2015 SUPER FORMULA
Round3 Fuji Speedway
- Fuji Speedway
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公式予選 7月18日(土) /
決勝レース 7月19日(日) [55 Laps / 250.965 km]
富士スピードウェイ : 4.563 km
Qualifying
アンドレア・カルダレッリが富士で2年連続ポールポジション!
2位はデ・オリベイラでフロントローはIMPULが独占!! “雨の中嶋”大祐が3位に
No.20 アンドレア・カルダレッリ
2015年全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦富士スピードウェイの公式予選が7月18日(土)に行われた。台風11号の影響もあり、雨の予選となる難しい状況でNo.20 アンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)が、昨年の第3戦に続く、富士で2連続となるポールポジションを獲得。決勝レースは24日(日)14時ちょうどにスタートする。
Q1 14:45-15:05 天候:小雨 コース:ウェット 気温:25度 路面温度:25度
Q2 15:15-15:22 天候:小雨 コース:ウェット 気温:23度 路面温度:25度
Q3 15:32-15:39 天候:小雨 コース:ウェット 気温:23度 路面温度:25度
変化する雨のいたずらか、山本と野尻がQ1敗退
大型の台風11号が日本海側に抜け熱帯低気圧となったものの、その影響が残り不安定な天候となった7月18日(土)の富士スピードウェイ。当初の天気予報では、午前中に雨があった後、午後からは曇りという情報だったが、結局終日雨が降ったり止んだりというコンディションとなり、予選も波乱の展開となった。
午前中のフリー走行に続き、気温25℃、路面温度25℃というコンディションの下でノックアウト方式の予選Q1が始まったのは、午後2時45分。19台から14台に絞られるこのセッションは、いつも通り20分間で行われた。フリー走行後、一旦は雨が止む時間帯もあった富士スピードウェイだが、スーパーフォーミュラの予選が近づくと、天候は悪化。Q1が始まる頃には、路面も完全なウェットコンディションとなった。そして、雨雲レーダーからは、セッション中にはさらに雨の量が多くなるという情報も。
そこで、セッションが始まると全車が間もなくコースイン。早目にタイムを刻みに行く。ここで走り始めから唯一1分41秒台のタイムを叩き出したのは、最初からニュータイヤを装着してコースインしたNo.20 アンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)。最初のアタックで1分41秒748をマークしたカルダレッリは、クールダウンした後、再度プッシュ。1分41秒まで219までタイムを伸ばした。これに続いたのは、No.2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)。そのタイムは1分42秒273と、カルダレッリより1秒あまり遅かったが、ロッテラーはユーズドタイヤでの走行だった。
以下、3番手にNo.1 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)、4番手にNo.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、5番手にNo.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)、6番手にNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)と続く。セッション中盤に新しめのユーズドタイヤを換え、雨脚が強まったセッション後半になってタイムを更新したNo.3 ジェームス・ロシター(FUJI×D'station KONDOSF14)が7番手、チェッカーと同時にベストタイムを更新したNo.41 ナレイン・カーティケヤン(DOCOMO DANDELION M41Y SF14)が8番手。
このように終盤になってタイムを上げたドライバーが何人かいたこともあり、Q1で敗退となってしまったのは、No.34 小暮卓史(DRAGO CORSE SF14)、No.10 塚越広大(REAL SF14)、前回表彰台を獲得しているNo.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40S SF14)、No.11 伊沢拓也(REAL SF14)、そして、今季開幕戦でポールポジションを獲得したNo.16 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)がまさかの予選最下位という結果になっている。
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
Q2でも今季優勝者のロッテラーと石浦が脱落
10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞られるQ2が始まったのは、午後3時15分。このセッションは7分間と短く、しかも雨ということで、開始前からピットロードには大行列。10台以上が並ぶことに。そして、シグナルがグリーンになると、ロッテラーを先頭に、次々にクルマがコースへと入って行った。しかし、なかなか上手く間合いを取れないドライバーや、タイヤが路面と合っていないドライバーもおり、ここでも波乱が発生した。
各車が計測に入ったのは、セッションの残り時間が5分となったあたり。コンディション的に雨脚は弱まっており、残り2分を切ってから、またチェッカーと同時にベストタイムを刻むドライバーが続出し、順位も目まぐるしく変化した。ここでQ1と同様、他を圧倒するトップタイムをマークしたのは、カルダレッリ。カルダレッリは、最後のラップで1分40秒937と、やはりただ一人1分40秒台に突入した。これに、カーティケヤン、No.7 平川亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)、デ・オリベイラ、No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING SF14)、No.18 中山雄一(KCMG Elyse SF14)、一貴、No.8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)までが続き、Q2を突破。
