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波乱の起きやすい高速サーキット

　第6戦の舞台となるスポーツランドSUGOは、宮城県仙台市から車で1時間ほどの山間部にある。緑豊かな山間にあり、爽やかな秋を楽しむには絶好のロケーションでもある。さて、サーキット自体は、中高速コーナーが中心で高速コースといえる。また、山間だけにアップダウンもきつめで、上りながら下りながらのマシン操作はドライバーの腕を問い単なるパワーサーキットではない。このため、力量あるドライバーが揃うスーパーフォーミュラでは、接戦、混戦が多く見ごたえのあるレースが展開されるだろう。

No.2 アンドレ・ロッテラー
No.8 ロイック・デュバル

ラスト2戦、大詰めを迎えるタイトル争い

　この第6戦も含め、今季は残り2戦。ドライバーズチャンピオンの争いも佳境に入った。現在、ランキングのトップに立つのはNo.2 アンドレ・ロッテラー（PETRONAS TEAM TOM'S）で、2勝を挙げ29ポイントを獲得している。9ポイント差につけるのは、Np.8 ロイック・デュバル（KYGNUS SUNOCO Team LeMans）、11ポイント差でNo.16 山本尚貴（TEAM 無限）。さらに13ポイント差でNo.1 中嶋一貴（PETRONAS TEAM TOM'S）とNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ（Lenovo TEAM IMPUL）が並ぶ。
　最終戦は2レース制でより多くポイントが獲得できるので、ラスト2戦で3勝3ポール、最大29ポイントが手に入る。しかもロッテラーとデュバルは最終戦を欠場する予定である。となれば、現時点で数ポイントでも獲得していれば、数字の上では逆転できる。だがこれは現実的でない。常識的に考えると、トップから10ポイント以内のNo.40 伊沢拓也（DOCOMO TEAM DANDELION RACING）、No.20 松田次生（Lenovo TEAM IMPUL）、No.32 小暮卓史（NAKAJIMA RACING）までにチャンスがあるだろう。
　ランキングのトップのロッテラーは最終戦を欠場するだけに、第6戦SUGOで少しでも多くのポイントが欲しい。表彰台には上って、最終戦で逆転を狙うライバルにプレッシャーを掛けておきたい。同じく最終戦欠場のデュバルは、この一戦でロッテラーを抜かねばならない。9ポイント差ということは、平たく言って優勝しかないのだ。
　ランキング3位の山本は、最低での表彰台。とにかくロッテラー前でゴールしポイントを詰めないといけない。また、最終戦でのポイント差が接近していれば同ポイントでトップに並ぶということも。この時に未勝利では不利になる（上位入賞が多い方が上）ため、勝利のない山本やデ・オリベイラは、ポイントを重ねるだけでなく優勝も必須になる。ポイント的に離されている中嶋一貴は、このSUGOでロッテラーとデュバルの前で最低でも表彰台が必須だ。
　かなりポイント差がある伊沢や松田らは3連勝（最終戦は2レース制）の意気で臨むしかない。

No.16 山本尚貴
No.1 中嶋一貴

インディ優勝を果たした佐藤琢磨に期待大

　この第6戦SUGOではインディドライバーのNo.15 佐藤琢磨（TEAM 無限）が、再びグリッドにマシンを並べる。スポット参戦した開幕戦鈴鹿では予選6位。決勝こそ下位に甘んじたが、随所に実力を見せた。その後、インディ第3戦では見事に初優勝を果たし、凱旋のSUGOでは開幕戦以上のパフォーマンスを見せてくれるはず。昨年は初めてスーパーフォーミュラ（当時はフォーミュラ・ニッポン）、初めてのSUGO、しかも雨で、苦戦を強いられたが、今年はトップ争いに絡んできそうだ。またベテラン佐藤の復帰は、初めてタイトルを争うチームメイトの山本にとっても、力強い存在となるだろう。 　佐藤以外にもランキング上位陣を脅かすドライバーは、まだまだいる。優勝を渇望しているNo.38 平手晃平（P.MU/CERUMO・INGING）やNo.10 塚越広大（HP REAL RACING）、そして初優勝を目指す国本雄資（P.MU/CERUMO・INGING）、さらにはスーパールーキーのNo.7 平川亮（KYGNUS SUNOCO Team LeMans）などなど。彼らのパフォーマンスにも注目してほしい。

No.15 佐藤琢磨
No.7 平川亮

　ともあれ、見どころ豊富な第6戦スポーツランドSUGOは、9月28日（土）に予選、29日（日）に決勝が行われる。ぜひサーキットへ、それができない方はJ SPORTSの中継で楽しんでほしい。