2014 SUPER FORMULA
Round1 Suzuka Circuit
- Suzuka Circuit
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公式予選 4月12日(土) /
決勝レース 4月13日(日) [43 Laps : 249.701 km]
鈴鹿サーキット : 5.807 km
Qualifying
SF14がコースレコードを誘う!
ポールポジションはアンドレ・ロッテラーが驚異の36秒台で奪取!
予選2位はカーティケヤンとなるが…。Honda最上位はルーキー野尻が獲得
No.36 アンドレ・ロッテラー
ニューマシン“SF14”の速さに注目が集まる全日本選手権スーパーフォーミュラの開幕戦が、4月12日(土)に鈴鹿サーキット(三重県)で公式予選が行われた。SF14の初ポールポジションを獲得したのは、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)で、昨年の最終戦で出たコースレコードを大幅に更新する1分36秒996を記録した。決勝レースは13日(日)15時ちょうどにスタートする。
Q1 13:50-14:10 天候:晴れ コース:ドライ 気温:21度 路面温度:30度
Q2 14:20-14:27 天候:晴れ コース:ドライ 気温:21度 路面温度:30度
Q3 14:37-14:44 天候:晴れ コース:ドライ 気温:21度 路面温度:30度
Q1では2位でポールを予感させたデュバルだが…
前夜は非常に冷え込んだ鈴鹿。しかし、予選日は朝から気温が上がり、温かな1日となった。午前中に行われたフリー走行に続き、ノックアウト予選が開始されたのは午後1時50分。最終コーナーから1コーナーに向けて、強い風が吹く中、気温21度、路面温度30度というコンディションのもとで、20分間のQ1がスタートした。このQ1では、19台中5台がノックアウト、14台がQ2へと駒を進めることができる。
ここで昨日のテストから上位につけていたドライバーたちの多くは、ユーズドタイヤでコースイン。しかし、中には、最初からニュータイヤでコースに入り、Q1で2セット使う作戦を選択したドライバーも。開始から10分を過ぎたあたりで、各車一旦ピットに戻ると、タイヤを履きかえる。ユーズドでマシンの状態を確認したドライバーたちは、ここで最初のニュータイヤを投入。最初からニュータイヤでアタックを行ったドライバーは2セット目を装着し、残り7分あたりから続々とコースへと出た。ここで、ようやくコースインしたのは、No.62 嵯峨宏紀(DENSO Le Beausset SF14)。嵯峨は、朝のフリー走行、デグナーコーナー2つ目の立ち上がりでスピンを喫し、クラッシュした。チームは、そのクルマを予選までに何とか修復。Q1の最後に送り出した。さて、ニュータイヤを履いてコースに出たドライバーたちは、セッション残り時間が3分あまりとなったところからアタックラップに入る。ここでトップタイムをマークしたのは、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)。中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)がそれに続く。
だが、チェッカー目前には、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)が一貴を上回り、2番手に浮上した。一貴に続く4番手にはNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)、5番手にはクマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL SF14)、6番手にはNo.3 ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーションKONDO SF14)とほとんどが外国人と言う状況だったが、ディフェンディング・チャンピオンのNo.1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)が意地を見せ、ここでHonda勢トップの7番手に滑り込んだ。一方、ここでわずかに及ばず、Q1敗退となったのは、No.11 ヴィタントニオ・リウッツィ(HP SF14)、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING SF14)、No.2 中山友貴(TEAM 無限 SF14)、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING SF14)、そして嵯峨の5人となった。
No.20 クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン
ルーキー野尻がHonda勢唯一のQ3進出を果たす
10分間のインターバルを経て、14台から8台に絞られる7分間のQ2が始まったのは、午後2時20分。昨年までは、セッション開始から2分ほど待ってコースインするドライバーが多かったが、今年の新車では、ほぼ全車が開始前からピット出口に行列をつくる。そして、出口がオープンになると、各々が自分のスペースを上手く開けながらアウトラップに入り、2周タイヤを温めた。そして、残り2分半というあたりから、次々フライングラップへと入って行った。
ここでまずトップに立ったのはデ・オリベイラ。山本がそれに続くが、カーティケヤンが間もなく山本を上回ってくる。さらに、一気にトップに立ったのはロッテラー。ロッテラーは、ここでコースレコードとなる1分36秒996を叩き出した。Q1で2番手だったデュバルは、今ひとつタイムが伸びず、アタックを終えた時点で4番手。それをNo.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)、一貴、そしてロシターが上回ってきた。その結果、トップのロッテラーとオリベイラに続いたのは、一貴、石浦、ロシターでデュバルは6番手。ギヤシフトに問題があったとは言うが、カーティケヤンが7番手でQ2突破を果たした。この7台は、すべてトヨタ勢。しかし、Honda勢で唯一、山本をコンマ1秒上回ってきたNo.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40T SF14)が8番手に滑り込み、デビュー戦でQ3進出を果たしている。
