2013 SUPER FORMULA
JAF Grand Prix FUJI SPRINT CUP
- Fuji Speedway
- 公式予選
決 勝 -
: 2013年11月23日(土)
: 2013年11月24日(日) -
富士スピードウェイ : 4.563 km
Race
No.39 国本雄資がパーフェクトな初優勝でJAFグランプリ獲得!!
見事なポール・トゥ・ウイン。2位のデュバルを寄せ付けず。3位は松田次生が入る。
No.39 国本雄資
11月24日(日)、今大会が最後となるビッグレース「JAFグランプリ SUPER GT & SUPER FORMULA “富士スプリントカップ 2013”」の決勝レースが、富士スピードウェイ(静岡県)で行われ、No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がポールポジションから見事に初優勝。JAFグランプリを獲得した。
ポールポジションから国本が絶妙なスタート
予選日に続いて、見事な秋晴れに恵まれた富士スピードウェイ。午後0時45分、気温13℃、路面温度18℃というコンディションの中で、フォーメーションラップが切られる。泣いても笑っても、これすがSF13最後のレースということで、どのドライバーもフォーメーションラップでは、タイヤをしっかりとウォームアップすべく、ウェービングしながらコースを1周。隊列走行から19台のマシンが正式グリッドに着くと、シグナルオールレッドからブラックアウトする。
ここでトップのポジションを守って1コーナーに向かったのは、ポールポジションのNo.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。予選2番手のNo.8 ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)は、クラッチミートに失敗し、1コーナーまでに予選5番手のNo.20 松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)が2番手に浮上するスーパースタートを決めた。その後方では、1コーナー手前でアクシデントが発生。予選6番手のNo.1 中嶋一貴(PETRONAS TEAM TOM'S)に対して、好スタートで並びかけた予選8番手のNo.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING)、さらにその外側にはNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING)も並ぶ形ととなったが、この中で一貴が目の前にいたマシンに詰まるような形となって、大祐の存在には気づかず左側に進路を変更。ここで大祐と軽く接触。大祐はそこからアウト側に避けたが、今度はそのアウト側にいた小暮と接触する形になってしまう。これで大祐はサスペンション、小暮はタイヤにダメージを負った。そのため、大祐は1コーナーでストップし、そのままリタイヤ。小暮もピットインを余儀なくされて、大きく遅れる結果となった。この1コーナー手前でのアクシデントで、後方でも混乱が起こり、順位の入れ代わりが起こっている。
オープニングラップを終えての順位は、国本、松田、デュバル、No.38 平手晃平(P.MU/CERUMO・INGING)、一貴、No.16 山本尚貴(TEAM 無限)、No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL)。しかし、2周目の1コーナーでは、上位争いで数々のバトルが発生。ストレートスピードに勝るデュバルが、1コーナー手前で松田の前に出る。松田は、これを抜き返そうと、ブレーキを遅らせるが、ここで軽くオーバーラン。デュバルの先行を許した。また、一貴も平手をオーバーテイク。4番手に浮上する。一方、タイヤの内圧がなかなか上昇せず、苦しい走りとなったのは平手。平手はこの2周目、ダンロップコーナーで山本、さらに13コーナーでオリベイラの先行も許し、その後もポジションを落とした。
トップ国本の後方で起こった激しいバトル
その後、序盤に激しくなったのは、トップ争い。2周を終えたところで、国本はデュバルに対して約1.5秒のリードを持っていた。それをデュバルがジワジワと削り、2台の差はコンマ8〜9秒となった。しかし、国本のタイヤが温まり切ってからは、逆に国本がペースアップ。デュバルとの差を再び広げた。デュバルの後方からは、松田も迫ってくる。また、一貴と山本のバトルも激しさを増した。しかし、どのドライバーもコースのツボを抑えているため、なかなかポジションの入れ代わりは起こらなかった。その後方からは、予選14番手に沈んだ、No.2 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM'S)も次第に追い上げてくる。スタートで4つほどポジションを上げたロッテラーは、5周目の1コーナーで平手を攻略。前を行くNo.7 平川亮(KYGNUS SUNOCO TEAM LeMans)に迫った。そして、レースも終盤に差し掛かった17周目の1コーナーでは、ついに平川を攻略。さらに、前を行くオリベイラを追った。
トップ集団では、残り5周を切ったあたりから、国本が抜け出し、独走状態に。その後方では、デュバル、松田、少し離れて一貴、山本、さらに少し離れてオリベイラ、ロッテラーとそれぞれが僅差の戦いとなった。その中で、抜かれたくないドライバーも、抜きたいドライバーも、オーバーテイクボタンを使って、全力の走行を見せる。しかし、結局そのままの順位でゴールしている。その結果、国本はポールポジションから逃げ切って、嬉しい初優勝。2位にデュバル、3位には松田と、この3人が表彰台を獲得した。
2位 No.8 ロイック・デュバル / 優勝 No.39 国本雄資 / 3位 No.20 松田次生
記者会見
- チェッカーを受けた時は、本当に嬉しかった
