2014 SUPER FORMULA
Round7 Suzuka Circuit 13th JAF GRAND PRIX SUZUKA
- Suzuka Circuit
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公式予選 11月8日(土) /
決勝レース 11月9日(日)
鈴鹿サーキット : 5.807 km
Race
Race1は小雨の中、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが優勝!
ポイントリーダーの中嶋一貴は2位。この勝利でデ・オリベイラが1ポイント差に迫る
No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
白熱した予選から一夜明けた11月9日(日)。朝から雨となった鈴鹿サーキットで、全日本選手権スーパーフォーミュラはタイトル決定の時、最終戦の決勝日を迎えた。この大会は2レース制ということで、通常の大会で行われるような決勝日のフリー走行はなし。朝の最初の走行が、20周で争われるRace1となった。
そのRace1のフォーメーションラップがスタートしたのは、午前10時10分。1周の隊列走行を終えると、全車が正規スターティンググリッドに着く。なお、前戦SUGO後にエンジンにトラブルが見つかったNo.1 山本尚貴(TEAM 無限 SF14)と、前日のフリー走行でエンジントラブルが発生したNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING SF14)は、指定時期以外のエンジン交換をしたということで10グリッド降格となり、山本は15番グリッド、小暮は最後尾となった。
ここでNo.34 伊沢拓也(DRAGO CORSE SF14)がクラッチのつながり具合に少し問題があったのか、エンジンストール。赤旗が提示され、スタートはディレイ(延期)される。仕切り直しのフォーメーションラップがスタートしたのは、午前10時21分。赤旗の原因を作ったということで、伊沢は最後尾スタートとなったが、今度は全車がグリッドにロックオン。1周減算となり19周で争われることになったRace1は、いよいよスタートが切られた。
ここで抜群の動き出しと加速を見せたのは、4番グリッドからスタートしたNo.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(Lenovo TEAM IMPUL SF14)。フロントロウのNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM'S SF14)とNo.37 中嶋一貴(PETRONAS TOM'S SF14)は、ホイールスピンが多すぎて、加速が鈍った。この2台の中央を突破して、デ・オリベイラはトップに立つ。これに一貴、ロッテラー、No.8 ロイック・デュバル(Team KYGNUS SUNOCO SF14)とタイトル争いの上位者が続く。さらに、No.39 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING SF14)、好スタートを切ったNo.10 塚越広大(HP SF14)、No.38 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING SF14)、No.3 ジェームス・ロシター(フジ・コーポレーション KONDO SF14)もこれに続いた。その中から、抜け出す形となったのはデ・オリベイラ。グリッド上ではそれほど雨量が多くなかったため、ドライセットとウェットセットの中間ぐらいの車高に、ユーズドのレインタイヤで走り始めたデ・オリベイラは、バックストレートやメインストレートで上手くタイヤを冷やしながら、猛プッシュ。2番手以下を引き離して行った。一貴はそこまでペースが上がらず、ジワジワと差を付けられたが、その後方のロッテラーも一貴のクルマが巻き上げる水煙で視界を奪われ、得意のオーバーテイクを見せることができない。また、スタートで4番手となったデュバルには、3周目に入ってペナルティーが提示される。これは、正規グリッド上でシグナル点灯前に、ほんの少しだけ動いてしまったため。デュバルはそこから3周、猛プッシュしてからドライブスルー。ほぼ最後尾までドロップし、タイトルの可能性がほぼ消滅した。
そのデュバルがコースに戻って追いかけることになったのはNo.32 小暮卓史(NAKAJIMA RACING SF14)。その小暮も目の前の集団を追っていたが、視界の悪さから10周目の130Rでイン側の縁石にわずかに乗る。その瞬間テールが流れて、小暮はアウト側にコースアウト。クラッシュバリアに衝突した後、クルマが浮き上がって上下に半回転。逆さまになってストップする。これをきっかけにして、間もなくセーフティーカーが導入された。