No.37 中嶋一貴
No.3 ジェームス・ロシター
ロッテラーがすべてのセッションでトップを奪う
さらに10分間のインターバルを経て、いよいよポールポジションを決定するQ3が始まったのは、午後2時37分。Q2と同じく、このセッションでも開始前からほとんどのドライバーがピットロードに並ぶ。野尻だけは、セッションが始まって約1分というところでピットを後にするが、タイヤはユーズド。野尻は、朝のフリー走行で1セット、Q1で2セット、Q2で1セットと4セットあるニュータイヤをすべて使い切っていたためだ。
一方、ニュータイヤでコースインした7人は、ここでも2周タイヤを温めた後、残り時間が約3分となったところからアタックに入る。まずコントロールラインを切ったデ・オリベイラがトップ。これをチームメイトのカーティケヤンが上回ってくる。しかし、この2人に続いてアタックに入っていたロッテラーが、カーティケヤンをコンマ1秒半ほど上回り、ここでもトップに立った。さらに、カーティケヤンとデ・オリベイラの間に割って入ってきたのが、一貴とロシター。石浦とデュバルは、思ったようにタイムを伸ばせず、6番手、7番手に留まった。ユーズドタイヤだった野尻は8番手となっている。
この結果、ロッテラーが昨年の第2戦オートポリス以来のポールポジションを獲得。カーティケヤンが2位、一貴が3位。以下、ロシター、デ・オリベイラと続くが、決勝のグリッドではカーティケヤンが3ポジション降格(12日午前のフリー走行で危険走行があったとされ、ペネルティを受ける)になる。そのため、フロントローはPETRONAS TEAM TOM'Sの2台。3番グリッドがロシター、4番グリッドがデ・オリベイラ。カーティケヤンは3列目からスタートを切ることになった。
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
No.40 野尻 智紀
記者会見
No.20 ナレイン・カーティケヤン / No.36 アンドレ・ロッテラー / No.37 中嶋一貴
- すばらしいクルマを与えてくれたチームに感謝したい
ポールポジション
ノックアウトの予選では、全セッションでトップタイムを取れて、シーズン開幕戦で最高のスタートを切ることができました。とはいえポールポジション獲得がかかっていたので、久しぶりに緊張しました。今年は競争も激しいだけに満足しています。Q2でコースタイムを更新できたのですが、Q3では緊張したせいかスプーンカーブでミスがあって、0.1秒ほどタイムロスがありました。でもとにかく今日、すばらしいクルマを与えてくれたチームにまずは感謝しています。
アンドレ・ロッテラー(No.36 PETRONAS TOM'S SF14)
どのドライバーも思っていることだと思いますが、SF14は本当に素晴らしいクルマで“ピュア・トゥ・ドライブ”、繊細ではあるものの理想のドライブができるクルマです。コーナリングスピードが高いのも好きな点だし、エンジンはコンパクトながらパワフルだし、ドライバーはハイスピードが大好きなだけに満足しています。稀なタイプともいえるこのようないいクルマに乗れてラッキーだと思います。
- Q3でタイムアップしたが、特にセッティングも何も変えていない
予選2位
朝のフリーセッションではまだスロースタートの状態でしたが、セッティングも変えて次第に良くなって行きました。Q2のシケインでギアトラブルがあったのですが、Q1からQ3ではセットを変えなくてもだんだんクルマが良くなっていきました。競争が激しいスーパーフォーミュラの中でフロントローに立てるタイムが出せたのは本当に良かったと思います。また日本で走ることを楽しみにしていたので、星野監督のチームの一員として戦えることになったことには本当に感謝しています。Q3でタイムアップできましたが、特にセッティングも何も変えていないです。クルマはQ2から良かったんですが、トラブルでタイムが伸びなかっただけです。最終的にQ3ではタイヤがよりグリップしたくらいですね。
クマール・ラム・ナレイン・カーティケヤン(No.20 Lenovo TEAM IMPUL SF14)
SF14はシャシー、タイヤのコンビネーションも素晴らしいし、エンジンもいいですよね。このシリーズで走れるのはすごく運がいいことだと思うし、また僕自身、日本でレースができて本当に光栄です。
- クルマは走りはじめからある程度出来上がっていた
予選3位
今日はセッションごとにコンディションが異なる中で走りました。難しいところもありましたが、クルマは走りはじめからある程度出来上がっている状態でした。アンドレがずっと速く、それを追いかけているような感じでした。その中で予選ではなんとなく自分がロスタイムしているところがあるんですが、それを考えると明日のスタート位置は決して悪くないと思います。レースは長丁場になりますし、スタートもやり方が変わるので、明日に向けてしっかり合わせ込めれば、と思います。予選中、クルマはほとんど変えてないです。(その中でタイム差があるのは)そのときのコンディションや自分自身のちょっとしたミスだったりするから。このクルマでは速いスピードの中で繊細に操作することが求められるのですが、Q1、Q2、Q3にかけて集中力も高まるものなので、(その結果)タイムが良くなったと思います。
中嶋一貴(No.37 PETRONAS TOM'S SF14)
去年のクルマも速かったですがそれに輪をかけてさらに速くなっていると思います。今日のコンディションは風もあって決していいものではなかったし、路面温度も高いほうだったと思いますが、その中で(ロッテラーによって)1分36秒台が出ましたから。コーナリングスピードも速いし、慣れてきて楽しめるようになると、世界中見渡して、F1と比べてもこれだけの高いレベルのクルマで、かつレベルの高いドライバーと一緒にレースができるのはそうないと思うので、その中でレースができるのは自分自身も楽しめますし、このチャンスに感謝しないといけない。この中でチャンピオンを獲れるようにがんばるだけです。