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2014 SUPER FORMULA

Round2 Fuji Speedway

  • Fuji Speedway
  • 公式予選 5月17日(土) / 決勝レース 5月18日(日)  
    [Race1 - 25Laps: 114.075km / Race2 - 35Laps: 159.705km]
    富士スピードウェイ : 4.563 km

Race

Result Review

RACE2はアンドレ・ロッテラーがポール・トゥ・ウイン!
2位にはRACE1優勝のデ・オリベイラ。3位に一貴。山本が5位となりHondaに光明が。

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No.36 アンドレ・ロッテラー

5月18日(日)、富士スピードウェイ(静岡県)で2014年全日本選手権スーパーフォーミュラ第2戦の決勝が行われた。今大会は2レース制で、決勝日の18日午前にRACE1を、午後にRACE2が行われた。RACE1は25周、約100kmのピットインなしの超スプリントレース。RACE2は35周、約160kmのピットインありのレースだ。RACE1はNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)が、RACE2ではNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)が、ともにポール・トゥ・ウインで優勝した。

RACE1 2014-05-18 10:08〜10:44 天候:晴 コース:ドライ 気温:21度 路面温度:30度
RACE2 2014-05-18 14:33〜15:24 天候:晴 コース:ドライ 気温:22度 路面温度:35度

RACE1:デ・オリベイラが好スタートの一貴を振り切り2年ぶりの優勝

 昨日の予選に引き続き、爽やかな好天に恵まれた富士スピードウェイ。太陽が燦々と降り注ぐ気持ちいいコンディションの中、第2戦が行われた。今大会は2レース制。午前中には25周でピットインの義務付けなしのRACE1、午後からは35周でタイヤ交換義務付けありのRACE2が行われた。

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 RACE1のフォーメーションラップがスタートしたのは、午前10時05分。朝方は肌寒かった富士だが、この時刻になると、気温は21℃、路面温度は30度まで上昇。日なたでは汗ばむようなコンディションとなる。その中で、19台のマシンが、隊列走行に入ろうとしたが、ここでNo.20 クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL SF14)がエンジンストール。だが、チームがすぐさまエンジンをかけ直し、カーティケヤンは正規グリッドに向かうことができた。一方、フォーメーションラップを終えたところでピットに入ってしまったのは、No.10 塚越広大(HP SF14)。ダミーグリッドに着く際、ステアリング系のトラブルがあった塚越は、それを直して走り始めたが、フォーメーションラップではエンジンの過給機系トラブルが出てしまい、そのままガレージに入った。
 その他の18台は、1周の隊列走行を終えて、正規グリッドへ。シグナルオールレッドから、ブラックアウトすると一斉に1コーナーめがけて、スタートを切った。ここで抜群の動き出しを見せたのは、ポールポジションのNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)と5番グリッドのNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)。特に、前の3台の動き出しが良くなかったこともあり、一貴は一気に3台をかわして、2番手まで浮上した。これに続いたのはフロントロウスタートのNo.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)と4番グリッドのNo.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)。開幕戦と同様、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)はクラッチミートが上手く行かず、動き出しが遅れる。そのため、一時5番手まで後退した。また10番グリッドのNo.3 ジェームス・ロシター(フジコーポレーション KONDO SF14)も好スタート。6番手までポジションを上げている。
 その後方では、1コーナーの立ち上がりで、No.1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)がスピン。これは中団のポジション争いの中で、何台かのクルマが少しずつ接触をし、最終的にNo.41 武藤英紀(DOCOMO DANDELION M41Y SF14)の左フロントと、山本の右リヤが接触した結果。その混乱の中で、大きくポジションを上げてきたのが、No.11 ヴィタントニオ・リウッツィ(HP SF14)だった。また、同じ周の13コーナーでは、7番手争いを演じていたNo.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)とNo.7 平川亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)が接触。ブレーキングしてシフトダウンした石浦がシフトロック、コントロールを失う形で平川のサイドにぶつかる形となった。このアクシデントにより2人は揃ってリタイヤとなっている。これに関しては、後に石浦の危険行為という判定が下され、石浦はRACE2でドライビングスルーペナルティーを科せられることとなった。さらに2周目の100Rでは、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING SF14)が過給機系のトラブルからタービンブロー。戦線を離脱した。
 さて、前方の争いに関しては、2周目の1コーナーでロッテラーが国本をオーバーテイク。さらに前を行くデュバルを追う。しかし、気温、路面温度が高い中、どのクルマも前を行くクルマのスリップストリームに入るまでは至らない。そのため、この後はポジションの入れ代わりがないまま、25周を完了。
 デ・オリベイラが、2012年第5戦・もてぎ以来、約2年ぶりの優勝をポール・トゥ・ウインで果たした。これに一貴、デュバルと続き、ロッテラーは4位に留まっている。また、Hondaエンジン勢の最上位は、18番グリッドからわずか1周で8位まで浮上するという離れ業を演じたリウッツィ。リウッツィは開幕に続き、ポイントを獲得した。またHonda勢では、レース後半、山本とNo.40 野尻智樹(DOCOMO DANDELION M40T SF14)が好バトルを演じて見せたが、山本は過給機系のトラブルでピットに入りリタイヤ。野尻も電気系のトラブルからエンジンが止り、コース上でストップしてリタイヤという結果になっている。

