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2014 SUPER FORMULA

Round5 Autopolis

  • Autopolis
  • 公式予選 9月13日(土) / 決勝レース 9月14日(日)  [46 Laps : 215.004 km]
    オートポリス : 4.674 km

Race

Result Review

アンドレ・ロッテラーが独走状態を築いて今季2勝目を挙げる!
2位は自己最高位の国本、3位にデ・オリベイラが入りポイントリーダーを守る

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No.36 アンドレ・ロッテラー

9月14日(日)、オートポリス(大分県)で2014年全日本選手権スーパーフォーミュラ第5戦の決勝レースが行われた。給油なしのレースで燃費に苦しむマシンも出るかと思われたが、各チームが果敢なレースを展開。その中、予選3位のNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)が、巧みなレースコントロールで最終的には12秒もの大差を付け、今季2勝目を挙げた。2位には自己最高位(シリーズ戦)を書き換えたNo.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)、3位にはNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)が入賞し、引き続きポイントリーダーの座をキープした。

2014-09-14 14:55-16:08 天候:晴れ コース:ドライ 気温:26度 路面温度:37度(スタート時)


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スタートで中団以降にアクシデント複数が発生

 曇りがちだった予選から一転、見事な青空と早秋の温かな陽光に恵まれた日曜日のオートポリス。九州地方では、1年に1回の開催となるスーパーフォーミュラということで、多くの観客がスタンドを埋めた。そのダミーグリッドに各車が整列。だが、予選8番手だったNo.7 平川亮(ACHIEVEMENT Team KYGNUS SUNOCO SF14)は、決勝前のウォームアップ走行でコースアウトしたため、ピットスタートとなる。また、昨日の予選で今ひとつ思うような結果を得られなかったNo.11 ヴィタントニオ・リウッツィ(HP SF14)は、グリッドへの走行の際、ピットアウトせず。だが、これは作戦で、1周分、燃料をセーブするために、ピットからそのままメカニックに押されてダミーグリッドに着いた。そのため、最後尾からのスタートとなる。

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 さて、併催レースのスケジュールの遅れから、午後2時55分、最初の予定よりも10分遅れてフォーメーションラップがスタートした第5戦。1周の隊列走行が終わると18台のクルマが正式グリッドに着き、いよいよ迫力のスタートが切られた。今回のレースは給油がなく、ピットインの必要はない。そのため、多くのドライバーがこのスタートにかけていた。ここで動き出し後の加速が鈍ったのは、ポールポジションのNo.1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)。またNo.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)も若干動き出しで鈍る。その隙を突いたのが、予選3番手だったMo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)。目の前の山本に一瞬詰まりそうになったロッテラーだが、ここでアウトにラインを変え、最大限ブレーキを遅らせる。ブレーキスモークを上げながら、ロッテラーはここで国本を捉えると、トップに浮上。国本がこれに続いた。
 その後方でもポジション争いは熾烈だったが、ここで抜群のロケットスタートを決めたのが、予選9番手だったNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)。前方の混乱に乗じて、アウト側から他のドライバーをごぼう抜きにしたデ・オリベイラは、一気に3番手までポジションを上げてきた。これに続いたのはNo.10 塚越広大(HP SF14)。その後方では、アウト側からコーナリングを開始していた予選6番手のNo.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)のクルマのサイドに、イン側のラインを取った予選10番手のNo.3 ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーションKONDO SF14)が接触。デュバルはスピンアウトして、18番手までポジションを落としてしまった。一方のロシターは塚越に続く5番手に浮上。さらに、この接触の際に行き場を無くした予選7番手のNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)が6番手、スタートで遅れた山本が7番手、今回もスタートを決めてきたNo.38 石浦宏明(P.MU/CERIMO・INGING)が8番まで進出してきた。
 さらに、その後方は、No.41 武藤英紀(DOCOMO DANDELION M41Y SF14)とNo.31 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING SF14)、No.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING SF14)がポジションを争う中、大祐と小暮が接触。小暮はコースイン側のコンクリートウォールに弾き出され、クラッシュ。ここでリタイヤとなってしまった。

