No.32 小暮 卓史
梅雨明け直後の富士のレースから3週間。今シーズンの折り返しとなるフォーミュラ・ニッポン第4戦は、全国的にお盆休みに入った8月7日(土)~8 日(日)、栃木県・ツインリンクもてぎに舞台を移して行なわれた。まさに“猛暑”というコンディションの中、7日(土)には、ノックアウト方式の予選が行われ、激しいPP争いが展開。その結果、No.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)が今季2度目のPPを獲得。2番手にはNo.1 ロイック・デュバル(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、3番手にランキングトップのNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)が続いた。 午前中のフリー走行を終えた頃から、急速に晴れ間が広がったツインリンクもてぎ。注目の予選は、1日のうちでも最も暑い時間帯、午後2時10分から始まった。No.3 松田 次生(KONDO RACING)がシリーズに復帰し参加台数が15台になったため、今回のノックアウト予選はQ1で3台、Q2では4台が脱落。そしてQ3は、8台によって争われた。
No.1 ロイック・デュバル
Q1が開始される午後2時10分の段階で、気温は35℃、路面温度は50℃。午前中のフリー走行と比べても路面温度は約10℃上昇し、タイヤの初期グリップはアタック1周しか持たない状況。その中でセッション開始早々、ニュータイヤを装着してコースに入ったのが、No.29 井口卓人(DELIZIEFOLLIE/CERUMO・INGING)、No.7 ケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)、No.18 平中克幸(KCMG)の3人。またNo.2 伊沢 拓也(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)も、フロントのみニュータイヤを装着して、スクラブを行なった。他のドライバーはユーズドタイヤでコースイン。まずはマシンの感触を試す。その間に、ニュータイヤ組はタイムアタックを敢行。ここでまず平中が、1’35.742をマークしトップに立つ。これは午前中のフリー走行で言うと、4番手に相当するタイムということで、他のドライバーにとっても、ターゲットタイムとなった。そして、セッションの残り時間が6分半となったところで、 No.10 塚越 広大(HFDP RACING)を先頭にNo.20 平手 晃平(Mobil 1 TEAM IMPUL)、オリベイラ、No.31 山本 尚貴(NAKAJIMA RACING)、No.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TOM’S)、No.37 大嶋和也(PETRONAS TEAM TOM’S)、コッツォリーノ、小暮、No.16 井出 有治(MOTUL TEAM 無限)、2セット目を装着した平中、デュバルと続々ニュータイヤでコースイン。タイムアタックに入る。だが、どのドライバーも、平中が最初に出したタイムを上回ることができない。唯一、平中のタイムを上回ったのは、地元のルーキー・山本。平中が2番手。さらに、オリベイラ、ロッテラー、デュバルと外国人ドライバー勢が続き、小暮はまさかの6番手。平手も7番手に留まった。そして、このQ1でまさかの敗退を喫したのは、午前中のフリー走行で上位のタイムをマークしていたNo.8 石浦 宏明(Team LeMans)、ルーキーの井口、コッツォリーノとなった。
No.19 J.P・デ・オリベイラ
10分間のインターバルを経て、午後2時40分からQ2が開始。気温は35℃、路面温度は51℃と、この日最高に達する。コースがオープンされると約2分後には、小暮がフロントタイヤのスクラブを行なうためにコースイン。一旦ピットに戻った。その他のマシンは、ピットで待機。そしてQ1と同じく残り時間が約6分半となったところで、平中が真っ先にコースインすると、それをきっかけに山本、オリベイラ、塚越、大嶋、ロッテラー、井出、伊沢、デュバル、平手と次々にピットを後にする。ここで、まず35秒台に突入したのが山本。それをオリベイラ、ロッテラーが上回ってくる。さらには小暮がトップタイムを更新。トップに立った。その後、デュバルが一旦オリベイラのタイムを上回り3番手に浮上するが、チェッカーの周に、オリベイラは自己ベストを再度更新し、デュバルを再逆転。Q2は小暮に続き、ロッテラー、オリベイラ、デュバルという結果に。一方、ここで敗退となったのは、塚越と平中、井出、伊沢の4人。また松田が最後の最後に自己ベストを更新して塚越のタイムを上回り、8番手に滑り込んできた。松田は1周のみのアタックをキッチリまとめ、復帰初戦にしてQ3進出を果たしている。
さらに10分間のインターバルを経て、PPを決定するQ3が開始。この頃になると少し涼しくなり、気温は34℃、路面温度は47℃となった。このセッションでも、コースがオープンされるとまず、小暮がフロントのみニュータイヤを装着し、スクラブを行なう。他のドライバーは、Q2までよりも若干早く、残り時間が7分をわずかに切ったところでコースイン。オリベイラを先頭に、平手、山本、ロッテラー、大嶋、デュバルと続いた。一方、フロントをスクラブした小暮は残り4分を切ってから、さらに一発のアタックに賭けたという松田は、残り2分20秒というところでコースイン。ここでまず1’35.455というタイムをマークしてトップに立ったのが、オリベイラ。オリベイラはその翌周もさらにプッシュを続ける。だがS字コーナーで突然リヤが出てスピンアウト。ここで予選を終えることになった。その直後、デュバルと小暮がオリベイラのタイムを上回り、小暮はわずか100分の4秒ほどの差でトップを奪い今季2回目のPPを決定付けた。2番手には、昨年の小暮のチームメイト、デュバル。以下オリベイラ、山本、ロッテラー、平手、大嶋と続く。またQ3でも一発に賭けた松田は、オリベイラのスピン現場で出されていた黄旗で若干慎重になったと同時に、90℃コーナー先ではピットインする小暮に引っ掛かった影響でタイムを伸ばせず、最終的には8番手で予選を終えた。