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RACE2:ロッテラーとデ・オリベイラの息詰まる神経戦

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 RACE2のフォーメーションラップがスタートしたのは、午後2時30分。RACE1にリタイヤした小暮は、マシンの修復が間に合わないということで出走を見合わせ。残る18台が、ダミーグリッドに着く。RACE1とは違い、フォーメーションラップには全車が無事スタートし、正規グリッドへ。シグナルオールレッドからブラックアウトし、一斉にスタートが切られた。

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 ここで3度目の正直とばかりにポールポジションから抜群のスタートを決めたのは、ロッテラー。フロントロウのデ・オリベイラ、3番グリッドの一貴がそれに続く。これに対して、デュバルと平川はスタート直後に互いのクルマが接近し、回避をした結果、ポジションを落とす結果に。代わって、8番グリッドのカーティケヤンが一気に4番手まで浮上した。また、RACE1に続いて好スタートを切ったロシターが、やはり6番手まで浮上。前を行く国本と数周に渡って激しいバトルを見せ、5番手まで浮上している。
 一方、その後方では、序盤からピットインするクルマも。まずオープニングラップを終えて、ピットに戻ったのは平川。さらに、2周を終えたところでNo.18 中山雄一(KCMG Elyse SF14)、No.62 嵯峨宏紀(DENSO Le Beausset SF14)がピットイン。さらに、5周を終えたところで国本がピットへ。しかし、国本は発進の際に若干手間取り、タイムをロスしてしまった。さらに6周を終えたところで、デュバルがピットイン。ここは素早い作業でコースに戻り、そこから猛プッシュを見せた。また8周を終えたところでは、ロシターがピットに入るが、やはり発進の際にエンジンストール。ここで大きくタイムをロスし、ロシターはポイント圏外まで後退することとなった。

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No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

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No.37 中嶋一貴

 一方、トップ集団が動いたのは、10周を過ぎたところから。7周目のダンロップコーナーでブレーキをロックさせたトップのロッテラーが、タイヤにフラットスポットを作ってしまったことから、11周を終えたところでピットへ。これを見て、ロッテラーとトップ争いを演じていたデ・オリベイラは12周を終えたところで、3番手を走っていた一貴は13周を終えたところでピットイン。しかし、ロッテラーのタイヤ交換作業が最も早く、ここでの逆転はならなかった。ここからは、ロッテラーとデ・オリベイラのマッチレース。コンマ1秒縮まったかと思えば、またコンマ1秒差が広がるというような神経戦のような走りが展開される。しかし、最後はタイヤを温存していたロッテラーがデ・オリベイラを少しずつ引き離す展開に。その結果、ロッテラーは開幕戦での不運を吹き飛ばすような今季初優勝。デ・オリベイラが2位。一貴は3位に入って、RACE1に続く表彰台獲得を獲得した。
 以下、ピット作業とその後のプッシュでポジションを上げたデュバルが4位となり、ドライバーズ・ランキングのトップをキープした。また決勝ペースが良かった山本が、5位入賞。今季初のポイントを獲得した。さらに、カーティケヤン、国本、平川までが入賞を果たしている。