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No.39 国本雄資

レース前半、優勝争いはロッテラーと国本の戦い

 さて、オープニングラップでトップに立ったロッテラーは、序盤から国本を引き離しにかかるが、2周目の最終コーナーを立ち上がったところで、2台の距離は一旦急接近。メインストレートでは、国本のノーズがロッテラーの前に出る。しかし、スタート直後とは違い、この時イン側のラインを取っていたロッテラーは、やはり1コーナーのブレーキングで、国本の鼻先を抑えることに成功。ここからは着実にリードを広げて行った。46周のレース中盤まで、タイヤをマネージメントしながら走っていたロッテラーに対し、国本は約2秒差で着いて行き、オーバーテイクのチャンスを待つ。しかし、中盤以降は、逆に国本のタイヤが厳しくなり始め、ロッテラーは次第にギャップを大きく広げて行った。その結果、最後は13秒近い差をつけての独走で優勝。もてぎ戦を欠場した分をリカバーすることに成功している。
 2番手以降は、後半に入ってかなりの接近戦に。どのドライバーも次第にペースが上がり、国本、オリベイラ、塚越、ロシターの差はグッと詰まった。タイヤが厳しくなってきた国本に対して、タイヤをセーブしていたオリベイラや塚越、タイヤだけでなく燃料もセーブしていたロシターが追い付いてきたためだ。そして、残り5周を切ったあたりからは、各ドライバーが次々にオーバーテイクボタンを使用しながら、逆転の機会をうかがう。しかし、最後まで上位のポジションの入れ代わりはなかった。

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No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

 そして、最終的には12秒もの大差を付けてロッテラーが今季2勝目。国内トップフォーミュラで通算20勝目の大台に乗せた。国本はシリーズ戦自己最高位となる2位表彰台を獲得。もてぎで完全勝利を果たしたデ・オリベイラが底力を見せて、3位に入賞。以下、塚越、ロシター、今ひとつペースが上がらなかった一貴、山本、石浦までが入賞している。デュバルは、残念ながらノーポイントに終わった。
 ドライバーズランキングでは、3位の6ポイントを加えデ・オリベイラがトップを堅持。これに2.5ポイント差でロッテラー、4ポイント差で一貴、8.5ポイント差でデュバル、9ポイント差で石浦と続くことになった。

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No.10 塚越広大
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No.3 ジェームス・ロシター


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舘信秀 優勝チーム監督 /2位 No.39 国本雄資 / 優勝 No.36 アンドレ・ロッテラー / 3位 No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ


記者会見

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いいレースウィークになった

優勝
アンドレ・ロッテラー(No.36 PETRONAS TOM'S SF14)

 いいレースウィークになりました。ありがとう! 今日のようなレースではピットストップがないし、オーバーテイクすることも難しいので、まずスタートが重要になることはわかっていたので、そこを狙ったんです。そこでまず1コーナーではできるだけ前に出ようと思っていたんですが、前にいた国本(雄資)さんが1コーナーでブレーキロックしたのがわかったので、僕はアウト側のラインを取り(トップになり)ました。
 レースそのものはスムーズにいったのですが、心配だったのはタイヤのこと。途中でダメになったらどうしようと思いましたが、ペースも全然落ちなくて、でもいいリズムで走ることができたし、ファンタスティックなタイヤでしたよ。セミファイナルラップで(ファステストラップでもある)ベストタイムをマークできたし、いいレースでした。
 欠場後のレースなので、ちょっと不思議な感覚もありましたが、いい意味でモチベーションを上げることはできました。“やらないと!”という気持ちが強くなりましたね。F1へのスポット参戦に舘監督が理解を示してくれたことに関しては、本当に心から感謝しています。代わりに言われたのは「(スーパーフォーミュラの)チャンピオンシップを獲得しろよ」と言うことだったので、それを実現できるようがんばります。
 今回、燃料やタイヤのことを意識するようなレース展開となりましたが、僕らは燃費の面は問題なく、タイヤの使い方は走ってみないとわからない、という状況でした。実際にはセーブしながらプッシュしていた、という感じでしたが、全力で走ったとはいえ、レースの序盤は少しマネージメントはしていたのかな、という感じです。でも決してゆっくり走っていたわけではないですよ。一方で、今日のようなレースフォーマットになると、どれだけおもしろかったかは別の話になるでしょうね。ピットストップをはじめ、戦略が特にあるわけではなかったし、オーバーテイクも難しいところなので、なかなかエキサイトな展開にはならなかったのだと思います。タイトル争いについては、特別戦略なんてないですよ。いつも最善を尽くすだけですね。
いい流れで週末を送ることができた

