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2013 SUPER FORMULA

Round7 Suzuka Circuit

  • Suzuka Circuit
  • 公式予選
    決  勝
  • : 2013年11月09日(土)
    : 2013年11月10日(日)
  • 鈴鹿サーキット : 5.807 km

Race

Race1 : Result Race1 : Review

No.16 山本尚貴が初優勝!逆転チャンプへ前進!!
雨の難しいレース。2位には初表彰台の中嶋大祐、3位はデ・オリベイラ

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No.16 山本尚貴

11月10日(日)、鈴鹿サーキット(三重県)で2013年全日本選手権スーパーフォーミュラ第7戦(最終戦)の決勝日を迎えた。この日の鈴鹿は雨が降ったり止んだりで、滑りやすい難しい路面。また、最終戦は2レース制で、午前にレース1、午後にレース2が行われた。レース1ではNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)が初優勝。レース2では、No.1 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)が優勝。チャピンオンが懸かる山本はレース2で3位となり、初のドライバーズ・チャンピオンに輝いた。

Race1 2013-11-10 10:30- 天候:雨 コース:ウェット 気温:14度 路面温度:16度>


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小暮のトラブルで、山本がポール・トゥ・ウイン!

 この日の朝は、雨が降ったり止んだりという微妙なコンディション。当初の予定よりも10分遅れで、午前10時30分にフォーメーションラップがスタートする。レース1が近づいてくると、完全に雨は止み、路面の水も少なくなってきた。その中で、全車ダミーグリッドに着き、フォーメーションラップスタートを待った。この間にも、路面は乾いて行く方向。そのため、後方グリッドのドライバーたちは、ギリギリまでスリックタイヤを準備し、いつでも交換できる体制を整えていた。

 ところが、フォーメーションラップスタート5分前が近づいてくると、再び雨が降り始める。そのため、結局全車がレインタイヤを選択。気温14℃、路面温度14℃というコンディションの中で、フォーメーションラップを走り始めた。そして、全車正規グリッドにロックオン。20周で争うレース1がスタートした。
 ここでいい動き出しを見せたのは、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)。2番グリッドからスタートしたNo.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)は、若干ホイールスピンして出遅れ、代わりに3番グリッドのNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が2番手に浮上する。また6番グリッドのNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)も好スタート。一気に4番手まで浮上した。
 その後方では、アクシデントも発生。スタートの加速に失敗したNo.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)を5番グリッドのNo.20 松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)がストレート上で抜きにかかるが、この時、松田の右リヤと国本の左フロントが軽く接触。国本はコントロールを失って、イン側のグリーンに乗ってしまう。ここで国本は反時計回りにスピンして、そのまま滑って行き、コースを横切る形となった。そこにちょうど通りかかったのが、No.1 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)。一貴には、突然滑ってきた国本を避ける術がなく、そのまま2台はもつれ合うようにコース外へ。ここでいずれもマシンにダメージを負い、リタイヤとなっている。またさらに後方では、やはりスタートの加速が今ひとつだったNo.10 塚越広大(HP REAL RACING)を、ストレートでイン側から抜こうとしたNo.8 アンドレア・カルダレッリ(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)が塚越に接触。この2台もここでリタイヤに追い込まれた。

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No.31 中嶋大祐

 トップ争いは、1周目から動く。トップに立った山本だったが、1周目のシケインでオーバーラン。それを小暮がかわしていく。今季、優勝のない小暮としては、ここでどうしても勝っておきたいところ。しかし、わずかに半周後、小暮には不運が襲い掛かる。燃料系のトラブルでエンジンが吹けなくなり、スローダウン。ピットに戻らなければならなかった。これにより、山本は再びトップに浮上。その後は、2番手以降を引き離し、独走状態で20周を走り切り、国内トップフォーミュラ初優勝を遂げた。小暮がいなくなったことで、2番手に浮上したのは、大祐。さらにデ・オリベイラ、松田と続く。序盤はこの3台が僅差での周回を重ねていたが、雨で視界が悪いこともあり、次第に差は開いて行く。結局、その後、順位の入れ代わりはないまま、チェッカーまで駆け抜ける形となった。
 山本は2010年の初参戦し、この年にルーキー・オブ・ジ・イヤーを獲得。そして3年目での初優勝となった。また、この8ポイント加算でランキングリーダーのアンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)に3ポイント差まで迫った。
 4位以下は、No.38 平手晃平(P.MU/CERUMO・INGING)、レース途中ファステストラップを連発する速さを見せたNo.7 平川亮(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)、やはり粘りの走りを見せたNo.2 ジェームス・ロシター(PETRONAS TEAM TOM'S)とNo.3 安田裕信(KONDO RACING)までが入賞を果たした。

