SUPER FORMULA Logo

SUPER FORMULA Official Website

JapaneseEnglish

2015 SUPER FORMULA

Round5 Autopolis

  • Autopolis
  • 公式予選 9月12日(土) / 決勝レース 9月13日(日)
    オートポリス : 4.674 km

Race

Result Review

絶妙スタートでトップを奪った中嶋一貴が今季初優勝!
一貴はランキングも2位に浮上。石浦は2位でランキング首位を堅守。3位は可夢偉

image

No.1 中嶋 一貴

9月13日(日)、オートポリス(大分県)で2015年全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦の決勝レースが行われた。予選3位から好スタートでトップを奪ったNo.1 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)が今季初優勝を手にした。2位にはNo.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)が入り、ランキングリーダーの座を守った。3位はNo.8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)で、今季2度目の表彰台に上がった。

2015-09-13 15:03-16:26 天候:晴 コース:ドライ

photo

絶妙なスタートから2台抜きで一貴がトップに立つ

 気温20℃、路面温度27℃というコンディションの下、フォーメーションラップがスタートしたのは午後3時。19台のクルマは、1周のフォーメーションラップを終えて正規グリッドに着く。
 そして、いよいよスタート。ここで今回も抜群の動き出しを見せたのはNo.1 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)。一貴の目の前のグリッド、ポールポジションからスタートしたNo.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)は、ホイールスピンが大き過ぎたということで、1コーナー手前までには一貴に並ばれ、一方2番グリッドのNo.8 小林可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)にはアウト側から並ばれて、挟まれる状況になった。そのため、石浦は接触を避けて少し引く。そして、1コーナーでは最もイン側のラインからアプローチした一貴がトップを奪った。
 これに続いたのが可夢偉。石浦は、3番手に後退することになった。その後ろにつけたのは、No.2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)、No.7 平川亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)、そして11番グリッドからスタートしたNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(LENOVO TEAM IMPUL SF14)。この中から、まず脱落してしまったのはロッテラー。スタートから3周目、ロッテラーはジャンプスタートでドライブスルーペナルティーを科せられて5周目にはピットイン。大きくポジションを落とす結果となっている。その後、4番手に浮上した平川は、あまりペースが上がらず、そこからはトップの3台が次第に抜け出す展開となって行った。

 後方集団では、早目のピットインを行う選手が序盤から登場。No.34 小暮卓史(DRAGO CORSE SF14)は7周を終えたところでピットに入ると、給油のみでコースへ。これを皮切りに、翌周にはNo.4 ウィリアム・ブラー(FUJI×D'station KONDO SF14)、9周を終えたところではNo.41 ナレイン・カーティケヤン(DOCOMO DANDELION M41Y SF14)とNo.65 ベルトラン・バゲット(NAKAJIMA RACING SF14)、10周を終えたところではNo.11 伊沢拓也(REAL SF14)と次々にピットに入るマシンが現れた。

photo
No.38 石浦 宏明

レース序盤、優勝争いは一貴、可夢偉、石浦の3人に絞られる

 一方、上位集団は、レース折り返しまで誰もピットに入らず。ようやく29周を終えて、最初にピットに滑り込んできたのは、可夢偉だった。ここで給油が長かった可夢偉は、20秒というピット作業を終えて、再びコースへ。この時タイヤも交換しているが、戻った場所が、まだピット作業を行っていないドライバーの最後尾になっていたロッテラーの後ろ。ロッテラーはなかなかペースを上げられておらず、可夢偉もそれに付き合わされる結果となった。
 この翌周には、5番手を走行していたNo.16 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)がピットイン。山本のクルーは、給油と4輪タイヤ交換をわずか11秒8で終えて、山本を送り出す。この2周後には、No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)が給油とリヤタイヤ交換。34周を終えたところでは、デ・オリベイラがピットイン。給油と4輪タイヤ交換を13秒3で終えて、山本の前でコースに戻った。しかし、アウトラップの第1ヘアピンで、タイヤが温まっていなかったデ・オリベイラを、山本がオーバーテイク。ポジションを取り戻している。さらに35周を終えたところで、可夢偉のピットイン後、3番手を走っていた平川がピットイン。可夢偉のすぐ後ろでコースに戻った。
 この時点でも、トップ2台は膠着状態。4秒以内で、その差は広がったり縮まったりを繰り返していた。その後ろで、少しずつライバルたちとの差を詰めて行ったのは、No.3 ジェームス・ロシター(FUJI×D'station KONDO SF14)。目の前にいた国本がピットインした後、ロシターは一気にペースアップ。1分31秒台前半のタイムを連発して、上位争いをする体制を作って行った。また、42周を終えたところでロッテラーがピットインし、目の前が開けてからは、可夢偉が好タイムを連発。3番手を盤石にする走りを見せた。

