鈴鹿での開幕戦から約1ヶ月。2010全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦が、栃木県・ツインリンクもてぎに舞台を移して行なわれた。初夏を思わせる好天に恵まれた5月22日(土)、まず行なわれたのは午前9時40分から1時間のフリー走行。セッション開始時点で気温は26℃、路面温度は32℃まで上昇し、汗ばむようなコンディションとなった。
ピット出口がオープンされると、ユーズドタイヤを装着して、数台のマシンがコースへと入って行く。このうちの何台かは、マシンの状況をチェックしただけでピットイン。他のマシンも、序盤はブレーキの焼き入れなど、レースに備えての作業を行なったり、ルーキーや復帰組は、FN09でもてぎを走行するのが初めてということで、精力的に周回を重ねた。そして、セッション開始から15分余りが経過すると、ベテラン勢も本格的に走行を開始。まずは開幕戦を制している №32小暮卓史(NAKAJIAMA RACING)がユーズドタイヤで1分35秒878をマークし、トップに立つ。これに続いたのは復帰2戦目の№18平中克幸(KCMG)。さらに、ディフェンディングチャンピオンの№1ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)と続いた。これをユーズドタイヤで上回ってきたのは、№19J.P.デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)。セッションの残り時間が約10分というところで、オリベイラは1分35秒700までタイムアップし、小暮を上回ってきた。そして、残り時間が約5分となったところからは、いよいよ各マシンがニュータイヤでのタイムアタックに入る。ここでまず1分35秒を切ってきたのは、小暮。小暮はセッションの残り時間が1分を切った時点で、1分34秒775までタイムを伸ばし、トップに立つ。その後、№10塚越広大(HFDP RACING)やオリベイラがベストタイムを更新するが、小暮にはわずかにコンマ1秒ほど届かなかった。これで開幕と同様、小暮がそのままトップタイムでセッションが終わるのかと思われた。しかし、今回はそれを上回ってきたドライバーがいた。チェッカー目前に1分34秒667というタイムを叩き出したのは、№36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)。さらにチェッカーフラッグが振られてから、再度自己ベストを更新したのが、オリベイラ。2周目のアタックでさらにタイムを刻んだオリベイラは、1分34秒615を叩き出し、最終的にトップに立っている。2番手にはロッテラー、3番手には小暮と、開幕戦で表彰台に立っている3選手が今回も揃って上位に並ぶ。さらに、塚越、デュバル、№31山本尚貴(NAKAJIMA RACING)と、開幕でも活躍を見せたドライバーたちが、最初のセッションから勢いを見せた。午後の予選では、この中から誰がポールポジションを獲得するのか。僅かなミスが、大きくポジションに響くもてぎ。各ドライバーのタイム差も非常に小さい分、予想できないドラマが待っている可能性もある。注目の予選セッションは午後2時25分。今回もノックアウト方式で行なわれる。