2014 SUPER FORMULA
Round5 Autopolis
- Autopolis
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公式予選 9月13日(土) /
決勝レース 9月14日(日) [46 Laps : 215.004 km]
オートポリス : 4.674 km
Qualifying
速いHonda復活!山本尚貴がレコードタイムで今季初ポール
オートポリスすべての最速という驚嘆タイム。予選2、3位は国本、ロッテラーとなる
No.1 山本尚貴
全日本選手権スーパーフォーミュラの第5戦の公式予選が、9月13日(土)にオートポリス(大分県)で行われた。この予選では、No.1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)が、コースレコードを大幅に更新する1分26秒489を記録して、今季初のポールポジションを獲得した。決勝レースは14日(日)午後2時45分にスタートする。
Q1 14:40-15:17 天候:曇り コース:ドライ 気温:22度 路面温度:27度
Q2 15:30-15:37 天候:曇り コース:ドライ 気温:22度 路面温度:29度
Q3 15:47-15:54 天候:曇り コース:ドライ 気温:23度 路面温度:30度
Q1はワン・ツーを決めたPETRONAS TEAM TOM'S
うっすらとした曇り空から、太陽が若干顔を出すという天候になった土曜日のオートポリス。気温21℃、路面温度26℃というコンディションの中で、午後2時40分から20分間のQ1が始まった。
このセッションが始まると、各ドライバーはまずユーズドタイヤでコースイン。ニューシャシーSF14がこのオートポリスを走るのは、この日が初めて。ここからクルマの感触を試したいところだったが、開始からわずか2分あまりというところで赤旗が提示される。これは最終コーナーでNo.20 ナレイン・カーティケヤン(Lenovo TEAM IMPUL SF14)がアウト側にコースアウトして、激しくクラッシュ。カーティケヤンのクルマとスポンジバリアの破片などがコース上に散乱したためだ。
その後、マシンやウォール破片の回収が終わると、午後3時にセッションは再開。残り時間17分48秒で行われる。ここから各ドライバーは再びユーズドタイヤでコースイン。クルマの状況を確認するとピットに戻り、ニャータイヤを装着する。そして、セッションの残り時間が7分を切ったところで、続々とコースイン。タイムアタックへと向かった。ここで、朝のフリー走行に続き、トップタイムをマークしたのはNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)。No.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)、のNo.1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)、No.10 塚越広大(HP SF14)、No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)と続く。一方、ここでノックアウトされたのは、No.11 ヴィタントニオ・リウッツィ(HP SF14)、No.2 中山友貴(TEAM 無限 SF14)、アタック中にブリッジ先でコースアウトしたNo.18 中山雄一(KCMG Elyse SF14)、No.62 嵯峨宏紀(TOCHIGI Le Beausset SF14)、そして序盤にクラッシュを喫したカーティケヤンだった。
No.39 国本雄資
Honda山本尚貴が1分26秒台でQ2のトップに立つ
10分間のインターバルを経て、7分間のQ2が始まったのは、午後3時30分。このセッションでは、14台から8台に絞られる。どのドライバーもクリアラップを取りたいということで、セッション開始前からニュータイヤを装着したドライバーたちはピットレーンに出て、行列状態。そして、ピット出口がオープンされると、次々にコースへと入った。ここで、計測1周目からアタックに入ったのはPETRONAS TEAM TOM'Sの2台。その他のドライバーたちは計測2周目にアタックに入る。最初に好タイムを刻んだのは、一貴。これを上回ってきたのが、山本。また塚越も一貴を上回ってくる。ロッテラーは1周目にミスが出て、結局は計測2周目、仕切り直しでのアタックが自己ベスト。ここで塚越は上回ったものの、山本にはわずかに届かなかった。
その結果、Q2トップは山本。2番手はロッテラー。以下、塚越、一貴、国本、No.40 野尻智紀(DOCOMO DANDELION M40T SF14)、No.7 平川亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)と続く。一方、ここでまさかのノックアウトとなったのは、ポイントリーダーのNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)。
「朝のフリー走行からクルマのバランスが決まらなかった。予選ではだいぶ良くなったけど、そこに至るまでに時間が掛かってしまったし、高い代償を支払うことになってしまったね」と、セッション後、デ・オリベイラは語った。No.3 ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーションKONDO SF14)、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING SF14)、Q1途中でミッションオイル漏れに見舞われ、それを修復して走行したNo.41 武藤英紀(DOCOMO DANDELION M41Y SF14)、No.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING SF14)もQ3進出はならなかった。また、Q1の最後のアタック中にスピンアウトしてしまったNo.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)は、Q2に出走せず。その結果、14番手からのスタートとなっている。
No.36 アンドレ・ロッテラー
レコードを書き換えた山本に続いたのは国本