photo
No.8 小林 可夢偉

 45周を終えたところで、トップ2台がピットイン。しかも2台のストップ時間は、ともに9秒8と同タイム。しかし給油のみだった一貴に対して、石浦は給油とフロントタイヤ交換を行っていたため、コースに戻るとタイヤがすでに温まっていた一貴が、3秒半ほどのリードを保った。一方、石浦は、フロントタイヤだけ新しくなったことでクルマのバランスが崩れ、オーバーステアに見舞われる。しかし、タイヤが温まってからは再びペースアップし、一貴を追った。
 この2人がピットに入った翌周、最後にピットに入ったのがロシター。だが、給油のみでコースに戻った時には、デ・オリベイラの真後ろで7番手。猛プッシュはわずかに届かず、ピットイン後に大きくポジションを上げることは叶わなかった。しかし、残り6周を切った49周目の第2ヘアピンで、5番手を走っていた山本がオーバーラン。山本は目の前にいた4番手の平川を捉えるべく、もうアタックを仕掛けていたが、その中でフロントをロックさせてしまった。そのため、すぐ後ろにいたデ・オリベイラとロシターが先行。2人はいずれもポジションを上げている。

photo
No.7 平川 亮

トップ一貴を追い詰める石浦だが、わずかに届かず

 そして、残り5周を切ってから白熱したのはトップ争い。タイヤが温まってからペースを上げた石浦が、オーバーテイクボタンも上手く使いながら1周コンマ5〜1秒、一貴との差を削って行く。2人の差は、残り3周という時点でコンマ748秒まで縮まってきた。しかし、ここから一貴が逆にペースアップ。オーバーテイクボタンを使った上で、本人も踏ん張りを見せ、石浦に付け入る隙を与えなかった。
 その結果、一貴は嬉しい今季初優勝。シリーズランキングも2位に浮上した。2位には石浦。だが、予選でポールポジションを獲得している分、優勝した一貴とのポイント差が大きく縮まることはなく、7ポイント差でシリーズリーダーの地位を守っている。3位には、今季2度目の表彰台獲得となった可夢偉。以下、平川、デ・オリベイラ、ロシター、山本、国本までが入賞となった。

 この結果、計算上でドライバーズ・チャンピオン争いに残っているのは石浦、一貴、デ・オリベイラ、ロッテラー、可夢偉の5人に絞られた。中でも、今後さらに激しくなりそうなのは、トップ3人の争い。石浦がこのまま逃げ切れるのか? あるいは一貴やデ・オリベイラらが、逆転を果たすのか? いよいよシリーズ終盤戦。各戦の状況から、目が離せない展開となってきた。

photo
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ


photo


photo
2位 No.38 石浦宏明 / 優勝 No.1 中嶋一貴 / 3位 No.8 小林可夢偉 / 舘 信秀 優勝チーム監督


記者会見

photo

これまでずっと2位だったので優勝できて良かった

優勝
No.1 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)

