サーキット、25日(木)~26日(金)には富士スピードウェイで、事前の合同テストが開催され、今季タイトルを争うドライバーたちが、開幕に向けて熱い走りを見せている。その中で、まず注目されるのは、昨年、ナカジマ・レーシングでチャンピオンを獲得したロイック・デュバル。デュバルはタイトルを手土産に、今季ドコモ・ダンディライアンへと移籍したが、新規加入のチームでも、昨年同様の速さ、強さを発揮するのだろうか?
昨年王者デュバルに立ちはだかるのは
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そんなデュバルの前に大きく立ちはだかる存在となりそうなのは、今季もナカジマ・レーシングに残留した小暮卓史。小暮は、03年のデビュー当時から、速さはピカイチと言われてきた。だが、ここまでタイトルに手が届いておらず、そろそろ王座につきたいところ。今季も2回の合同テストでは、いずれもトップタイムをマークし、驚速ぶりは健在だが、それを結果につなげられるのか。「今年の課題は安定感」という小暮のレース運びからは、目が離せない。
ホンダエンジンを使用するこの2人に対し、トヨタエンジンユーザーで侮れないのは、ペトロナス・トムスのアンドレ・ロッテラーとチーム・ルマンの石浦宏明。ロッテラーは、ほぼ毎年のようにタイトル争いに絡んでおり、その実力は折り紙つき。一方、石浦も昨年から確実に速さを増しており、テストから好タイムを連発している。昨年、圧倒的な速さを見せたナカジマ・レーシングに対し、実力派の2人がどこまで迫るのか。そこもシリーズの見所のひとつだ。
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さらに、今年も楽しみなルーキーが3人、シリーズに加わる。デュバルが移籍した後、チャンピオンチームのシートに大抜擢されたのは、ホンダ期待の若手・山本尚貴。それに加え、オーディションを経て、チーム・ルマンのシートを獲得したケイ・コッツォリーノ、TDPドライバーとして昨年全日本F3で2位となり、今季セルモ/インギングのシートを射止めた井口卓人も、元気ある走りを見せてくれることだろう。
復帰ドライバーやルーキーも要注意!
さらに、今季はシリーズに復帰するドライバーも3人いる。それがJ.P.デ・オリベイラと井出有治、平中克幸だ。オリベイラは、一昨年まで6年間連続でチームタイトルを獲得し、ドライバーズタイトルも毎年のように獲得してきた名門・チーム・インパルから参戦。テストでは、すでに他の強豪に対して遜色ないタイムを出しており、復帰組とは言うものの、いきなりトップ争いにも加われる実力を見せている。一方、井出はM-TEC、平中はKCMGという注目の新チームから出場することになるが、彼らがこれまで連続出場しているレギュラー陣にどこまで肉薄できるか、そのあたりも楽しみだ。
もちろん、今年が3年目となる伊沢拓也や平手晃平、2年目となる大嶋和也や塚越広大など、これまでもベテラン相手に一歩もヒケを取らない勝負を見せてきた若手ドライバーたちには、さらなる飛躍が期待されている。
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昨年からマシンというハード面には変更がないが、チームはセットアップをさらに進化させるべく、テストでは精力的に走行を重ね、トヨタ&ホンダの両エンジンサプライヤーも開発には余念がない。そうしたすべての努力をひとつに束ね、まず開幕戦で優勝するのは誰なのか?
鈴鹿での開幕戦は、タイヤ交換義務付けながら、昨年よりも短い220km(37周)で争われる1戦。ピットストップのストラテジーを含めて、見所は満載だ。今季の行方を占う重要なレースだけに、ぜひ現場でその興奮を味わってもらいたい。