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KONDO RACING

4吉田 正幸

ドライバー:ウィリアム・ブラー

1.前戦・ツインリンクもてぎについて
Q

例年はシリーズの中で最も暑い気象状況の中でのレースになるもてぎ戦であり、それを想定したセッティングを組み立てて持ち込まれたのでしょうか? そして今回は気温が意外に上がらず、路面のグリップも低かったようでしたが、その中で「持ち込みセット」での走り始めはどんな状況でしたか?

A

暑い、寒いはあまり関係なくセッティングを組み立てました。走り始めのバランスは問題ありませんでしたがタイムが上がらない状況でした。結局、フリー走行の中でその明確な原因はつかめずに終わってしまいました。

Q

フリー走行を終えてから予選に向けて、さらに予選を戦う中でマシンのセットアップはどのように進めましたか? その方向性、変更の内容について、差し支えない範囲で書いていただければと思います。

A

フリー走行のデータを確認して、これだと思うところについてセットアップを変更しました.方向性としてはトラクションを改善すべく、リヤ周りをいじりました.また、3号車でよかったものについては、セットアップを合わせました.

Q

予選全体について、うまくいったところ、うまくいかなかったところ、全体の印象などを振り返ってください。その内容を自己採点すると100点満点で何点でしょうか?

A

上記で変更したことが全くトラクションの改善につながらず、車両の動きもおかしくなって予選ではまったくパフォーマンスを発揮できませんでした.自己採点すると0点になってしまいます.

Q

決勝レースを前にかなりの雨量が落ちてきましたが、その対応は? とくに8分間のウォームアップからスターティング・グリッド上まで、マシン・セッティングに関してどんな作業を行いましたか?

A

決勝は予選からさらにセットアップを変更して臨みました.朝のフリー走行でドライのバランスは確認できたので、8分間のウォームアップはウェットのセットアップを確認するため、ウェットタイヤで走行しました.

Q

決勝を走ったセットアップ(結局ドライ路面仕様だったかと思いますが)において、もてぎならではのボイントはどんなところでしたか。その良かった面と「もう少し」という面はどのあたりでしたか? そのセットアップを自己採点すると100点満点で何点でしょう?

A

もてぎならではという部分はエアロになります.サーキット・レイアウトに合わせた最適なダウンフォース・レベルになるように設定しています。決勝のセットアップについてはうまくいったと思います。レースのペースもよかったので、自己採点は80点でしょうか。

Q

決勝レースの戦略面を振り返ってください。うまく行ったところ、うまくはまらなかったところはどのあたりですか? トラブルに遭遇された場合はその状況・内容などにも触れていただけるとうれしいです。

A

レース戦略は状況を見ながら臨機応変に対応しました。今回はレースペースがよかったので、なるべく引っ張る作戦にしました。タイヤは交換しなくても大丈夫だったと思いますが、結果はどちらにしても変わりませんでした。

*なるべく引っ張る作戦: 早いところは11周目からピットストップを敢行したのに対して#3は35周完了時、最も遅い=後まで引っ張ったタイミングでピットインした。TECHNOLOGY LABORATRYツインリンクもてぎ戦レビューのラップチャートご参照。

Q

ドライバーのパフォーマンスはいかがでしたか?

A

予選はセットアップが悪くてパフォーマンスを発揮できず、申し訳なく思っています。
そのかわり決勝レースでは十分にコンペティティブなタイムを連発してくれました。

2.第5戦・オートポリスに向けて
Q

改めて、オートポリスのコース特性・個性・特徴をどうとらえていますか?(とくにアップダウン、コーナー、舗装などについて) セッティングを組み立てる時に考えることが多い、難しい、あるいはそうでもない…。いかがでしょう?

A

オートポリスはアップダウンがあり、コーナーも多く、舗装が悪いのが特徴ですが、セッティングの要素はどのサーキットも同じです。

Q

オートポリスのコースに合わせるマシン・セットアップの方向性、マシンの基本特性はどうなる(のが良い)とお考えですか? あるいは担当するドライバーに対して「ここではこんな特性にしてあげたい」というものはありますか?

A

セットアップとしてはコースレイアウトに最適なダウンフォースレベルを決めて、それに合わせたサスペンションの設定にします。どんなコーナーでもバランスが変化しないのが理想です。

*バランスが変化しない: マシン・セットアップの中で「バランス」と言う場合は「前後の」であることがほとんど。この場合はまず、車速の二乗に比例して変化する空力(ダウンフォース)の前後バランスの、速度による変動、次にタイヤ・グリップの変化を見るということになる。

Q

無給油だった昨年と異なり、レース距離250kmで給油が必要なレースになりますが、それに対応するマシン側の準備はいかがですか? ピット設備・ピット作業の準備など何か特別なこと、新しいことはあまりますか?

A

給油口が逆になるだけですが、ピット作業などへの影響がどうなるかは確認中です。

Q

給油が必要になったことで決勝レースの流れは昨年とは違ってくると思いますが、いかがですか? 現時点では何種類ぐらいのシナリオを描いていますか? 基本戦略、それに対して変数となるのはどのあたりでしょうか?

A

給油が必要になり、他のレースと同じになるので、とくにいつもと変わりません。今年から走るドライバーなので、いつものように必要な情報が得られた時点でシナリオを考えます。

Q

ストレートが比較的短く、コース幅も広くはなく、アップダウンが多い、とくにコース後半は上り勾配が続く、というオートポリスですが、オーバーテイク・システムの効果的な使い方として何かお考えはありますか?

A

シミュレーションをして、もっとも効果的な場所を決めています。

Q

担当されるドライバー、自車のセッティングの方向などから「こういうところを見てください」というポイントになるのはどんなところでしょうか? それを見て取ることができる(できそうな)観戦ポイントとしてはどこがお勧めでしょうか?

A

ブラー選手が得意なT10、T11のブレーキング競争をお勧めします。

*T(ターン)10、T(ターン)11: T10は第2ヘアピン、T11はジェットコースターストレート端の下り60R。

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