小暮のクルマの回収が終わり、レースがリスタートしたのは13周を終えた時点。それを前に、リスタートへの駆け引きが行われ、トップのオリベイラはシケインの真ん中あたりからアクセルオン。これを見逃さなかった一貴が後方に迫る。一貴はオーバーテイクボタンを使いながら、1コーナーでデ・オリベイラの攻略を狙ったが、ここでの逆転はならず。ロッテラーは加速が一瞬遅れ、前の2台には着いて行くことができなかった。
結局、上位にポジションの入れ代わりはなく、デ・オリベイラが逃げ切り優勝。ボーナスポイントも含めて8ポイントを獲得し、ポイントリーダーの一貴まで1ポイント差に迫った。2位には一貴、3位にはロッテラー。Race2に向けては、この3人がタイトルの可能性を残して臨むことになった。
2位 No.37 中嶋一貴 / 優勝 No.19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 星野一義 優勝チーム監督 / 3位 No.36 アンドレ・ロッテラー
記者会見
- 何も心配することはなく自信を持って走った
Race1 優勝
今回はスタートがとても重要だった。前に立つことが大きなアドバンテージになることになったからね。前に立てば、前からの水煙もないし、コースの状況もしっかりと見えるし、レースに集中できるからね。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(No.19 Lenovo TEAM IMPUL SF14)
前に立ってからは本当にクルマもいい感じでペースもよく、自分のペースで走れたし、何も心配することはなく自信を持って走った。ただ、レース途中にセーフティカーが入ったので、そのときは慎重になったかな。特にリスタートの時ですね。リードしたままレースを再開することができたね。レース中、コンディションが徐々に変わっていって、場所によっては雨が強いところもあったけれど、影響を受けることなくトラブルもなくいい感じでレースができたよ。- JPがそれ以上のスタートを決めたのかな
Race1 2位
みんなウェットのスタートで難しかったと思います。僕は良くも悪くもなかったのですが、JP(デ・オリベイラ)がそれ以上のスタートを決めたのかなと思います。ペース的には、後ろにつくと(前が)見えないことがあって難しい部分もありますし、雨の中のレースでは少し負けている部分もあると思うので、Race2に向けて改善していきたいと思います。
中嶋一貴(No.37 PETRONAS TOM’S SF14)
Race2に向けてクルマのパフォーマンスをもうちょっと上げなきゃいけないだろうし、自分自身も「もう少しうまく走らなきゃ」といけない部分もあると思うので、準備をしていきたいですね。- 今回のレースはスタートがすべてだった
Race1 3位
今回のレースはスタートがすべてでしたね。僕のスタートそのものはあまり悪くなかったけれど、ホイールスピンが酷くてトラクションをつかむ瞬間が少し遅れたかな。僕以上によかった選手が前に出たってことです。結果、3位にポジションを下げてしまうことになったんだ。上位3台のペースはほとんど同じだったけれど、雨なので視界も良くないし「動きもないなぁ」と思っていたし、どうしようもなかった。なのでポジションキープすることになったんだ。
アンドレ・ロッテラー(No.36 PETRONAS TOM’S SF14)
チャンピンシップのことを考えると、ポイント的に僕にはそのチャンスは少なくなってしまったけれど、チームメイトの一貴にはそのチャンスがあるし、チームが獲ってくれればいいなと思うね。- JPのスタートが一番の決め手だった
Race1 優勝チーム監督
今日のようなレースでは、スタートがかなりのウェイトを占めるよね。朝からミーティングでJP(デ・オリベイラ)にはクルマのことやクラッシュなどの心配を与えないようにしゃべらないようにしていました。「気をつけてがんばってくれ」ということだけでしたね。
星野一義 監督(Lenovo TEAM IMPUL)
確かにJPのスタートが(勝利の)一番の決め手だったし、あれは俺にはできないね(笑)。スタートがうまくいって、ウェットという条件が最高に良かったということですね。ドライだったら、(中嶋)一貴に行かれていた(先行されていた)と思うので、神が優勝をくれたのかな。もちろん、JPもがんばりましたけどね。
(勝利してタイトルの可能性を高めたことで)最後のRace2を思いっきりやれることになり、今ものすごくハッピーです。気持ちはうれしいんですが、今は顔に出してないだけですよ(笑)。