2017 SUPER FORMULA
Round3 Fuji Speedway
- Fuji Speedway
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公式予選 7月8日(土) /
決勝レース 7月9日(日)
富士スピードウェイ : 4.563 km
Preview
シリーズは夏の中盤戦へ突入。舞台は超高速バトルの富士
第3戦 富士スピードウェイ・プレビュー
No.36 アンドレ・ロッテラー
VANTELIN TEAM TOM’S
4月に鈴鹿サーキットで開幕した全日本スーパーフォーミュラ選手権は、5月末に岡山で行われた第2戦から1ヶ月余りを経て、いよいよ夏の中盤戦に入る。シリーズは全7戦・9レース。すでに2大会・3レースを終えていることもあり、今回の第3戦あたりから上位陣はドライバーズタイトルを視野に入れつつ戦うことになる。一方、ここまでの3レースでまだ納得の行く結果を出せていないドライバーたちにとっては、そろそろ巻き返しを図らなければならないポイントだ。そんな今回のレースの舞台となるのは富士スピードウェイ。すでに半世紀以上の歴史を刻む、国内有数のインターナショナル・サーキットだ。このサーキットの特徴は、やはりロングストレート。そこから1コーナーにかけては、過去にも多くの名場面が演じられてきた。またダンロップコーナー進入のブレーキングなど、いくつかのオーバーテイクポイントがあり、常にエキサイティングなレースが展開される。
No.37 中嶋一貴
VANTELIN TEAM TOM’S
No.18 小林可夢偉
KCMG
そんな富士では、3月にオフシーズンのテストが実施されているが、速さを見せていたのはVANTELIN TEAM TOM’S。イタリア・モンツァで行われたWEC・世界耐久選手権のプロローグと日程が重複したため、レギュラードライバーのアンドレ・ロッテラー&中嶋一貴は不参加だったが、代役として走った平川亮が総合トップタイムをマーク。同じくジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが2番手タイムを刻み、チームとしての好調ぶりを見せつけた。では、今回のレースでもVANTELIN TEAM TOM’Sがそのままブッちぎりの速さを見せるのかというと、季節も違うということで、そう簡単には行かない雰囲気もある。開幕戦・鈴鹿では、テスト時の速さをそのままに一貴がポール・トゥ・ウィンを果たしているが、岡山ではノーポイント。鈴鹿を5位で終えたロッテラーは、岡山で巻き返してポイントリーダーに立っているが、一貴、山本尚貴、石浦宏明、関口雄飛までのトップ5は2ポイント以内という僅差で並んでいる。中でも、岡山のレース2では、関口のペースがロッテラーや石浦を凌駕。昨年、関口自身が初表彰台を獲得している富士に向けて、弾みがついている。しかも、関口が所属するITOCHU ENEX TEAM IMPULは、これまでも毎年のように富士で優勝争いを演じてきた。チームとして得意なコースでもあるだけに、今回も軸になってくる可能性が高い。同様に、富士がホームコースということで、上位争いを展開しそうなのは、P.MU/CERUMO・INGING。さらに、今季2台体制になったTEAM MUGENもホンダエンジンユーザーの中では、波に乗っている。KCMGに移籍した小林可夢偉も今季は随所で速さを見せており、そろそろ上位争いに加わりたいところ。今年のル・マン24時間レースの予選では、コースレコードを更新する世界的な速さを見せているだけに、ドライバーとしての可夢偉の力は折り紙つき。セットアップが上手くハマれば、一気に上位に食い込んでくるのは間違いない。こうした実力派のチーム&ドライバーとVANTELIN TOM’Sが、どんな戦いを繰り広げるのか。そのあたりが全体としては見どころとなりそうだ。
No.16 山本尚貴
TEAM MUGEN
No.19 関口雄飛
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL
一方、今季はルーキーたちの頑張りも注目のポイント。来季のF1昇格が確実視されているピエール・ガスリーのみならず、実力派ルーキーがズラリと揃っているからだ。岡山で初表彰台を獲得しただけでなく、ほとんど唯一のオーバーテイクシーンを見せたニック・キャシディ。そのチームメイトとして3レース目にして早くもフロントロウを奪った山下健太。岡山のレース2ではトップ争い以上のハイペースで飛ばしに飛ばし、表彰台まであと一歩に迫った“レース職人”フェリックス・ローゼンクヴィスト。こうした若手たちの活きのいい走りが今季はシリーズを活気づけている。経験という意味ではまだベテランに敵わない部分もあるかも知れないが、彼らの中からニュースターが誕生するのは間近だ。
No.3 ニック・キャシディ
KONDO RACING
No.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト
SUNOCO TEAM LEMANS
それだけ魅力的なドライバーたちが揃うスーパーフォーミュラで、今季唯一となる富士のレースだが、まずは金曜日に行われる専有走行の結果に注目。ここでマシンの仕上がり具合がどうなのか、良し悪しがある程度見えてくるのでチェックして欲しい。幸い週の前半に台風3号が日本列島を横断したため、金曜日の天気予報は晴れ。走行自体は1時間となるが、各車持ち込んだセットアップの確認や予選シミュレーションを行うことはできそうなので、誰が好タイムを刻むのかを見ることができる。
そして、土曜日の予選だが、富士はとにかく各車のタイム差が小さい。わずかコンマ1秒の差で、ポジションが3つ、4つ変わってきてしまう。それがQ1からQ2、Q2からQ3への壁となってしまうシーンも多々ある。そこにはもちろんクルマの仕上がりの差もあるが、ドライバーがいかに細かなミスなく走れたかということも関係してくるだけに、できればコースサイドでの走りを見ていただきたいところだ。ただし、予選でPPを獲得したからといって、そのまますんなり逃げ切れないというのも富士の特徴。セカンドロウあたりまでに入れば、スタートやコース上でのオーバーテイク、ピット作業で順位が入れ替わる可能性は充分。距離が250kmということで給油は必要となりそうだが、どのタイミングでピットに入るのか、タイヤは交換するのか。チームによって作戦も別れて来そうなので、そこも見所だ。しかも、週末の天気がどうも微妙な様相となってきた。ひょっとするとレース途中でドライからウェットに、あるいはその逆でウェットからドライになるパターンが考えられるほか、完全な雨ともなればオーバーテイクシーンが増える可能性もある。決して単調にはならないのが富士のレース。その一瞬一瞬を見逃さず、目の奥に焼き付けて帰っていただきたいところだ。