フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第5戦の決勝(12周)は、5月30日(土曜日)の午後2時30分に全18台の車両が参加して始まった。ツインリンクもてぎの上空には黒い雲の一部も見受けられ、予選のときのような突然の降雨も心配されたが、結果的には終始ドライ路面でのレースとなった。
上位4名はポールシッターのNo.4 佐々木大樹を先頭に、順位変動もなくレースがスタート。後続では、予選5番手のNo.9 野尻智紀が出遅れて8番手まで後退し、その代わりに予選6番手のNo.5 銘苅翼が5番手へ、予選7番手のNo.1 中山雄一が6番手へ、予選10番手のNo.10 朱戴維が7番手へそれぞれ浮上した。
オープニングラップでは佐々木が快調に飛ばした。一方、2番手を走るNo.17 三浦和樹は第3コーナーでシフトミスから失速、3番手を走るNo.16 蒲生尚弥はこの機会を見逃さず、スリップストリームを使って並走に持ち込んだ。しかし、三浦も必死の抵抗を見せて蒲生の攻撃をしのぎきった。危機を逃れた三浦は、蒲生をじりじりと引き離しながら、トップを行く佐々木に約0.7秒差で食らいついていた。
トップ2に離されつつあった蒲生の背後では、No.8 大谷飛雄を先頭としてNo.5 銘苅翼とNo.1 中山雄一の3台が4番手争いを繰り広げていた。とくに銘苅と中山については、レース序盤からレース終了まで終始1秒差以内の接近戦で見応えがあった。
上位4台については予選どおりの順位で周回を重ね、そのままチェッカードフラッグ。佐々木が第1戦以来となる今季2勝目を挙げ、シリーズポイントでは蒲生を逆転してトップに浮上した。2位はFCJで自己最高位の三浦。08シーズンの第6戦(ツインリンクもてぎ)で3位となって以来の表彰台獲得となった。3位は蒲生で、今季4回目の表彰台獲得となった。以下、4位はFCJ初入賞の大谷飛雄、5位は銘苅、6位は中山となった。
優勝:佐々木大樹(東京中日スポーツ賞受賞)
「この大会には、"レース序盤で速く走ること"を課題として臨みました。まだまだ十分ではないと思いますが、今回は前回の鈴鹿大会よりも、その点がずっと改善されたと思います。レース序盤のうちに後続の追撃から逃れられて優勝できましたし、すごくいいレースができたと思います。先週、カートのワールドカップに参戦して経験したり、学んだりしたことも活かせたと思います」
2位:三浦和樹
「スタートダッシュは可もなく不可もなくという状況でした。1周目の第3コーナーでミスを犯して加速が鈍り、蒲生選手に抜かれそうになりました。その後、レース序盤は佐々木選手についていけたのですが、中盤から徐々に引き離されてしまいました。その原因が運転なのか? あるいは精神的なものなのか? 自分の課題としてとらえ、今後のレースで直していきたいと思います」
3位:蒲生尚弥
「1周目の第3コーナーの立ち上がりで三浦選手がミスを犯したので、第4コーナーの立ち上がりからスリップを使って三浦選手を抜こうとしましたが、それは叶いませんでした。レース序盤から前を走る2台のペースが速く、最後はついていくことができませんでした。それでも1周1周攻めて、最後まで守りに入らずに走れたという点はよかったと考えています」