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2017 SUPER FORMULA

Round4 Twin Ring Motegi

  • Twin Ring Motegi
  • 公式予選 8月19日(土) / 決勝レース 8月20日(日)
    ツインリンクもてぎ : 4.801 km

Preview

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タイヤ特性を見極め勝利を手繰り寄せるのはどのチーム?

第4戦 ツインリンクもてぎ・プレビュー

 夏休みに入る直前の7月上旬に、富士スピードウェイで開催された第3戦。劇的な展開となったこのレースから約1ヶ月半を経て、全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦が、いよいよ来週末、栃木県ツインリンクもてぎで開催される。

 今年開場から20周年という節目の年を迎えたもてぎは、富士とは全くキャラクターの異なるサーキット。もともとロードコースとオーバルコースが組み合わされる形で作られており、ロードコースの方はストップ&ゴーのレイアウトとなっている。加減速が多く、ブレーキには非常に厳しいサーキットだ。以前は、カレンダー上でも最終戦近くに行われていたが、現在は夏の真っただ中に行われるということもあり、よりブレーキには過酷。各チームも温度が上がり過ぎないように、気を使わなければならない。また、コース幅がそれほど広くないことから、オーバーテイクが容易ではないと言われているのもこのコースの特徴。特に、現在のスーパーフォーミュラで使用されているSF14は、空力的に優れた特性を持っていることから、逆によりオーバーテイクが難しくなっている。

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No.2 石浦宏明
P.MU / CERUMO · INGING
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No.36 アンドレ・ロッテラー
VANTELIN TEAM TOM’S

 そんな状況に変化を持たせるために、昨年から実施されているのがタイヤの2スペック制。現在、シリーズにワンメイクタイヤを供給している横浜ゴムの英断によって、もてぎでは通常のレースで使用されているミディアムタイヤに加え、ソフトスペックが追加される。しかも、今年は春先からのエンジン開発テストで、さらに柔かい方向に振ったという新たなソフトタイヤを数スペック試しており、その中から最終スペックを決定。それが、もてぎに持ち込まれることになった。この新ソフトタイヤは、レースをよりエキサイティングなものとする目的を持っており、わざわざ昨年以上にグリップ力が高まり、ライフが短くなるよう設計されたもの。このタイヤをどう使いこなすかが、結果を大きく左右することになる。もてぎの路面はスムースで、もともとそれほどタイヤへの攻撃性が高くないと言われているが、どれだけの周回を速いタイムを維持したまま走り続けられるのか。そのスイートスポットを見つけ出すことが重要だ。同じヨコハマタイヤということで、キャラクター自体は同じ方向性ということだが、一体誰が好タイムを刻むのだろうか。

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No.19 関口雄飛
ITOCHU ENEX TEAM IMPUL

 この専有走行に引き続いて注目されるのが、土曜日に行われる予選ということになる。昨年は、関口雄飛が唯一Q1をミディアムタイヤで突破。Q2、Q3に向けて、2セット供給されるソフトタイヤを温存したことで、見事にPPを獲得したのが記憶に新しい。金曜日の段階で、新ソフトタイヤとミディアムタイヤにどれだけタイム差が現れるかによっても違ってくるが、Q1をミディアムで突破できるという自信があるチーム&ドライバーは、昨年の関口同様の作戦を取ってくる可能性が大いにある。ただし、現在のスーパーフォーミュラは、全車のタイムが非常に拮抗しているだけに、作戦によっては番狂わせが起こる可能性も。19台がほぼ同時にアタックするQ1では、トラフィックの影響を受ける場面も出てくるだけに、誰がどのタイミングで、またどのタイヤを装着してアタックに向かうのか、注意深く見守っていただきたい。このQ1の結果次第で、Q2、Q3の戦い方も変わってくるはずだ。

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No.37 中嶋一貴
VANTELIN TEAM TOM’S
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No.7 フェリックス・ローゼンクヴィスト
SUNOCO TEAM LEMANS

 決勝レースでは、ドライの場合、今年も両スペックのタイヤを装着することが義務付けられる。だが、前述のように、ソフトタイヤの決勝でのライフやタイムの落ち込みに関しては、現時点では未知数。どのチームも、データを持っていない状態だ。これを確認するのが、日曜日朝のフリー走行ということになる。また、スタート時にどちらのタイヤを装着するのか、そのタイヤで何周ぐらい走行してからピット作業を行うのかも見所。グリッドが後方であれば、燃料補給のウィンドウが開いたところでピットに入り、空いたところでプッシュするという作戦を取るだろうが、その場合はソフトでスタートしてミディアムに交換する可能性が高い。一方、グリッド前方のドライバーは、ミディアムでスタートし、ある程度引っ張り、燃料が軽くなったところで給油とソフトタイヤに交換するのがセオリー。しかし、ライバルを出し抜こうと思ったら、ソフトでスタートすることも充分に考えられる。いずれにしても、ソフトとミディアムでのレースペースにどれぐらいの差があるのか、そのデータをもとに各チームが作戦を決めることになる。

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No.1 国本雄資
P.MU / CERUMO · INGING
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No.16 山本尚貴
TEAM MUGEN

 そんなもてぎのレースで、これまで強さを見せてきているのは、ITOCHU ENEX TEAM IMPULやVANTELIN TEAM TOM’S。昨年の関口は貫録の優勝だったが、過去にインパルとトムスが死闘を演じた例は多い。また、SUNOCO TEAM LEMANSにとってももてぎは得意なコースのひとつ。前回の富士戦で初表彰台を獲得し、持ち前の実力を見せた“職人”ドライバー、フェリックス・ローゼンクヴィストが今回も見せ場を作るのか期待したい。さらに、ここ何年かで安定的な強さを身に付けたP.MU/CERUMO・INGINGも、もてぎで上位争いの常連。富士での優勝でランキングトップに立った石浦宏明、一方前回悔しいトラブルに泣いた国本雄資。この2人の戦いからも目が離せない。これに対して、そろそろ優勝争いに絡んで欲しいのが、ホンダエンジンユーザーたち。TEAM MUGENのピエール・ガスリーと山本尚貴は、開幕後もかなりの好調ぶりを維持しているが、ホームコースのもてぎで表彰台をもぎ取ることができるのか。また、ドライバーとして今波に乗っている野尻智紀、かつてはもてぎを得意にしていたTCS NAKAJIMA RACINGなどにも期待がかかる。

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2017年仕様のソフトタイヤイメージ