そこから10分間のインターバルを経て、7分間のQ3が始まったのは、午後3時47分。このセッションでも、ほとんどのクルマが開始と同時にニュータイヤを装着してコースイン。真っ先にコースに入ったロッテラー、2番目にコースに入った一貴は、再び計測1周目にアタックに入る。ここでもロッテラーは1分26秒569を叩き出して、まずトップに立つ。一貴はこれにコンマ2秒ほど遅れて、1分26秒875。
また、ここでアタックを計測1周目に切り替えたデュバルも1分26秒787までタイムを伸ばしてきた。しかし、そこから計測2周目アタックのドライバーたちが次々タイムアップ。
そして、Q2トップだった山本が、ロッテラーをコンマ1秒上回る1分26秒469を叩き出して、トップに立った。昨年のチャンピオンでHondaを家人するリーダーが記録した驚異的なタイムは、オートポリスで過去行われた全レースで最速。これまでは、1991年に記録されたグループCのジャガーXJR-14(テオ・ファビ)による1分27秒188がすべてのレコードだった。当然、スーパーフォーミュラのコースレコードの1分28秒523(2012年 FN09/Honda、塚越広大)も大幅に書き換えた。
これに続いたのは、国本。「これまでオートポリスには苦手意識があった」という国本だが、予選ではクルマの感触が良く、一気にタイムアップ。山本とロッテラーの間に滑り込み、フロントロウを獲得した。以下、4番手には塚越、5番手に野尻、6番手にデュバル、7番手に一貴、そして、平川が8番手となっている。
これはシリーズタイトル争いを考えても興味深い結果。4位の石浦を除き、シリーズリーダーのデ・オリベイラ、2番手の一貴、3番手のデュバル、1戦休場して5番手のロッテラーと、ポイント順と決勝のグリッドの並びが完全に真逆になっているからだ。つまり、各ドライバーがこのままの並び順でゴールすれば、上位のポイント差が縮まるということ。そうなれば、終盤戦のタイトル争い激化は必至だ。
No.10 塚越広大
No.40 野尻智紀
記者会見
No.39 国本雄資 / No.1 山本尚貴 / No.36 アンドレ・ロッテラー
- もてぎでの悔しさがバネになった
ポールポジション
走り始めからクルマのポテンシャルが非常に良くて、あとはQ1からQ3にかけてうまく調整できれば、ポールポジションが獲れるのではないかと、走るごとに自分の中でも期待が高まっていきました。結果としてポールポジションを獲ることができて非常にうれしく思っています。もてぎからクルマのポテンシャル(がいいこと)は感じていたんですが、実際にはうまく噛み合っていなかった。そういう意味では今回はクルマの調子を維持したまま流れを完璧に引き寄せることができたのかなと思います。
山本尚貴(No.1 TEAM 無限 SF14)
朝のセッションで、アンドレ(ロッテラー)が0.5秒ほど速かったのを見たときは、(追いつくのは)かなり厳しいと思いました。でも、セクター2だけがすごく遅れていたので、ここを直せば、(遅れを)取り返せるのではないかと思ったんです。そこをうまく調整した結果、予選でいきなりフィーリングが良くなったので、これはイケるかなと思ったし、一方で、今まではHondaの中で一番を獲ることをターゲットにしていたのに、今回はセクター1とセクター3ではセクター2ほどタイムが離れていなかったので、PETRONAS TEAM TOM'Sにターゲットを合わせることができると思ったんです。正直、そこ(TOM'S)しか見てませんでした。
Q1が終わった時点で、チームからTOM'Sが計測1周目からアタックに言ってると聞いたので、一瞬、僕も計測1周目で(アタックに)行ったほうがいいのかなと思ったんですが、朝からタイヤの内圧も計測2周目のアタックに合わせていたし、タイヤの温め方なども考えていたので、いきなりやり方を変えるのはリスクが高いから、僕らは僕らのやり方でいこうとブレずに行きました。
ポールポジションが決まったってことは、第1ヘアピンを立ち上がったときにエンジニアから無線で伝えられました。前回のもてぎでの悔しさがバネになったと思います。Hondaとしてもこれまで結果を残せてなかったし、僕自身は前回ふがいないレースをしてしまったので、素直にうれしかったですね。失敗から学ぶことが一番大切だと思っている僕としては今回結果を出すことができたので、少しは報われたのではないかと思います。明日の決勝についてはまだ考えてないですね。燃費やタイヤマネージメントに関しては、ドライバー側で調整が必要だと思いますが、シンプルなレースになるとは思います。気持ちを切り替えて頑張ります。- 予選に関してはすごく満足している
予選2位
このオートポリスは自分的にはあまりいい印象がなくて、今回も厳しい戦いになるのではないかと思ったんですが、朝のフリー走行では苦手意識を克服するために時間を使いました。その中でQ3まで残ることを目標にしていきました。予選に向けて変えたセットが結構いい方向に行ってQ1、Q2とうまく走ることができたし、Q3ではまた最後にタイムを上げて、ポジションも上げることができました。予選に関してはすごく満足しています。
国本雄資(No.39 P.MU/CERUMO・INGING SF14)
苦手意識があったので、金曜は自転車で(コースを)1周走りました。でもよくわからなくて…(苦笑)。その時点は結構不安でした。でもエンジニアに、今回はテストだと思ってリラックスしてレースをしよう、って言われたのが良かったのだと思います。燃費などはまだしっかりとデータを取れていないのでどうなるかはわからないですね。タイヤも相当厳しいことになると思うので、しっかりタイヤをセーブしながらいいペースで最後まで走りたいと思います。燃費レースだけにはならないで欲しいなと思います。- 予選は3位になって、ちょっとガッカリ
予選3位
今朝のスタート(土曜のフリー走行)はすごく良くて、リードを奪うことができたし、アドバンテージもあって満足してたんです。ところが、予選は3位になって…。ちょっとガッカリ(苦笑)。僕としてはアタックラップも良かっただけに“どうして?”という思いです。予選では僕らは計測2周目より1周目のほうがいいと判断してアタックしていたんです。コースインも早いタイミングで行ってたのですが、(タイヤの)ラバーがつく、あとのタイミングのほうが良かったのかな、と思いますね。トップを目指していただけに残念です。
アンドレ・ロッテラー(No.36 PETRONAS TOM'S SF14)
明日の無給油でのレースは僕たちドライバーにとって、新しいチャレンジになる。確かにアクセル全開での戦いのほうがいいけれど、みんな同じ条件だから、燃料をセーブしてタイヤをうまくマネージメントして戦うだけ。最後は誰が一番うまくいったか、ということですね。