白熱の予選から一夜明けた9月26日(日)のスポーツランドSUGO。台風12号が東北地方から離れたこともあり、この日は太陽が顔を出した。爽やかな秋風が吹き抜ける絶好のレース日和。朝からサーキットに足を運んだ熱心なファンが見守る中、フォーミュラ・ニッポンの決勝を占うフリー走行が行なわれ、各チーム、ドライバーはレースに向けての準備を着々と進めた。
フリー走行が開始されたのは、午前9時。この時点で、気温は17℃、路面温度は21℃。昨日よりは若干温かくなったものの相変わらず涼しいコンディションということで、グリップが高い状態の中、各マシンはフルタンクでコースイン。多くのドライバーがアウトラップを終えるとピットに入り、ピット作業の練習を行なう。また、ピットロード出口ではスタート練習をするドライバーも。菅生はコース幅が狭く、オーバーテイクが容易ではないため、逆転のポイントとなる部分での準備を進めていた。
しかしセッション開始から5分、そろそろ各車が連続周回に入ろうかというところで、セッションは赤旗によって中断される。これはSPインコーナーで No.8 石浦 宏明(Team LeMans)がコースアウトし、スポンジバリアにフロントから突っ込んだため。ドライバーのミスではなく、エンジンの機械的なトラブルが原因だった。アクセルが全開状態になってしまったことで、真っ直ぐコースアウト。石浦はブレーキを踏み続けていた左足を捻挫したが、幸い大きなケガは負っておらず、レースでは再び元気な走りを見せてくれそうだ。
石浦のマシンの回収が終わり、セッションが再開されたのは、午前9時20分。この時点で路面温度は2℃ほど上昇し、23℃となった。ピット出口がオープンされると、間もなく全車がコースイン。ここから連続周回に入る。中でも予選4番手のNo.36 アンドレ・ロッテラー(PETRONAS TEAM TOM’S)は、セッションが終盤に入るまで全くピットに戻らず走り続けた。ロッテラーは安定して1分09秒台のタイムを刻み続けており、決勝に向けての仕上がりは良さそうだ。同様にセッション再開後からピットに戻らず走り続けたのが、No.7 ケイ・コッツォリーノ(Team LeMans)。コッツォリーノも、終始安定して1分09秒台のタイムをマークしており、決勝では追い上げが期待される。また予選でPPを獲得したロイック・デュバルは、途中ピットに戻ってセットアップの微調整を行なっているが、最終的にはトップタイムをマーク。ロッテラーほど連続しての周回は行なっていないが、やはり1分08秒台から09秒前半のタイムをコンスタントにマークしている。それだけに決勝では、もしスタートが決まれば独走してしまうパターンも考えられる。さらに、予選3番手のNo.19 J.P・デ・オリベイラ(Mobil 1 TEAM IMPUL)も、デュバル同様途中でピットに戻り、マシンセットアップの微調整を行なっているが、セッション後半には1分08秒台から09秒台のタイムを連発していた。一方、予選でフロントロウを獲得しているNo.32 小暮 卓史(NAKAJIMA RACING)は、たびたびピットに戻り、ほとんど連続周回をすることができていない。金曜日には決勝想定でのセットアップを行なっていたということだが、今朝の走行ではベストタイムを7番手に留まる。これは余裕の表れなのか。それとも、何か問題を抱えているのか。非常に気になる結果となっている。