 次回、7月12、13日の第3戦は、同じく富士スピードウェイが舞台。さらに暑いコンディションの中で、各ドライバーはどんな走りを見せるのか。また、今回トヨタとの差を大きく詰めてきたようにも思われるHondaエンジン勢の初優勝はなるのか。期待が膨らむ。

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記者会見

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2位 No.19 J.P.デ・オリベイラ / 優勝 No.36 アンドレ・ロッテラー / 舘 信秀 優勝チーム監督 / 3位 No.37 中嶋一貴

JPとのバトルは素晴らしいものでした

優勝
アンドレ・ロッテラー(No.36 PETRONAS TOM'S SF14)

 いいレースができましたね。ただ唯一の心配事がスタートだったんです。というのも、シーズン当初からうまくスタートを切ることができるっていう自信が今ひとつない状態だったんです。でも、ジェームス(ロシター)と話をして、ちょっとしたコツみたいなものを聞いたんです。それがうまくいったんで、ジェームスにはお礼を言いますよ(笑)。
 レースでは自分のクルマが速いってことがわかっていたんですが、もうひとつの心配事があったんです。それがピットストップでした。でも今回はキチンと正しくタイヤを装着してくれるとチームスタッフを信じてましたよ(笑)。
 ところがダンロップコーナーでブレーキングを遅らせたときにちょっとロックアップしてしまい、タイヤにフラットスポットを作ってしまった。それでレースペースが悪くなったわけではないですが、チームから『もうピットインの準備ができているよ』と無線で言われたのですが、2、3周様子を見ていました。ただ、だんだんタイヤが厳しくなってきたのでピットインすることにしました。結果としては、いい選択だったと思います。
 JP(デ・オリベイラ)とのバトルは素晴らしいものでした。外から見ている分には分かりづらかったかもしれませんが、懸命にプッシュしたし、すべてのコーナーで0.1秒単位でタイムを削ろうとできる限りのことをしていました。戦略としてはタイヤのコンディションをキープさせたまま周回し、終盤5周くらいからプッシュしようというものでしたが、それがうまく行ったと思います。
アンドレとはいいバトルができた

2位
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.19 Lenovo TEAM IMPUL SF14)

 スタートがすごく重要なことはわかっていたんですが、今回は思ったほどいいスタートが切れなかったですね。結果として2位のポジションから後方のクルマを抑えるだけになってしまいました。後方から来た(中嶋)一貴が1コーナーで迫ってきたし、僕のクルマは若干アンダーステアだったこともあって接近戦になってしまいました。
 そんなこともあり、レースではアンドレ(ロッテラー)と同じペースでついていって、どういったピットストップにするのか戦略を考えました。(ロッテラーのピットイン後)“すぐ入るべきか、数周伸ばすべきか”をチームと相談し、チームはすぐに入るという決断をしたんです。ピットストップ後、コースイン時も接近戦になったんですが、もし1秒でも早くピットストップを終えていたら…とも思いますが、今回はこういう結果になりましたね。
 アンドレとはいいバトルができました。とてもタフな接近戦になったし、最後の15周はプレッシャーをかけてミスを誘発しようと思っていたんですが、ベテランのアンドレはそんな手にはのりませんでしたね(笑)。でも今日のようなレースができて良かったとも思います。
後ろとのギャップを見ながらのレースになってしまった

3位
中嶋一貴(No.37 PETRONAS TOM’S SF14)

 残念ながらいつものようにいいスタートはできなかったですね。でも、まぁ僕がどうこうというよりは、前の2台がいいスタートを切ったということになります。スタートでポジションを上げられず、それから先はピットストップまでのペースは、RACE1よりも少し総体的にはいいのかなとは思いました。が、ピットインしてからは、ちょっとギャップが開いてしまい、どちらかというと前よりは後ろとのギャップを見ながらレースをすることになってしまいましたね。
 次回も富士だし、1レース制なので、その中でもう少し上に行けるようにしたい。時間もあるので、ゆっくりと見直して次回はいいレースがしたいですね。

開幕戦のうっぷんを晴らしてくれて気持ちいい

優勝チーム監督
舘 信秀 監督(PETRONAS TEAM TOM’S)

 第1戦鈴鹿で勝てるレースを、我々のミスでタイヤを(左右)逆さまにつけてしまい、負けたことが今までずーっと引っかかっていました。今日はそのうっぷんを晴らしてくれて大変気持ちがいいです。どうもありがとう。


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