



昨年9月に行なわれた09年の最終戦から約7ヶ月。いよいよ2010年のフォーミュラ・ニッポン開幕戦が、4月17日(土)~18日(日)に、三重県・鈴鹿サーキットで開幕する。
今年、シリーズに参加するのは、9チーム、14台のマシン。すでに3月8日(月)~9日(火)には鈴鹿サーキット、25日(木)~26日(金)には富士スピードウェイで、事前の合同テストが開催され、今季タイトルを争うドライバーたちが、開幕に向けて熱い走りを見せている。その中で、まず注目されるのは、昨年、ナカジマ・レーシングでチャンピオンを獲得したロイック・デュバル。デュバルはタイトルを手土産に、今季ドコモ・ダンディライアンへと移籍したが、新規加入のチームでも、昨年同様の速さ、強さを発揮するのだろうか?
そんなデュバルの前に大きく立ちはだかる存在となりそうなのは、今季もナカジマ・レーシングに残留した小暮卓史。小暮は、03年のデビュー当時から、速さはピカイチと言われてきた。だが、ここまでタイトルに手が届いておらず、そろそろ王座につきたいところ。今季も2回の合同テストでは、いずれもトップタイムをマークし、驚速ぶりは健在だが、それを結果につなげられるのか。「今年の課題は安定感」という小暮のレース運びからは、目が離せない。
さらに、今年も楽しみなルーキーが3人、シリーズに加わる。デュバルが移籍した後、チャンピオンチームのシートに大抜擢されたのは、ホンダ期待の若手・山本尚貴。それに加え、オーディションを経て、チーム・ルマンのシートを獲得したケイ・コッツォリーノ、TDPドライバーとして昨年全日本F3で2位となり、今季セルモ/インギングのシートを射止めた井口卓人も、元気ある走りを見せてくれることだろう。
さらに、今季はシリーズに復帰するドライバーも3人いる。それがJ.P.デ・オリベイラと井出有治、平中克幸だ。オリベイラは、一昨年まで6年間連続でチームタイトルを獲得し、ドライバーズタイトルも毎年のように獲得してきた名門・チーム・インパルから参戦。テストでは、すでに他の強豪に対して遜色ないタイムを出しており、復帰組とは言うものの、いきなりトップ争いにも加われる実力を見せている。一方、井出はM-TEC、平中はKCMGという注目の新チームから出場することになるが、彼らがこれまで連続出場しているレギュラー陣にどこまで肉薄できるか、そのあたりも楽しみだ。
昨年からマシンというハード面には変更がないが、チームはセットアップをさらに進化させるべく、テストでは精力的に走行を重ね、トヨタ&ホンダの両エンジンサプライヤーも開発には余念がない。そうしたすべての努力をひとつに束ね、まず開幕戦で優勝するのは誰なのか?