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Rd.1 Suzuka Circuit

  • 公式予選:2010年4月17日(土)
    決  勝:2010年4月18日(日)
  • 鈴鹿サーキット:5.807 km

Race

小暮卓史(NAKAJIMA RACING)が逆転で今季初優勝!

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No.32 小暮 卓史


2010-04-18 □天候:晴れ|コース:ドライ|開始:温度18度/路面温度32度

 鈴鹿サーキットを舞台に行われたフォーミュラ・ニッポン開幕戦は、各所でバトルが起こる見応えたっぷりの1戦となった。このレースを制したのは、スタートで2番手となりながら、ピットストップで再逆転を果たした№32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)。2位にはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)、3位には№36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)。以下、№20平手晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)、№2伊沢拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、№1ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が続いた。

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No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

 決勝のフォーメーションラップがスタートしたのは、午後1時45分。朝から続いた好天で気温が18℃、路面温度が32℃まで上昇する中、いよいよ正式スタートに向けての序奏が始まる。しかし、ここで痛恨のエンジンストールを喫してしまったのが、9番手グリッドについていた№37大嶋和也 (PETRONAS TOM’S)。大嶋は押しがけで再スタートしたが、隊列の最後尾に着くこととなった。そして、全車が正規グリッドに整列すると、シグナルレッドからブラックアウト。ここでホールショットを奪ったのは、2番グリッドからスタートしたオリベイラ。小暮は若干遅れて2番手で1コーナーに入る。さらに、伊沢、ロッテラー、№10塚越広大(HFDP RACING)、デュバルと続いた。№8石浦宏明(Team LeMans)もピットからスタート。またスタート直後にS字コーナーのひとつ目で№7ケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)がバランスを失い、№18平中克幸(KCMG)に接触。両者ともマシンにダメージを負い、オープニングラップでリタイヤすることとなった。

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No.36 アンドレ・ロッテラー

 トップ争いは序盤からオリベイラが小暮を突き放す展開。その後方では、伊沢がロッテラーを抑え込む形となるが、前の2台と比べると伊沢のペースは若干遅く、ジワジワとギャップが広がっていく。ペース的に伊沢を上回るロッテラーは、再三オーバーテイクしようと試みるが、「後ろにつくとダウンフォースを失ってしまう」ということで、なかなか攻略はならなかった。その間に、塚越もこの2台に追いつき、ロッテラーに迫った。またその後方では、スタートで7番手に躍り出た№16井出有治(MOTUL TEAM 無限)と№31山本尚貴(NAKAJIMA RACING)、平手がやはり僅差でのバトルとなる。この7番手集団から抜け出してきたのは、平手だった。平手は5周目の1コーナーで山本をかわすと、 12周目には井出もオーバーテイク。さらに、レースが13周目に差し掛かったところで、塚越がパドルシフトの問題からスローダウンすると、5番手まで浮上した。
一方、上位を争うドライバーの中では、伊沢攻略に苦しんでいたロッテラーが13周を終えたところでピットイン。タイヤ交換と給油を終えてコースに戻る。これを見て、翌周には伊沢もピットイン。伊沢はここで再び、ロッテラーの前に出ることに成功した。しかし、伊沢はアウトラップでタイヤが冷えていたこともあり、スプーンコーナー1つ目の入り口でロッテラーにイン側から並ばれ、再々逆転。ロッテラーは1分43秒台のタイムを連発し、猛烈な勢いで前を追うこととなった。

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No.2 伊沢 拓也

 この頃、トップ争いの2台は約3秒余りのギャップで周回を重ねていたが、そこからさらにオリベイラがジワジワとギャップを広げ、25周を終えたところでは 4秒余りの差に。そして、26周を終えたところでオリベイラは満を持してピットイン。ところが、ここでチーム内のコミュニケーションに混乱が発生した。オリベイラはスタート前から給油に加え、タイヤ4輪交換と2輪交換、2種類の作戦を考えており、チームは最後の最後にリヤのみの2本タイヤ交換を選択する。だが、ここでの指示が若干遅れたためか、作業にもわずかなロスが発生した。一方、オリベイラがピットに入ったのを見て、その翌周、27周を終えたところでピットインしたのが小暮。給油を行なうとともに、ここで迷うことなくリヤタイヤのみを交換する。小暮がピットアウトした時には、オリベイラの前に出ることに成功した。また、小暮と同じ周にピットインしたのが、平手。平手は給油とともに、タイヤを4本交換。デュバルの後ろでコースに戻っている。