残念ながら、ここでNo.4 ウィリアム・ブラー(FUJI×D'station KONDO SF14)、ユーズドタイヤでの走行だった石浦、ロシター、ロッテラー、国本、そしてNo.65 ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING SF14)が敗退となった。
No.64 中嶋大祐
カルダレッリがパーフェクトで予選を締めくくる
さらに10分間のインターバルを経て、トップ8グリッドを決定するQ3が始まったのは午後3時32分。このセッションも各車、開始前からピットに並び、ここからポジション取りが始まる。セッションが始まると、今度は平川が真っ先にコースイン。これに、可夢偉、カルダレッリ、デ・オリベイラという順でコースに入って行く。雨は再び強くなって行く方向。しかし、各ドライバーは果敢なアタックを見せた。
ここで再びトップタイムを刻んだのは、カルダレッリ。Q3でもニュータイヤを装着してコースに入ったカルダレッリは、アタック2周目に1分40秒868を叩き出す。その直後には、チームメイトのデ・オリベイラが1分41秒001をマークしたが、カルダレッリにはわずかに及ばなかった。
チェッカー目前、これに続く3番手のタイムをマークしたのは、大祐。チェッカーと同時に、中山が大祐に迫る好タイムをマークしたが、わずかに届かず4番手となった。以下、カーティケヤン、可夢偉、平川。Q1からQ3までずっと同じユーズドタイヤで走り続けた一貴は、ここではタイムを伸ばせず、8番手に留まった。
その結果、カルダレッリは、Q1からQ3まですべてトップタイムと、パーフェクトで予選を終了。昨年スポット参戦した、第3戦の富士大会に続き、2年連続でポールポジションを獲得することとなった。
No.18 中山雄一
No.41 ナレイン・カーティケヤン
記者会見
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ / No.20 アンドレア・カルダレッリ / No.64 中嶋大祐
- Q1からQ3までトップタイムで終われてとても満足
ポールポジション
朝の走り始めから、今日のコンディションはトリッキーなものになるとわかっていたので、セットアップに関しても慎重に事を進めていきました。コースの状況も変わっていくだろうからと、セットもあまり変更することはなかったです。実際、朝のセッションでも少しの変更でクルマはいい仕上がりになっていたし、フィーリングもいいものでした。予選に向けての自信もあったし、Q1からQ3まですべてトップタイムで終わることができたので、とても満足しています。クルマも今日のようなコンディションで自信をもって走れる状態でした。
No.20 アンドレア・カルダレッリ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)
Q1ではスクラブ済み(1周走って表面を削った)タイヤを着けて走りはじめ、Q2もそのまま同じタイヤで走りました。雨になってくるとわかっていたし、路面コンディションを考えると、序盤でいいタイムを出さなければ…と思っていました。Q3も同じタイヤで走る選択もあったのですが、多少リスキーとは思いながら、新しいタイヤを着けていきました。前回の岡山からチームがとても頑張ってくれたこともあり、(チームメイトの)JP(デ・オリベイラ)とともにワン・ツーを獲ることができてうれしいです。- トップとも僅差で、いい結果が出せて満足
予選2位
今朝の走行では、クルマの状況を判断するのが難しいかったですね。5分ごとに状態が変わるし、クルマをどのようにするのか気をつけないと、いとも簡単にミスをしたり、間違った方向に進む可能性もありました。とにかく忍耐強く、基本に忠実にクルマを仕上げること、やりすぎないことを心がけました。朝のフリー走行ではトップを獲れたのですが、予選はQ1でタイヤ選択で間違った方向に進んでしまい、グリップを得ることができずに苦労して6位どまりになりました。Q2でタイヤを換えて状況が良くなり、Q3はトップタイムとも僅差だったし、いい結果が出せたと満足しています。でもとにかく明日のレースに集中することが大事ですね。
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)
今回、アンドレアとワン・ツーの結果を出しましたが、興味深かったのは、お互いのセットアップのコンセプトが違ったにも関わらず、1、2位の順位を獲れたこと。僕は去年の富士で良かったセットをベースにして、アンドレア(カルダレッリ)は前回の岡山から進化させたものでしたが、チームが異なる方法から2台揃っていいクルマに仕上げてくれたんです。これはうれしいことでしたね。- ドライでもいい結果を出したい
予選3位
今まで僕たちのチームは予選での順位が良くなかったのですが、今回のレースに向けて新しいセットアップを用意してきました。それはドライコンディションに対してのものだったので、ウェットコンディションに対しての調整が必要でした。そこでちょっと焦ってしまいそうになったのですが、チームが落ち着いて対処してくれて、それが予選の結果につながったのだと思います。Q1ではタイヤが合ってなくて、あまりグリップしなかったのですが、Q2に向けてタイヤを換えたところ、グリップが上がり、そこからは順調に走ることができました。予選の結果としてうれしいのは確かなんですが、ドライのパフォーマンスがまだわからないし、重要なのは明日の決勝なので、ドライになると思うなか、いい結果を出したいと思います。
No.64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING SF14)
前戦岡山を終えた段階で、開幕戦から決勝でのパフォーマンスは比較的悪くはないものの、予選でタイムが出ないという課題がチーム全体として認識していました。それを改善しようということでいろいろとやってきたわけですが、まだ今日ドライコンディションで走れていないので、それが正解だったかどうかはわかりません。その答え合わせは明日ですね。