No.20 平手 晃平
午前中に行なわれた予選に続き、7月18日(日)の午後、フォーミュラ・ニッポン第3戦の決勝レースが行なわれた。非常に暑いコンディションの中、ドライバーにとってもタフな一戦となったが、200km・44周のレースで序盤から独走劇を見せて今季初優勝を果たしたのは、№20平手晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)。2位には№36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)、3位には№19J.P.デ・オリベイラ(Mobil1 IMPUL)。この結果、シリーズランキングではオリベイラがトップを堅持。ロッテラーが2番手に浮上し、今回5位に終わった№32小暮卓史 (NAKAJIMA RACING)が3番手に後退。今日、優勝を果たした平手が、小暮と2ポイント差に迫る4番手に浮上した。
No.36 アンドレ・ロッテラー
ジリジリと照りつける真夏の太陽の下、気温31℃、路面温度46℃というコンディションとなった午後2時45分、フォーメーションラップがスタート。14 台のマシンが正規グリッドに着く。レッドシグナルが1つ1つ点灯し、オールレッドからブラックアウト。いよいよ正式スタートが切られる。ここで異変が発生した。ポールシッターの№1ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がエンジンストール。完全にコース上に止まってしまう。そのため、後方のマシンは大混乱。中団グループは大きく順位が入れ代わる。一方、ここでホールショットを奪ったのは平手。これにロッテラー、小暮と続くが、1コーナーのブレーキングで、小暮がロッテラーに軽く追突。その真後ろにいたオリベイラはその2台との接触を避けて1コーナーでアウト側にはみ出し、一旦ポジションを落とした。同じ周のコカ・コーラ・コーナーでは、好スタートを切った №37大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM’S)が№8石浦宏明(Team LeMans)と小暮をかわし、3番手に浮上した。さらにダンロップコーナーでは、一時6番手まで後退したオリベイラが石浦をオーバーテイク。これで1周を終えてのオーダーは、平手、ロッテラー、大嶋、小暮、オリベイラ、石浦となる。
No.19 J.P.デ・オリベイラ
トップの平手は1周目から、他のマシンよりもコンマ5秒ほど速い1分29秒台前半のラップを刻み独走。わずか5周で2番手以降に対し約4秒というマージンを稼ぐ。その後方ではオリベイラがポジションを徐々に回復。2周目のコカ・コーラ・コーナーで小暮をかわして4番手とすると、6周目の1コーナーではオーバーテイクボタンを使って大嶋をかわし、3番手まで浮上した。ここからオリベイラは、前を行くロッテラーとのタイム差をジワジワと削っていき、10周を終えたあたりから2台の争いはテール・トゥ・ノーズとなる。コーナー区間では明らかにペースが速いオリベイラ。しかし、最終コーナー立ち上がりからストレートにかけてはロッテラーの方が速く、なかなかポジションの入れ代わりまでは至らない。結局この接近戦バトルは30周近くに渡り続いたが、これでオリベイラはフロントタイヤを消耗したのか、レースが終盤に入るとロッテラーのペースが次第に上回り始め、2台のギャップも次第に広がっていった。この間にトップの平手はどんどんギャップを開き、最大では14秒近くも後続を引き離す。その後も、平手は危なげなく走り切り、今季初のトップチェッカー。デビューイヤーに 2ヒート制のレースで、リバースグリッドから優勝したことはあったが、ノーマルグリッドからスタートする1ヒート制のレースでは初めての優勝を果たした。ロッテラーは激しいバトルを演じた末ポジションを死守し、2位。風邪を引いて体調を崩しながらも最後まで粘りの走りを見せたオリベイラが,3位に入賞している。
2位 No.36 アンドレ・ロッテラー / 優勝 No.20 平手 晃平 / 3位 No.19 J.P.デ・オリベイラ