フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)第13戦の決勝(18周)は、好天に恵まれたスポーツランドSUGOで、9月26日(土曜日)の午後1時30分に全17台の車両が参加して始まった。なお、銘苅翼は体調不良に見舞われてドクターストップがかかり、本大会を欠場している。
レッドシグナルが消灯して全車がスタート。発進加速の鈍ったポールポジションのNo.16 蒲生尚弥に、予選2番手のNo.1 中山雄一が並びかけて第1コーナーへ進入した。2台は併走しながら第1コーナーとこれに続く第2コーナーをクリアし、蒲生は辛くも中山の攻勢をしのいで首位の座を守った。2台の後ろにはNo.9 野尻智紀とNo.12 松本武士が3番手と4番手で、No.4 佐々木大樹とNo.3 金井亮忠が5番手と6番手で続いた。
一方、ランキングトップで予選11番手と沈んでいたNo.17 三浦和樹は、抜群の発進加速を見せていた。スタートから第1コーナー進入までにまずは2台をかわし、第1コーナーから第2コーナーでも1台と併走、第3コーナーでアウトから抜き去った。馬の背コーナーではもう1台を攻略。こうして1周目を終えてグランドスタンド前へ戻ってきたときには、7番手にまで順位を上げていた。さらに三浦の快進撃は続き、2周目の第1コーナー進入で金井を抜いて6番手へ浮上。得点獲得圏内へ入るとともに、目の前にはチャンピオン争いのライバルであるNo.4 佐々木大樹の姿を捉えた。
上位集団はレース序盤、ほぼ等間隔を保ちながら周回を重ねた。動きが見え始めたのは3周目からで、まずは先頭の蒲生が2番手の中山をじりじりと引き離し始めた。6周目には中山がファステストラップを記録して追いすがるものの、8周目には蒲生がファステストラップを記録してこれに対抗。しかし、10周目には中山が再びファステストラップを記録した。こうしてふたりは、ほぼ等間隔のままでレース終盤へ突入していった。
これに対して3番手の野尻は、自身のミスも加わって前の2名に置いていかれてしまい、4番手の松本にじりじりと迫られる格好でレース終盤を迎えることになった。また、6番手に上がった三浦は5番手を走る佐々木の背後に迫る周回もあったが、追い越しを仕掛けられるような状態にまで持ち込めずにレース終盤へ突入していった。
結局、蒲生は開幕大会の第2戦以来となる今季2勝目をポールトゥウインで記録した。2位は中山で第8戦以来となる表彰台、3位は松本の追撃から逃げ切った野尻で第10戦以来となる表彰台に上がった。以下、4位は松本、5位は佐々木、6位は三浦。この結果、三浦は75点、佐々木は65点とそれぞれわずかながら得点を伸ばし、タイトル争いの決着は27日(日曜日)の第14戦(最終戦)へ持ち込まれた。
優勝:蒲生尚弥(東京中日スポーツ賞受賞)
「スタートの反応がよくなくて、第1コーナーでは中山選手に並ばれてしまいました。しかし、中山選手を抑えきって首位を確保し、そのあとは後ろを気にすることもなく、自分のペースで走りきることができました。明日もポールポジションからのスタートなので、今日と同じような展開に持ち込めれば、自分のほうがペースは速いので勝てると思います」
2位:中山雄一
「蒲生選手のスタートがよくなかったので第1コーナーでは並べましたが、そこで抜ききれなかったのが悔しいです。ペース自体はよかったので、その後はファステストラップの獲得を意識しながら走りました。ただし、レース中盤からはペースが上がらなくなり、蒲生選手に離されてしまいました。明日はレース序盤に勝負をかけて優勝したいと思います」
3位:野尻智紀
「金曜日のフリー走行から調子はよく、正直に言って勝てる流れだったと思います。しかし、フリー走行の最後でニュータイヤを履く前にクラッシュしてしまい、そこでニュータイヤの空気圧を適正に合わせられなかったツケが今日の予選に影響してしまいました。レース終盤には松本選手に迫られましたが、抜かれるような心配はありませんでした。明日のレースには、今日のレースのロガーデータをきちんと見直して臨みます」