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2016 SUPER FORMULA

Round6 SPORTSLAND SUGO

  • SPORTSLAND SUGO
  • 公式予選9月24日(土) / 決勝レース9月25日(日)
    スポーツランドSUGO : 3.704 km

Preview

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残り2戦!僅差のポイント争い、新たな勝者の誕生はあるのか?激化するチャンピオン争い

第6戦 スポーツランドSUGO・プレビュー

 9月中旬に行われた前戦岡山大会を含め、ここまで5大会、6レースを終えて、ますますタイトル争いが混沌としてきた今季の全日本スーパーフォーミュラ選手権。その状況のまま、早くも来週末には、宮城県スポーツランド菅生での第6戦を迎えることとなる。
 菅生は、スーパーフォーミュラが行われるコースの中でも、距離が短く全長約3.7㎞。また、最終コーナーに10%の上り勾配があるのも名物で、全体として69m余りの高低差がある。特に、バックストレート先の馬の背コーナーを超え、SPイン&アウトコーナーから、メインストレートにかけての区間は、ドライバーの勇気が試される部分。ここでスピードを乗せて行かなければ好タイムは期待できないが、一方で、エスケープがないため全くミスは許されない。ひとつのミスが大きなクラッシュへとつながってしまうからだ。だが、ほとんどのドライバーたちは、“それこそがレースの醍醐味だ”と太鼓判を押す。彼らにとって、まさに“シビれる”コースが菅生なのだ。

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 さて、そんな菅生では、例年と同様、シーズン前の合同テストは行われていない。ただし、開発車のテストは行われており、トヨタエンジン勢ではKONDO RACING、ホンダエンジン勢ではDOCOMO TEAM DANDELION RACINGはヨコハマタイヤでの走行経験がある。そのあたりがレースウィークにどのような影響を与えるかは、興味深い所だ。彼らも含めて全車が走行を開始、戦いが始まるのは、9月23日(金)の専有走行からとなる。

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No.2 国本 雄資
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No.1 石浦 宏明

 その菅生での見所は、まず何と言っても、ノックアウト予選。前述の通り、コース全長が短いため、特にQ1ではピットアウトのタイミングが重要になる。今年は、予選開始の5分以上前から、ピットロードに行列ができるという場面を良く目にするが、今回もQ1が始まる前には間違いなくそういうシーンが見られるはずだ。この時、各車はユーズドタイヤでの走行になるのが普通だが、それでもクルマの感触を確かめるためには、できるだけ前にクルマがいない場所で走りたいからだ。また、セッション後半、ニュータイヤを装着してから、各車がピットアウトする場面も迫力のある1シーン。どのチームも、どこのピットでエンジンが始動されるか、聞き耳を立てている。特に、ガレージの位置からピット出口までの距離が遠いチームは、何とか他の裏をかいて、ニュータイヤでも前をふさがれないうちにコースに出たい。つまりピットアウトの瞬間から、予選の勝負は始まっている。  そして、今年よく見られるのが、アウトラップでのオーバーテイク。前との距離を開いておくために、アウトラップでゆっくりと走るドライバーを後ろから来たドライバーが追い越して、自分のスペースを獲りに行く場面が頻発している。これが各ドライバーのタイヤのウォームアップや、精神的なリズムにも微妙な影響を与えているはずだ。また、菅生で気をつけなければならないのは、赤旗。前述のように、菅生はエスケープゾーンが狭く、フルアタックの際に飛び出すドライバーが出る可能性も高い。その場合、赤旗が提示される確率が高く、タイムを出す前にセッションが中断されるということが往々にして起こるのだ。  一方、セッションが進めば進むほど、多くのクルマが走行することによって、路面のグリップは上がり、タイムが出やすいコンディションとなる。赤旗を嫌って、早目にアタックに入るか、赤旗の可能性があってもタイムが出る最終盤にアタックに入るか。各チームとドライバーが頭を悩ませるところだ。9月末の仙台郊外ということで、これまでよりもタイヤのウォームアップに時間を要する可能性もあるだけに、予選では細かな部分で色々な見所がある。これは、Q2、Q3と進んで行っても同様。気温、路面温度によっては、10分のセッションをフルに使わなければタイムが出ないという可能性もあり、他方、7分間で充分という可能性もある。そのあたりは、実際の予選になってからのお楽しみだ。もちろん雨になったらなったで、その時の水の量や装着するタイヤがニューかユーズドかによって、タイムが大きく変わってくる。最適のタイミング、最適のタイヤを選択するのがどのチーム&ドライバーなのか、こちらも見所は尽きない。

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No.36 アンドレ・ロッテラー
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No.20 関口 雄飛

 そして、今回は決勝レースも通常モード。約250㎞、68周で争われる。タイヤ交換も給油も義務付けはない。だが、燃費的にフルタンクでも走り切れず、各チームともに7~8秒の給油は行うはずだ。給油のウィンドウは、10~55周になると思われるため、早目に入るのか、引っ張るのか作戦が分かれる。また、給油の際、タイヤを交換するチームがどれぐらいいるのか。今年から使用されているヨコハマタイヤは非常に耐久性に優れており、タイヤへの負荷が高いと言われる鈴鹿サーキットでの開幕戦から、無交換というチームが続出した。そのため、菅生でも無交換のチームが多数派とは思われるが、中にはフロント2本だけ、あるいはリヤ2本だけというチームも出てくるかもしれない。このあたりの作戦の違いが、レース結果も左右する可能性がある。  その前に、まず重要なのが、やはりスタート。菅生は1~2コーナーにかけて、3コーナー、S字など、前のドライバーがミスすればオーバーテイクが可能なコーナーもある。しかし、スーパーフォーミュラレベルのドライバーたちは、なかなかミスを犯さず、オーバーテイクシーンもそれほど多くはない。その分、スタート直後の1コーナーでのポジションは重要だ。グリッドから1コーナーまでの距離は、それほど長くはないが、過去にもスタートで順位が変わるという場面は多々あり、今回も決勝での注目ポイントとなる。岡山でも好スタートを見せた、№7 ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAM LEMANS)や№41 ストフェル・バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELIONRACING)、またハンドクラッチになってから常にロケットスタートを決めている№19 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)や№37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)の動き出しには、特に注目だ。

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No.41 ストフェル・バンドーン
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No.16 山本尚貴

 そして、最終結果がどうなるのか。今回は通常のレース距離ということもあり、トップ8までのドライバーにフルポイントが与えられる。現在は№2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が23.5ポイントでリーダーズレッドを保持しているが、ディフェンディングチャンピオンの№1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が19ポイント、№36 アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)が18ポイント、もてぎ戦を制した№20 関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が17ポイント、前戦岡山のレース1を制したバンドーンが16ポイント、開幕を制している№16 山本尚貴(TEAM 無限)が15.5ポイント、一貴が15ポイントと、2位以下は超接近戦。菅生戦の結果次第で、ランキングも再び大きく動きそうな気配だ。最終戦を前に、一体誰が好位置につけるのか。例年、様々なハプニングがあるレースだけに、見逃せない場面が次々に現れそうだ。

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