2位
国本雄資(No.39 P.MU/CERUMO・INGING SF14)

 今日はスタートしかチャンスがないと思っていたんです。なのでスタートを集中していったんですが、でもあまり良くなかったですね。でも、(ポールポジションの)山本(尚貴)選手を抜くことができました。1コーナーではブレーキ勝負になるかなと思ったんですが、結構路面がバンピーでそこでブレーキングポイントを見失い、クルマも挙動が乱れたんです。そこでアンドレ(ロッテラー)選手にアウト側から抜かれてしまいました。
 ペース的にも今日はアンドレ選手のほうが良くて、徐々に離されていって、自分の中では追い付いて行きたかったのですが、タイヤも結構厳しく、特にセクター3が厳しく、なかなかペースを上げることができませんでした。最終的にはJP(デ・オリベイラ)選手に結構近づかれ、状況としては厳しいレースだったのですが、チームが昨日からどんどんクルマを良くしてくれたので、いい流れで週末を送ることができたのではないかなと思います。
 レース前は燃料的に難しい展開になるかと思ったのですが、実際に走ってみたら燃料は全然大丈夫で、いつものレースと変わらず最後までプッシュして走りました。タイヤはオートポリスだし、最後は本当に厳しかったですけど。でも戦略がないぶん、なにも起こらない感じのレースになってしまいましたね。
 富士で3位、オートポリスで2位になれたので、残るSUGOか鈴鹿で優勝したいと強く思っています。オートポリスはいい印象がないサーキットだったんです。F3のときからクルマがすごく速くてもなかなか表彰台に行けませんでした。今日、初めてあっちの表彰台(ビクトリータワー)に行くことができたので、すごく気持ち良かったです! なのでまた気持ちを引き締めていきます。すごくレベルの高いレースですが、チャンスはあると思うので、優勝できるようにがんばります!
できる限りのことをすべてやったので満足している

3位
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.19 Lenovo TEAM IMPUL SF14)

 今週末は僕らができる限りのことをすべてやったので満足しています。まずはオープニングラップ。これがとても重要だったので、いいスタートを切ることがすべてでした。できるだけ逆転しようと思って1コーナー進入ではアウト側を選んだのですが、実際に何台か抜けたので、いい選択ができたと思います。
 序盤はみんな同じようなペースで走っていたので、まずコンスタントにラップタイムを刻み、タイヤ、燃料をセーブする走りをしました。後方には、(塚越)広大選手が来ていたので、ペースを変えて対応していかなければ、と思いました。しかしながら、リアタイヤがちょっと厳しい状況でしたね。
 今回のレースでわかったのは、僕らはレース用のクルマのペースアップを図りたいということ。セットアップを見直して、クルマを改善したいですね。次のSUGOでそれを活かすことができると思います。
 できればレースフォーマットはシリーズとして統一してもらうほうがいいと思いますね。スーパーフォーミュラは日本のレースにおけるトップカテゴリーだし、レース戦略なども含めてレースの見どころになると思います。ドライバーがどのような戦略をするのか…。ピットストップのタイミング、ピットアウト後のプッシュの仕方、そのあたりでドライバーがタイムを確保していくのが見どころにもなるので、シーズンを通して統一してもらえるといいですね。
 チャンピオンシップに関しては、とにかくベストを尽くすだけ。それしかないですね。やれることをやってチャンスを逃さない。僕にとって今日のレースは本当に重要でしたが、ここでポイントを獲れたのは大きな成果でした。これからも出来る限りの努力を続けたいと思います。

今日は強いアンドレを見せてくれた

優勝チーム監督
舘 信秀 監督(PETRONAS TEAM TOM'S)

 今日のアンドレ(ロッテラー)は強いアンドレを見せてくれたと思いますし、(中嶋)一貴の6位は、これはもうしょうがないかなという感じでした。一方で、(タイトル争いでライバルとなる)JP(デ・オリベイラ)が3位まで来るとは思っていなかったので、これを除けば大変いい一日でした。
 (F1ベルギーGPに参戦するため、前戦を欠場したが)F1参戦の話が彼に来たことに関しては、いいと思いましたので、驚くことはありませんでした。最初からふたつ返事で、『行ってこい!』と送り出しました。


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