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　今大会、ここまでの各セッションで最初に動き出すPETRONAS TEAM TOM'Sがこのフリー走行でもNo.2 アンドレ・ロッテラーが走行開始とともに先頭でコースイン。僚友No.2 中嶋一貴もすぐにその後を追う。この週末、8月中旬のこの大会にしては気温、路面温度ともにかなり平年を下回っている。そのわずかと思える差が、タイムの均衡するスーパーフォーミュラではシビアに影響し、それをアジャストするセッティングを見つけ、確認するためにも各車は最初から積極的走行をする。

　開始7分ほどでロッテラーは1分35秒570でトップに立つと、次の周にはただ1人1分34秒983と34秒台に入れる。このロッテラーのタイムは1つ抜けているが、その後方のポジションは時間と共に変わって行き、10分経過時点ではロッテラー、No.8 小林可夢偉（Team KYGNUS SUNOCO SF14）、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ（LENOVO TEAM IMPUL SF14 ）のトップ3となる。この後、一貴が1分35秒633で2番手に。さらに2分後にNo.20 アンドレア・カルダレッリ（LENOVO TEAM IMPUL SF14）も1分35秒532、さらにNo.7 平川亮（ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14）も1分35秒509を出し、2番手の名前が変わっていく。
　セッション中盤では、ロッテラー、平川、カルダレッリ、デ・オリベイラ、No.18 中山雄一（KCMG Elyse SF14）、可夢偉のトップ6となる。昨日の予選でポールポジションを獲得したNo.38 石浦宏明（P.MU/CERUMO・INGING SF14）だが、この時点ではまだ10番手。トップのロッテラーはさらに1分34秒659までタイムアップしており、1.4秒ほどの差がある。
　そしてラスト9分となったところで、No.16 山本尚貴（TEAM 無限 SF14）が7番手に浮上。ここから終盤に各車のタイムが上がるかと思われたところで、平川が第4コーナーの立ち上がりでスピンして、ガードレールにフロントをクラッシュ。平川はすぐにマシンを降り、大きなケガはなかったようが、7号車はマシンのノーズと左前のタイヤ、サスペンションを壊した。直後の10時11分、赤旗が提示されて走行は中断した。
　車両回収が行われ、10時22分に再開となったが、この日のスケジュール進行もあって、走行時間の延長はなし。つまり、実質の走行はこれで終了となり、スタート練習の時間となる。コースオープンと共にコースに出た各車は1周すると、メインストレートのスターティンググリッドに着いて1回のスタート練習を行っていた。終了時の気温は30度、路面温度は37 度とわずかに上昇した。

No.7 平川　亮

　第4戦の決勝レースは、午後15時にスタート。昼前時点で雲は多く、パドックでは雨の心配をする声もちらほら。観る側には厳しい暑さがないのはありがたいが、予想と違う状況にドライバーとエンジニアたちは、セッティングに頭を悩ませる。このフリー走行では、もてぎを得意とするロッテラー、デ・オリベイラが好タイムで上位につける。一方、ポールシッターの石浦は結局10番手、予選2位の野尻は15番手。もちろん、タイムアップの時間を迎える前に走行が終わっているだけに、このタイムが決勝ペースを現すものではないだろう。そして、このフリーで2番手タイムを出しながらマシンを壊した平川は、決勝までに修復が間に合うのか？　予選が重要と言われたもてぎ戦だが、決勝を前に不確定要素が多くなり、まったく予想のつかない状況となってきた。この一戦の勝敗は？　そしてチャンピオンシップの行方は？　第4戦もてぎの決勝レースが待ち遠しい。

No.20 アンドレア・カルダレッリ

決勝での仕事の半分はスタートだ

フリー走行2回目 トップタイム
No.2 アンドレ・ロッテラー（PETRONAS TOM’S SF14）

　今朝の走行では、昨日と比べたらクルマの状況が少し進歩したと思う。その点を最初にテストして、チェックして確認したかった。だから、（満タンではなかった）セッションの最初はただのテストだったよ。（燃料を足してからも）クルマはOKだった。ただ履いていたタイヤがすごく古くて（第2戦で使用したもの）、ちょっと難しかったけど、レースコンディションでのクルマの状況を理解するために確認作業を行ったんだ。
　7番手からのスタートということで、作戦なんかはこれから考えなければならないけど、スタートは大丈夫なはず。スタートがどういう風に行くかによって、作戦も変わってくると思う。（中嶋）一貴が前戦富士で8番手から良いスタートを決めて、表彰台（2位）に上がったのを見ても、今日（決勝）の仕事の半分はスタートだ。その後、多少作戦の採りようはあるだろうけど、そこで大きく挽回するのは難しい。とにかく決勝は、できるだけ前に行きたいと思っているし、その結果、表彰台に上がれればいいね。