灼熱の富士戦から3週間。フォーミュラ・ニッポン第4戦は、8月7日(土)~8日(日)、ツインリンクもてぎに舞台を移して行なわれる。今回のレースは、夏休みの真っ最中というだけでなく、ホンダが主催するホンダファンのためのイベント、「Enjoyホンダ」とも併催ということで、一度で二度楽しめること間違いなし。それを目当てに、家族連れなど、多くの観客が会場に足を運ぶものと見られている。
注目はポイントランキング1-4位のドライバー達!
さて、その第4戦は、シリーズ折り返しとなる重要な一戦。今後のチャンピオンシップの行方を大きく左右するレースになるだろう。現在、25点を獲得してポイントランキングトップに立っているのは、№19J.P.デ・オリベイラ(Mobil1 TEAM IMPUL)。これを5点差で追っているのが、№36アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)となっている。
さらに、オリベイラと7点差で№32小暮卓史(NAKAJIMA RACING)、8点差で№20平手晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)と続く。実際のところ、シリーズ折り返しを迎えた段階で、チャンピオン候補はこの4人に絞られたと言っても過言ではない。ランキング5位以下のドライバーは、現在までの獲得ポイントが1桁。トップのオリベイラとは15点以上、2番手のロッテラーとも10点以上の差があり、残りのレースでその差を引っ繰り返すというのは、かなり難しいと言わざるを得ないからだ。
今回が正念場。小暮、平手 そして、このトップ4人の中で、今回が正念場となるのは、小暮と平手。このツインリンクもてぎでのレースを終えた段階で、トップにいるオリベイラとのポイント差をさらに広げられた場合には、今後の挽回が厳しい状況となる。もちろん、それはランキング2位につけているロッテラーにとっても同じ。前回の富士戦と同様、このレースではオリベイラの前でゴールすることが必須となってくる。そのためにも重要になってくるのは、まず予選。ツインリンクもてぎのコースは、オーバーテイクが容易ではないため、グリッドの位置がレース結果にも大きく影響してくるからだ。しかも、ほんの少しのミスが大きくポジションに響くコースだけに、各ドライバーの見せる限界ギリギリのタイムアタックは大きな見所となる。
フライング判定が厳しいもてぎ、スタートに注目!
決勝レースでは、もちろん第一にスタートが重要な見所。前回の富士では、オーバーヒート気味になって、スタートで出遅れるドライバーも多かったが、今回はどんなドラマがあるのか?フライング判定が国内でも最も厳格なコースということで、各ドライバーのクラッチミートの瞬間は見逃せない。また、今回のレースは、天候が晴れになれば、ドライバーにとっても、マシンにとっても、非常に過酷な一戦となる。ツインリンクもてぎのコースは、すり鉢の底に置かれたような形状。そこに強い陽射しが照りつけた場合、体感温度は実際の気温よりもかなり高くなる。また、ストップ&ゴーのレイアウトということで、加減速Gは国内随一。これがジワジワとドライバーたちの体力を奪っていくことになるからだ。マシン的にも、ブレーキに対して国内で一番厳しいコースというのはよく知られている所。いかにブレーキを労われるかということも、決勝を戦う上での大きな留意点のひとつとなる。
今回のレースは、距離が250kmで、タイヤ交換の義務付けもある。5月にツインリンクもてぎで行なわれた第2戦も、同じフォーマットで行なわれているが、その時と同様、今回も満タンでレース距離を走り切れるマシンはない。これは、ドライコンディションでもウェットコンディションでも変わらないということで、各チームはレース中に、タイヤ交換だけでなく、給油も行なうことになる。そのタイミングや作業時間もレースの展開を左右するはずだ。もちろん雨が降った場合には、その雨の量をグリッドでどう読んで、どのようなセットアップを施すかという点も大きなポイントとなるだろう。
KONDO RACING 松田次生が参戦!
一方、タイトル争いとは別の部分で、大きな見所のひとつとなるのは、今回のレースからシリーズに復帰することになったKONDO RACING。彼らは、前戦・富士の練習走行日にニューマシンのシェイクダウンを行なっているが、いよいよ今回のレースからは実戦に参加する。そのマシンのステアリングを握るのは、07年&08年と2年連続でドライバーズタイトルを獲得した松田次生。シェイクダウンでは大きなトラブルもなく走り込みができたという松田が約11ヶ月ぶりのレースでどんな走りを見せるのか。その点にも注目してもらいたい。