ここからは小暮が逃げる展開。オリベイラが1秒差でそれを追う。さらに、この2人を上回るペースでロッテラーが後方から迫った。しかし、最後までこの順位は入れ代わることなく、37周のレースを終えて、小暮は今季嬉しい初優勝。オリベイラが復帰初戦で2位表彰台、ロッテラーが3位表彰台を獲得している。その後方では、平手がファステストラップを叩き出す猛プッシュで前を追い、32周目の130Rでデュバルをインからオーバーテイク。さらに36周目のダンロップでは伊沢も攻略し、4番手に浮上した。この迫力あるオーバーテイクに場内も大興奮。平手がチェッカーフラッグをくぐった時には、温かい拍手が送られた。以下、伊沢、デュバル、山本、塚越までが入賞という結果になっている。

 

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2位 No.19 J.P・デ・オリベイラ/優勝 No.32 小暮 卓史 /3位 No.36 アンドレ・ロッテラー

何とか凌ぎ切って優勝することができて嬉しい
優勝 小暮 卓史(No.32 NAKAJIMA RACING)
 まず本当に優勝できたことを心から嬉しく思っていますし、チームに感謝したいです。作戦勝ちというか、すごくいいレースになりました。作戦に関してはチームが全部決めてくれたんですけど、タイヤ2本交換で走り切れるぐらいの燃料を積んでいました。前を走るオリベイラ選手がどういう作戦を採るのか、タイヤを何本交換するのかは分からないわけですけど、自分としてはついていきたかったですし、「チャンスはある」という風に無線でも聞いていました。だから、序盤ではフロントタイヤにちょっとフラットスポットを作ってしまってなかなかペースが上がらなかったんですけど、何とかついていけました。その後はチームが素晴らしいピット作業をしてくれまして、無事トップでコースに戻ることができましたね。ただ、その後、終盤に入って燃料が軽くなってから、デグナー2つ目で同じところにまた大きなフラットスポットを作ってしまって、最後はすごく詰められたのでヒヤヒヤしましたが、何とか凌ぎ切って優勝することができて嬉しいです。
シーズンのスタートとしてはとても良かった
決勝2位 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.19 Mobil 1 TEAM IMPUL)
 2位でフィニッシュして大きなポイントを得られたので、シーズンのスタートとしてはとても良かったと思う。でも今日の状況だったら、できれば勝ちたかったよね。すごくいいスタートを切ってトップに立って、その後は小暮さんに対して4秒半とか5秒近い差を築くことができたんだから。これだけの差があれば、ピット作業の後でも順位を守れると思っていたんだ。今日、僕らは柔軟な作戦を取っていて、タイヤ交換はリヤ2本でも4本でも、どちらでも行けるようにと考えていた。そしてピットに入ってきた時に、2本交換で行こうと決めたんだ。そのメッセージがちゃんとチームに伝わっていたかどうか確信が持てないんだけど、とにかく作業に入る時に、ちょっとみんなが躊躇した部分があったみたいで、そこでタイムをロスしてしまったんだよね。でも、1年間のブランクがあった後に戻ってきて、最初のレースを2位で終えられたのは良かった。これからのシーズンが楽しみだね。
予選やスタートの展開が違っていれば、優勝もできたと思う
決勝3位 アンドレ・ロッテラー(No.36 PETRONAS TEAM TOM'S)
 レースはスタートで出遅れてしまったし、最高ではなかったよね。スタートが良くなかったために、前半は伊沢さんの後ろにつくことになったけど、今のフォーミュラ・ニッポンは、前にクルマがいるとダウンフォースが抜けてしまうし、タイヤが冷えてしまって、なかなかオーバーテイクできないんだ。その結果、同じようなことを繰り返すことになってしまった。だから、ピットインのタイミングを少し早めて、伊沢さんの前に出ることを狙った。実際に前に出てからは、とにかくプッシュし続けたんだけど、周回数が少なくて、僕たちのクルマのポテンシャルを最大限に生かすことができなかった。見ての通り、僕らのクルマは昨日から素晴らしい仕上がりだった。でも、それを上手く結果につなげられなかったのは残念だったね。もちろん予選やスタートの展開が違っていれば、優勝もできたと思う。でもレースっていうのは、色々なことが起こるものだからね。それに開幕戦を3位で終えられたのは、悪くないスタートだ。僕らのクルマは進化しているし、ナカジマとの差も去年より縮まっていると感じている。だから、今後のレースが楽しみだよね。

作戦勝ちではなく、小暮くんが頑張ってくれたから
優勝チーム監督 中嶋悟(NAKAJIMA RACING)
 作戦勝ちっていうと、小暮くんじゃなくてこっち(チーム)が、っていうことになってしまいますけど、そうではなくて、あの位置にいた小暮くんが頑張ってくれたからですね。クルマは決して満足行く状況ではなかったらしいんですけど、何とか踏ん張って、離されずについていくという、かなり素晴らしい走りだったと思います。あの状況であれば、逆転も可能だと思っていましたし、挽回できる範囲で走ってくれて良かったですね。

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