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　この日のもてぎは午前中から26〜28度と気温も上昇。路面温度もフリー走行の終盤には40度目前まで高くなった。昨日のテスト走行のトップタイムは夕方で気温も下がった2回目で記録されており、石浦が記録した最速1分33秒373を上回れるかが焦点だった。
　また、このもてぎはブレーキに負担が掛かることもあり、安全マージンを考慮し、全車の燃料流量リストリクターが10%絞られた。こういう制限が公平にかつ速やかにできる点も燃料流量リストリクターの利点と言える。一方で、このパワー制限で、コースレコードの1分32秒700（2014年第4戦：ロイック・デュバル）を更新できるかも注目された。

No.38 石浦宏明

　セッションは定時の8時30分にスタート。開始7分にNo.3 ジェームス・ロシター（フジ・コーポレーション KONDO SF14）が、1分33秒780と最初に33秒台に乗せ、トップになる。だが、このタイムも野尻、No.36 アンドレア・カルダレッリ（PETRONAS TOM'S SF14）が更新。セッションも折り返しの30分過ぎには野尻が、1分33秒072と32秒台目前のタイムを出し、トップに。これにNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ（Lenovo TEAM IMPUL SF14）、石浦が続いていた。その後、しばらく各車はセッティングの確認などしたのか、コンスタントに走る。そしてラスト10分になると主なチームはピットインして予選想定のニュータイヤを装着。ラスト5分は予選並みのアタック合戦となる。
　ここで最初にタイムを出したのはNo.1 山本尚貴（TEAM 無限 SF14）で、1分33秒253として2番手。だが、ここから続々とタイム更新があり、最終的には8番手となる。続いてタイムを出したのが国本。なんとレコード目前の1分32秒782を叩き出して、タイミングモニターの最上位に名前を刻む。さらに石浦も1分32秒822で2番手に。そして武藤が1分32秒964で3番手に名前が出るが、直後に野尻が1分32秒856で僚友の先輩の前に。だが、最後にデ・オリベイラが1分32秒843で3番手に滑り込んだ。

No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

　これで国本、石浦が昨日のテスト1回目に次いで、順番は違うがワン・ツーとなる。3番手がもてぎを得意とするデ・オリベイラ。4、5番手はHonda勢のトップとなる野尻、武藤となった。5番手にはル・マン24時間のケガから復帰のNo.8 ロイック・デュバル（Team KYGNUS SUNOCO SF14）がつけた。
　今大会から両エンジンメーカーのバージョン2のエンジンが投入されたが、「伸び代ではHondaさんが上回った」とは、苦い顔のトヨタプロジェクトリーダー永井洋治氏。まだトヨタがわずかに優勢に見えるが、このフリーではトップから1秒以内に14台が入り、トヨタ、Hondaエンジンユーザーも入り交じる。それだけに、このもてぎの予選が非常に興味深くなってきた。

No.40 野尻智紀

最高の状態で予選ができるようにしたい

フリー走行1回目 トップタイム
No.39 国本雄資（P.MU/CERUMO·INGING SF14）

　今朝のコンディションは、昨日とあまり変わらない感じでした。ただ、僕は昨日ちょっとクラッシュしてしまって、そのクラッシュ明けだったので、色々チェックしながら走りました。でも、昨日の状態からすごくクルマの調子はいいですし、今日も走り始めから問題なく走れました。昨日のクラッシュは、S字に少しリヤグリップがない状態で入って行ったんですけど、そこで踏んで行かないとタイムが出ないので、踏んで行ったら、リヤが出てダートに落ちてしまって。そのままガードレールにバコーンって（苦笑）。
　今日はクラッシュの影響はなかったです。ニュータイヤのアタックも悪くなかったですね。もてぎは本当にちょっとしたミスでタイムも変わりますし、順位もすごく変わってしまうサーキット。でも、攻めないとタイムが出ないすごく難しいコースなので、予選はどうなるか分かりません。多少乗りやすくもしなくちゃいけないですし、予選だからトガッたクルマにしなきゃいけない部分もあると思うので、そこをチームとしっかりミーティングして、最高の状態で予選ができるようにしたいです。
　すごく接戦ですし、Hondaのエンジンもだいぶ速そうなので、やってみないと分からないですけど、できる限り上を目指します。