非常に苦しいレースでしたが、狙いどおりのレースができました。とりあえずホッとしているのと、これまでずっと2位だった(出場3戦で2位3回)のでそういう意味では優勝できて良かったですね。ただ(ランキングトップの石浦宏明との)ポイントはあまり縮まらなかったな、というのは正直な感想です。
今朝のフリー走行ではトライしたセットアップがあまりうまく行きませんでした。途中からペースが伸びなかったんです。でも走り出しのペースは悪くなかったので、思ったよりもレースでは戦えるかなと思っていました。(スタート前チェックの)8分間ではタイヤもいい状態だったはずなのに、あまりグリップせず…(苦笑)。悪くはないだろうと思っていたので、あまり(セッティングを)触らないようにして、スタートだけを考えて行った感じです。
(タイヤの)無交換を決めたのは、(小林)可夢偉が入って4輪交換したところで(ピット作業の内容を)合わせるのか合わせなくていいのかということがまずひとつありました。それから、ちょっとずつ石浦の方が速かったんですけど、後ろとのタイム差を見ながら走っていました。(駆け引きに関しては)こっちが先に(ピットへ)入ったら、向こうは逆のこと(作業)をしてくるだろうなというのがあったので、(タイミングを)引っ張れるだけ引っ張ることになりました。4輪交換したかったんですが、こっちが換えれば向こう(石浦)は換えないだろうなと思ったし、かといって僕のクルマの感じからして前後どちらかだけを換えるという選択肢はありませんでした。4輪換えるか換えないかという話をずっとしていて、最終的にあそこまで(45周終了)行ったら換えないということになりました。あとで石浦が前しか(タイヤを)換えてないと聞いて、もし4輪換えられるとイヤだなと思ったから、このままいける(リードできる)かなと思ったのですが、前だけでも(石浦が)十分に速かったですね。
レース終盤、ペースアップできたのはオーバーテイクボタンを押したから。コンマ3秒くらい上がりますね。それと人間(自分自身)のがんばりじゃないですか(笑)。タイヤを換えたのが残り8周ですか? 最初の3周くらいは(石浦が)来なかったので、これは行ける(逃げ切れる)のかなと自分も安全に行ったんです。そしたら途中から(石浦が)急にペースアップしちゃって…。ちょっとがんばらなきゃ、と思いました。
最後まで諦めずに走れたのは良かった

2位
No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)

今週はずっといい流れで行ってて、今朝の満タンの状態でもタイムが良かったし、常にいい流れでした。唯一スタートだけが…。反応は良かったのですが、ちょっとホイールスピンしちゃって、両側から(中嶋)一貴選手と(小林)可夢偉選手に挟まれる形でちょっと1コーナーで引くことになりました。スタート前のグリッド上でも、万が一スタートで前に行かれたとしてもいろいろと作戦でがんばろうとチームと話していました。
もしかしたら、(ガソリン搭載量が)軽いクルマがいるかもという思いがあったので諦めずについていけばチャンスがあるかもと思い、必死でした。フロントタイヤ2本を交換する作戦は自分が決めました。でも換えてみたら想像以上にオーバーステアがひどくてちょっと最終コーナーでスピンしかけて危なかったんですが、ちょっとずつ慣れてきて追い上げることができました。最後はオーバーテイクシステムも使い切って少しでもチャンスが生まれたら、と(チャンスを)待っていたのですが、一貴選手は全然ミスをしてくれなくて…。ただ最後まで諦めずに走れたのは良かったかなと思います。
フロントタイヤの交換を決めたのは、タイヤを交換する前の段階で、上りセクションでは荷重のない状態でハンドルを切っているので、結構アンダー(ステアの状況)次第でタイムが落ちているかなという感じがありました。もちろんリアも落ちてくるんですが、どっちを換えたらタイムアップするかなと考えたときに、安易な考えではあったのですが、前を換えたらボトムスピードが上がるかなと思って決めました。チームからは(無線で)何回も「もう一度聞くけど、前2本?」って聞かれました(笑)。「前でいいです」って答えました。
ピットインしたときは、先に入った一貴選手がどうしているか見えなかったんです。同じタイミングで出たのでピット作業の時間は同じくらいだということはわかりましたが「どっち(のタイヤ)を換えたのかな?」と。アウトラップでだいぶ離されたので自分のアウトラップが遅いのかなと思い、そこからプッシュしたらものすごいオーバーステアで…。困りました。そこで走り方をあまりがんばらず、それなりに走ったらだんだんタイムも上がってきました。(一貴には)近づいたんですが、オーバーステアなので無理はできない。で、無理はできないから(一貴が)なにかミスをしてくれたらうれしいなと思い、オーバーテイクボタンを押したんです。0.3秒くらいのアドバンテージがあることは朝の(フリー走行の)段階でわかっていたので、使えるだけ使って少しでもプレッシャーをかけました。でもクルマが前に近づくと空力が乱れて危ない感じだったので、あれ以上はなかなか前との差を詰めることはできませんでしたね。
選手権ポイントは、昨日のポールポジション獲得で1点多く追加できたのが良かったです。やっぱり毎戦同じようなメンバーで表彰台に上がっていると、あまりその差はかわりませんが、僕の中では最終戦でチャンピオン争いをしてそこで勝負かなと思うので、次のレースでもそのチャンスを失わないように、できることならポイント差を広げて最終戦を迎えたいですが、そんなに自分がすごくチャンスがあるという感じでもないかなと思っています。
自分たちの中でチャレンジした結果。残念ながら運がなかった