優勝
スタートは今シーズンの課題であったし、ミスも多くて、それで順位を落としたレースが多かったんですけど、こういう一番大きいチャンスで本当に最高のスタートができて、本当に今は満足しています。自分が決まったっていうのも分かりましたし、後ろで競っているっていうのも分かったので、1コーナーは自分のラインを通って、ミスなく走りました。
No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)
序盤、(ロイック)デュバル選手が迫ってきた時は、「このままだと後ろまで来るな」っていうのは分かっていたんですけど、このサーキットは抜きづらいですし、このクルマはすごく抜きづらいっていうのも分かっていたので、自分が大きなミスをしなければ抜かれないというのを信じて、本当に自分の走りだけに集中しました。最初の方は、バランス的にちょっとオーバーっぽくて厳しいかなと思ったんですけど、ガソリンが軽くなってきてから、デュバル選手のクルマよりも速くなって、どんどん離すことができました。そこでプッシュしてもっと離そうと思ったんですけど、最後はちょっとタイヤが厳しくなって。もうこれ以上プッシュしたら、追いつかれた時にマズいなと思って、少しコントロールしながら集中して走りました。ラスト5周ぐらいでは、もうイケるんじゃないかと思いましたね。でも、本当にミスしたら一発で追いつかれるって分かっていましたし、後ろがデュバル選手で、すごく強いドライバーって分かっていたので、最後まで気は抜けなかったです。
チェッカーを受けた時は、本当に嬉しかったですね。初ポールポジションで初表彰台、それも優勝でシーズンの最後を終わることができて。本当にチームがいいクルマを用意してくれましたし、3年間、なかなか結果を残すことができなかったんですけど、スポンサーやチームオーナーが見守ってくれました。それを結果で返すことができたので、すごく良かったです。嬉しいですし、ホッとしています。
- 僕もチームもいい仕事をできたと思う
2位
スタートは良くなかったよね。僕らのチームは、鈴鹿でアンドレア(最終戦にデュバルに代わって乗ったカルダレッリ)がクラッシュしていて、今回モノコックを交換しなければならなかった。その影響か、クラッチペダルのセットアップが基本的にあまり決まっていなかったんだ。
No.8 ロイック・デュバル(KYGNUS SUNOCO Team LeMans)
それでスタートを決めるのも難しかったし、ミスしてしまったんだ。その後、すぐに平手(晃平)選手と松田(次生)選手をオーバーテイクできて、序盤は国本(雄資)選手よりも少しペースが良かったと思うし、追い付いていけた。でも、タイヤの内圧が高過ぎたのか、国本選手に近づき過ぎてダウンフォースを失ったからか、アンダーステアが強くなってきて、フロントタイヤが終わってしまったんだ。グレーニング(タイヤの摩耗)が出て、まったくグリップしなくなってしまった。そこからはもうペースも落ちてしまったし、追い付いて行くことはできなかったね。最後の8周は、すごく大変だったよ。それで松田選手に追い付かれてしまったんだけど、松田選手は、僕が国本選手の1秒後ろにいた時と同じ状態になるっていうことが分かっていた。その辺りは、使い終わったみんなのタイヤを見れば、分かると思うよ。
国本選手には「初優勝おめでとう」と言いたい。今週末、彼は素晴らしい仕事をしたと思う。いい予選、いいスタート、そしていいレースをしたんだからね。僕自身も今年最後のレースを表彰台で終えられて良かった。僕らは、今年1年を通じてずっと安定した成績を出してきたし、僕もチームもいい仕事をできたと思う。今日のクルマの状態は完璧ではなかったけど、それでも表彰台に上がれたんだから、実際にはもっと結果を残せるチームだと思うんだ。その点は、来年が楽しみだよ。だって、またゼロからのスタートになるからね。
- この表彰台をまた来年につなげたい
3位
昨日のフリー走行からクルマがすごく決まっていたので、トラフィックに引っ掛かったことが後悔される予選でした。それに、このレースは22周と短いので、スタートしか勝負がない。とにかくスタートに賭けていました。このクルマ、やっぱり抜けないんですよね。だから、とにかくスタートで順位を上げようと思い、2位まで上がれたのは良かったです。ただ、僕のタイヤの内圧が少しロイック(デュバル)選手よりは低目だったのか、タイヤに熱を入れるのに苦労して。ロイック選手が差しに来た時に、僕は1コーナーでロックしてオーバーランして、行かれてしまいました。ロイック選手の方は、最初の3〜4周ぐらいがエラく速くて。自分の止れなかったミスもあったんですけど、それが抜かれた原因かなと思いますし、それが敗因だったかなと思いますね。内圧が上がってからは、こちらのペースが良かったんですけど。
No.20 松田次生(Lenovo TEAM IMPUL)
でも、今回のJAFグランプリに関して言うと、クルマはすごく良かったので、ホントにずっと迷っていたのが、この最後で分かったかなという感じですね。レース中は追い付きはしたんですけど、KYGNUS SUNOCO Team LeMansのクルマは、ストレートがメチャメチャ伸びるんですよ。こっちも結構、そういう仕様にしているんですけど、それよりも全然速かったですね。だから、スリップに入って、いつもなら抜けるはずだったのに、今日は抜けませんでした。コーナーはこっちの方が速いんですけど、ロイック選手はミスしなかったです。失敗しかかっても、上手くトラクションをかけてくるので、抜けなかったですね。
表彰台は嬉しい半面、昨日の予選での失敗がなければ優勝できたっていうのがあるので。そこは、もし来年乗れるんだったら、クルマも変わってイチからのスタートですし、コースに出るタイミングなんかも見直して臨みたい。終わり良ければすべて良しということで、この表彰台をまた来年につなげたいと思います。SF13で1回勝ちたいなっていうのはあったので、そこは心残りです。