2011 Formula NIPPON
2010年 第4戦
全7戦で行われる2011年のフォーミュラ・ニッポン。第4戦ツインリンクもてぎ(8/6,7)は、まさにシリーズ戦の折り返しとなる。ここまで、アンドレ・ロッテラーが2勝、中嶋一貴が1勝とPETRONAS TEAM TOM'S勢が3連勝を決めている。それだけにこの一戦は、彼らの独走を止めるためにも、またタイトル争いに加わるためにも、ライバル勢が巻き返しを狙ってくるはず。超テクニカルなツインリンクもてぎでは、これまで以上にホットな戦いが展開されそうだ。
No.36 アンドレ・ロッテラー
ツインリンクもてぎは、栃木県と茨城県の県境近く、水澄む那珂川の近くにある緑豊かな地区にあるサーキットだ(所在地は栃木県)。
レイアウトとしては、クルッと回り込むコーナーが多めで非常にテクニカル。特にブレーキングとコーナリングのテクニックが問われるのだ。大きな加減速が何度もあり、ドライバーの体力も必要とされる。この8月、真夏のレースではなおさらきつい勝負となるだろう。
No.37 中嶋一貴
もてぎ、最大の勝負どころは、最高速が出るダウンヒルストレートから90度コーナーに掛けて。ヘアピンからオーバーテイク・システムを活用し、超高速のストレートでの駆け引き、そして90度コーナーでのブレーキング勝負、インかアウトか、と息詰まるシーンが展開されるだろう。ここでオーバーテイク・ランプの点滅を見たら目を離してはいけない。他にもテクニカルなコーナーでのドライバーによるコーナリング方法、ラインの違いなども楽しめるコースだ。
先の東日本大震災によってコースが被災したが、今大会を前に路面の補修を完了。走行にまったく問題は無いが、微妙なセッティングが問われ、100分の1秒を争う予選もあるフォーミュラ・ニッポンだけに、各ドライバーとチームのセッティング能力もいつも以上に勝負に影響しそうだ。
路面状況の変化に対応するセッティング能力となれば、やはりベテラン勢にアドバンテージがありそうだ。もてぎを得意とするNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、そしてディフェンディングチャンピオンNo.1 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(TEAM IMPUL)、そして今季2戦2勝(1戦欠場)と絶好調のNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)たちによる熾烈な勝負が予選から見られそうだ。ことにタイトル争いで出遅れた小暮、デ・オリベイラの奮闘が楽しみだ。
だが、彼らベテラン勢を脅かしそうなのが、今季心境著しいNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)やNo.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.41 塚越広大(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、No.2 平手晃平(TEAM IMPUL)、No.7 大嶋和也らのニューウェーブだ。彼らのガンバリにも期待したい。
No.32 小暮卓史
No.1 J.P・デ・オリベイラ
今季、中嶋一貴はレース戦略の巧みさで1勝3位2回を手にしている。昨今のフォーミュラ・ニッポンでは、このような戦略面も勝敗の大きな鍵となる。
今大会も決勝レース中に2回のピットインをし、それぞれタイヤ交換をすることが義務付けられている。そのため、各チームがピットインをいつ行うかも興味深い。そして、メカニックの技量、作戦を指揮する監督やエンジニアの頭脳といったチームの総合力も問われることになる。
また、2回共にタイヤ交換を行うと言うことは、レースのほとんどをコンディションの良いタイヤで走ることになり、給油のタイムロスもほとんど考慮しなくていいはず。となれば、ガンガン行く全開走行の追い上げやバトルが数多く展開されそうだ。まさにレースのだいご味がたっぷりと詰まった一戦になるだろう。
シリーズ折り返し、タイトル争いのサバイバルも始まる第4戦。夏休みの週末に、ホットなレースを存分に味わって欲しい。