3位
No.8 小林 可夢偉(Team KYGNUS SUNOCO SF14)

オートポリスでレースをするのが初めてで、ほとんどわからない状態でしたが、流れとしては悪くはなかったかと思います。一番のハイライトはというと、僕の戦略ですね。今日、僕は誕生日なので運があると思っていたんです。だからスタートで前に立ったら逃げ切って、多分いける(優勝できる)と思い、そこに賭けたんです。今朝のフリー走行でペース的に僕のほうが(石浦や一貴に)若干負けているという気がしたので、まともに行っても勝負できないと思ったからです。この戦略を採ったとしても表彰台には上がれるという自信はありました。でも普通に行ったら勝てないので違う戦略を採らなきゃいけないなと思ったんです。
自分たちの中でチャレンジした結果ですね。僕としては残念ながら運がなかったかなと思います。ペース的には、やっぱりちょっと負けている部分がありながらも、燃料が軽い分でカバーできたと思います。残念ながらアンドレ(ロッテラー)があそこにいた(ピット作業を終えた小林はロッテラーの後ろで周回を重ねた)分、計算外でしたね。もし彼がいなければトップ集団についていけたので、そこが惜しいですね。それ以外は全体的にいい一週間だったなと思います。チームのみなさんもすごくがんばってくれて、ここまでの戦いを作れたのかなと思います。
スタートは悪くなかったんです。1コーナーのライン取りの関係で一貴の姿が見えてなかったんです。だから(1コーナーで)インに入ろうと思ったら、入りはじめたときに(一貴の存在に)気がつきました。ブラインド状態だったんです。それで前に行かれた、というわけです。正直そのときにこの戦略ではあまり動かない(順位の変動がない)ということがわかりました。が、僕はそこに賭けてたのでうまくいかなかったというわけですね。

タイヤ無交換の作戦が奏功した

優勝チーム監督
舘 信秀 監督(PETRONAS TEAM TOM'S)

すごくしびれるレースでしたね。結果的には作戦が成功したのですが、ちょっと(小林)可夢偉がドジってくれたから…(笑)、あ、そうじゃない。作戦だね、ごめんなさい(笑)。ちょっと(ガソリン搭載量を)軽めに行ってくれたので、(ピットイン時に)ガソリンたくさん入れてくれたのでそういう意味では良かった。
あとはいつも異次元のスピードを見せてくれる石浦(宏明)君に(一貴が)耐えて走りました。あとはタイヤ無交換の作戦が奏功したと思います。ありがとうございました。


photo