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No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ


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2位 No.31 中嶋大祐 /優勝 No.16 山本尚貴,  手塚長孝 優勝チーム監督 / 3位 No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

記者会見

クルマは完璧。チームとHondaに本当に感謝している

優勝
No.16 山本尚貴(TEAM 無限)

 スタートはあまりうまく行かなかったのですが、周りの選手も苦労していたみたいで、オープニングラップをトップで終われるかなと思いました。シケインは突っ込んだわけではないものの、思いの外止まれませんでした。あそこで留まろうと思ったんですが、そうすれば多分スピンしていたと思います。スピンをしてレースを終わらせるよりは、ショートカットして小暮選手に先に行ってもらうほうがいいと思いました。その判断は良かったと思います。
 大事なレースで失敗をしたので、まだまだだと思いました。小暮選手にトラブルが出て、結果的にラッキーな部分もあり、そのあとトップに立つことができたので、結果オーライかなと思う部分もありますが、レースといえば結果なので、ひとつ優勝できて良かったと思います。でも大事なのはあともうひとつあるレース2なので、勝ってチャンピオンを決められるように、それから思いっきり喜びたいと思います。
 クルマは完璧でしたし、チームとHondaのみなさんに本当に感謝しています。レース直前のグリッド上でスプリング交換とスタビライザーの調整を行ったのは、ウォームアップ走行でクルマのバランスを確認し、もう少しこうした方がいいという判断をエンジニアさんが瞬時にしてくれました。時間がない中、メカニックさんも一生懸命作業してくれました。その結果がレース1の速さにつながったのだと思います。
個人的にはすっきりするレースでなかったのが残念

2位
No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)

 今シーズン、ずっと優勝含め、表彰台が目標と言ってきたので、今日それが達成できました。でも、思っていたよりうれしくないなという感想です。山本選手が予選を含め、すごく速く全然追い付かなかったし、雨で視界が悪かったこともありますが、予想以上に差がついてしまったのが悔しい。スタートでも小暮さんに先に行かれたし、個人的にはあまりすっきりするレースでなかったのが残念でした。
 でも目標にしていた表彰台に乗れたのは確かですし、チームにとてもすごく励みになったと思います。今、僕たちは若いメンバーでやっていて、エンジニアもメカニックにとってもいい結果でした。今シーズン残り1レースと、来シーズン以降、やっと優勝目指して戦える体制が精神的なものを含め、整ったのかなと思います。
久々に表彰台に立てて良かった

3位
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)

 このレースで一番大事だったのは、スタートから2ラップ目くらいでした。一番前なら問題はないでしょうが、その後方では視界も悪かったです。僕自身のスタートは決まって、2速で(松田)次生、国本選手を抜くことができたし、クルマのペースも良かったです。とはいえ、その前にいた(中嶋)大祐選手を抜くまでには至りませんでしたね。
 クルマ自体、オーバーステアがひどく、特にセクター1ではリアが安定せず、セクター2ではクルマが本当に不安定でした。そういう点から言ってもさらにプッシュしたり、逆転できるような状況ではなかったですね。とは言え、久々に表彰台に立てて良かったです。

あとひとつ全力で戦いたい

優勝チーム監督
手塚長孝 監督(TEAM 無限)

 長らくお待たせしました。チーム発足からようやく初優勝となりました。最終戦で一番高いところに上ってくれ、とチーム全員が一丸となりこの場に来ました。昨日から最強・最速の走りを山本が見せてくれて、一番高いところに立ってくれました。私も立たせてもらい、本当にウレシイの一言です。
 Hondaならびにいろんな協力者が、クルマを造る上で朝早くから夜遅くまで、そしてレース直前のグリッド上でもギリギリまで調整をしてくれました。あとは山本君が非常に速いタイムで走ってくれたのは素晴らしく、感動しました。あとは皆様の期待どおり、次のレースまでタイトル争いが決まらないので、よかったのではないかと思います。あとひとつ全力で戦いたいと思います。


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